「ケービンの跡を歩く」
沖縄文庫((有)ひるぎ社発行)の「ケービンの跡を歩く」です。
テツなら知っている方も居るでしょうが、戦前、1キロメートルの国有鉄道も敷かれることのなかった沖縄にも、沖縄県営鉄道という鉄道があり、「ケービン」(軽便鉄道のこと)と呼ばれて親しまれていました。
著者の金城功さんは、県の資料編集所や県立図書館に勤務し、沖縄の運輸・交通の近代史を調査、研究していました。在職中はあの、宮脇俊三氏の廃線跡案内もしたとか。93年に定年退職となった後、あらためてこの鉄道の全廃線跡を歩いた記録をまとめたものです。初版発行は97年10月
従って、記述された内容は10年以上も前のものですが、現地で「廃線跡歩き」をする人に、なんらかの参考になるかと思います。
沖縄文庫は、空港内の保安検査場の内側の売店(北ウィング売店)の入り口の端のほうに、回転する棚に並べられていました。なんか面白そうなものが無いかと探してみると、これがあったワケ・・・
新書サイズで、945円(税込み)です。
沖縄県営鉄道は、現在の那覇バスターミナルのところから与那原線、嘉手納線、糸満線の3路線・47.8㎞の営業がなされておりました。軌間は762㎜(ナローですね^^) 1914年に与那原線が開業しており、その後順次路線を延ばしてきました。1910年に交付された「軽便鉄道法」により、地方で軽便鉄道の建設がこれ以降、盛んになってきます。嘉手納線、糸満線の建設には国庫からの補助も出ています。
坂道にかかると、飛び乗ったり飛び降りたりできるくらいスピードが落ちてしまうくらいの非力な機関車を使っての運行(後にガソリンカーなんかも加わる)でありましたが、沿線住民からは、その汽笛「アフィー・アフィー」の方音と共に親しまれてきました。しかし、1945年の沖縄戦で軌道は壊滅し、そのまま廃止になってしまったのです。
廃線跡としては、もう60年以上も前の「大御所」でもあるのですが、それだけに遺構なんかはなかなか残っておりません。それでも、区画整理や公園整備で出てきたレールなんかが展示されていたりしているようです。
なおこちらに沖縄県営鉄道を訪ねてというサイトがあるので、詳細はこちらを・・・
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