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高速道路会社とは本当に民間会社なのだろうか?

 小泉改革による道路公団民営化(佐高信氏の言葉では、会社化)の内容がまとまってマスコミに報道された時、世論は4つに分かれた。軸は、評価するかしないかと、道路建設ができるかできないか、である。曰く
「(無駄な)道路が作られなくなるので評価する。」
「(無駄な)道路の建設が進むしくみはそのままなので、評価しない。」
「(必要な)道路が作られるしくみが残ったので、評価する。」
「(必要な)道路の建設が進められなくなるので、評価しない。」
である。割合も、私が見た新聞報道の円グラフでは、ほぼ1/4ずつだったと思う。では、実態のところどうなのか?
実は、全て正しいとしか言いようがない。有料道路建設のしくみ・・・借金で建設・維持管理をして、その借金は通行料金で返済する、借金を返済(45年)したら、高速道路は晴れて無料となる・・・は要するに「何も変わっていない。」のだ。では、民営化・・・会社化の意義は?そう「自由に商売が出来る」よーし、じゃぁガンガン商売をして、借金を早く返済してもらおうじゃないの・・・と思いきゃ、商売で儲けた金は、ぜ~んぶ会社のものになって、ただ、料金収入から、日々の維持管理費や職員の給料なんかを除いた分のみが、借金返済に廻されるだけである。
こういったことは、高速道路会社が全て、独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構(ふぇ~長いお名前、以下「機構」と略す)と協定をとり結んでおり、毎年いくら借金を返済するかが決定されている。もう少し詳しく言えば、機構は高速道路の資産を保有し、債務を負うとともに、その資産を高速道路会社に貸し出す。高速道路会社はその賃料を支払い、機構はそこから債務を返済する。また、高速道路会社が建設した道路は、それを作るための債務といっしょに、機構が引き受ける、という仕組みである。
なんでこのようなややこしい仕組みにしたのか、JRのように直接、稼いだ金を返済しないのか?これは「固定資産税」の問題がでてきたからだ。高速道路会社が道路資産を持ち、営利事業をするならば、これまでかからなかった固定資産税がかかることになる。固定資産税の負担をしつつ、借金を返済するのは大変だ!ということで、道路は公的機関が所有し、高速道路会社はそれを借りて、料金収入は借金返済のみに使うということになったのだ。
固定資産税の問題は過去にもあって、十数年前に第二東名・名神なんかを建設するために、高速道路料金を値上げした時に、東京の日野市だったか、中央道が通過するだけで、(日野市にはインターチェンジが無い)騒音などの被害があるのに料金を上げるとは何だ!ということで、固定資産税をかけようとした。本来は道路のような基本的なインフラストラクチャーは税金で整備し、無料で(税金で)維持されることが基本なわけだが、40年前に日本の高速道路を急いで整備しなければならない、金が要る、よって有料道路制度で、高速道路を整備してきたのだから、「高速道路事業」が営利企業になってはイケナイのである。もっとも、発展途上国では同じような有料道路制度で高速道路整備を行っているところが多いし、道路先進国である欧米でも、昨今の財政事情を反映して、有料道路制度を導入し、道路整備、維持管理をしていこうという動きがあるので、有料道路制度そのものがイレギュラーな制度ではない。
だが、問題は機構と結んだ協定によって、経営の自由が利かないということだ。高速道路で商売をする・・・これで通行量が増え、料金収入が増加する分にはまだよかろう。だが、今回のような「世界恐慌」状況で交通量が落ち込み、料金収入が減ると途端に壁にぶち当たる。実は、建設のための工程や資金計画・・・借金計画も協定でしばられており、たとえば交通量が落ち込んで収入が減ったmoneybag場合、普通の民間企業であれば「ちょっと設備投資はやめよう」ということをスグに決められるが、高速道路会社ではそうはいかない。「作るといったら、作るんだい!」と突き進むしかない(協定は5年毎にしか見直されない)のだ。
その結果どうなるか?必要な経費を切り詰めるしかない。職員の賃金を下げるとともに、維持管理の費用を切り詰めて・・・パーキングのトイレが汚くなり、路面にゴミが放置され、舗装は穴ボコだらけ・・・どひゃどひゃ~安全性が確保できなくなるのではないかcoldsweats02
経営の自由が利かない・・・のは民営化前もそうだったのだが、「公的機関」であれば必要な税金の投入(小泉はそれを止めて「改革だ」と言っていたのだが)も発動できようが、民間会社に税金を投入なんて・・・ビック3かい、高速道路会社はsign02

とりあえず、今日はここまで(^^)

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コメント

こんにちは。かつての3公社5現業の話を聞くと、純粋に民間企業に勤めている人間から見れば、「どこが民間企業なんだか」と思う話が一杯ありますね。勿論、公社と民間企業、どちらが上か、という問題ではありません。

公共性の高いものは、順次公社化すればよろしい。公社でも、必要な部分は競争に晒す方法はありますし、競争に晒してはいけない部分の保護は、民間企業よりも容易でしょう。

投稿: TAMO2 | 2008年12月13日 (土) 10時42分

TAMo2さんこんばんわ。ようこそおいでくださいました。
「公共のため」であるならば、道路にしろ鉄道にしろ、きちんと税金を投入して誰でも容易に利用することが出来るべきですね。
まあ、鉄道の場合、小林十三のような「成功例」があったからこそ、「民営化」というイデオロギーが通ったのかもしれません。小林氏なぞ、急速的に資本主義が勃興し、帝国主義段階に急成長した日本の資本主義発達史を体現した人物であるかもしれませんね。

投稿: GO | 2008年12月14日 (日) 21時27分

民主党による高速道路の無料化は、毎年2兆円の税金投入が必要であり増税をもたらす。
これは、高速道路を利用しない人から利用する人への所得移転でもある。
その上、利用者が増えればCO2の排出量も増えて、環境破壊を増進させる。民主党は環境破壊政党であることを自覚すべき。

投稿: 民主党は日教組と在日の政党 | 2009年8月 6日 (木) 09時55分

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