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金融資本は万能ではない(その3)

さて、資本として投下される貨幣は、資本であるがゆえにG―W-G´の連関を通じて、また貨幣となって戻ってくる。ここで剰余価値を含んでG<G´となっている。G-W-G´の連関に何度も放り込まれることで、Gはドンドン増加するのだが、ここで、金融資本(利子生み資本)ではGは一旦連関の中から引上げられ、同じ、もしくは別の連関に投下されることで増殖する。
いったん連関から引上げられるというのが、利子生み資本の特徴である。ゆえに現実の生産と関係なく、投下先を絶えず探す必要がある。一方、GはGであるがゆえに、ドンドン増殖するから、これまた現実の生産に必要な貨幣よりも大量の貨幣が世の中に出現する。この大量の貨幣が、投下先を探してウロウロし、他の金融資本(これらに証券、さらには生産物や生産手段といったモノをとりあえず含む)に直接投下される。この投下を仲介するような別の資本(剰余価値から得られた利子から、さらに手数料という形で自己の資本を増殖する)が現れたりする。なお、増大した貨幣は現在では、実際の金属貨幣や紙幣で現されず、帳簿における数字で示される。
こうして、実生産とは関係のないところで、大量の貨幣がG-G´―G´´とやりとりされるわけだが、資本主義ではGの増大分は、あくまでも剰余価値の搾取分からしか生まれない。ところが金融資本の世界のみ連関を繰り返すうちに、G<G´=G+⊿Gの、⊿G部分が、実生産における⊿Gよりもドンドン増殖してゆく。これを架空性という。また、この架空性によって増大した貨幣が大量にある時には、その一部が消費に回ること(回るであろうと期待すること)で、実生産のG-W-G´の連関がより大きく動く。ところで金融資本内の連関がうまく行っているうちはよいのだが、うまくいかなくなった、例えばサブプライムローンのように利子も元本も返せない労働者階級をだまくらかして大量の貨幣を貸し付けてしまった場合(このときGはGであるがゆえに、労働者への貸し出しをも自己増殖の手段にするのである)、この連関が断ち切られると同時に、実生産の部門から⊿Gにあたる部分を取り戻そうと働く。そこで実生産が回らなくなり、恐慌とあいなるわけだ。
まあ、何が言いたいのかよう分らん文章になってしまったが、要するにG-W-G´の連関があって剰余価値を搾取するうちからしか、金融資本分の⊿Gは得られないのだということ、架空的に増大した価値は、無くならざるを得ないということである。

あーしんど・・・このシリーズ、もう止め
あと、恐慌とは直接関係はないが、「金融立国」というのは、実生産をやっているところから剰余価値の上前をはねて生きることである。現代社会では、多くの発展途上国が生産したら上前をはねて生きる道ということで、ホント、ほめられたものではないことも理解できると思うが、いかがか?

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コメント

剰余価値の搾取とは、どういう事ですか?
労働者は、雇ってもらって、働いて約束通りの金をもらう。付加価値は、雇う側の工夫の成果だと言うことではないのですか?
それと、戦争反対と、労働者の闘いとは、どんな風に考えてますか?戦争反対に、労働者も労働者でない人も関係ないでしょう。そうも思いますが。

投稿: 戦争反対 | 2009年1月25日 (日) 11時09分

>剰余価値の搾取とは、どういう事ですか?
簡単にいうと、労働者が必要なモノやサービスを生産するのに、平均1日4時間でいい社会で(この時間の長さは生産能力・社会の状況によって変わってきます)に、労働者が資本の下で8時間働いて、「必要なモノやサービス」を購入するに足るだけの賃金をもらう場合、8時間で労働者は必要「以上」の生産物・サービスを資本に提供することになりますが、もらうのは4時間分です。だから残りの4時間分を「剰余価値」と言い、これが資本主義社会では資本家のとり分(その中から、利子分や地代分を差し引かれます)となります。4時間分の「賃金」をあたかも「8時間働いた」分の「報酬」のように偽装しているのが、資本主義下での「雇用契約」というわけです。

なお、剰余価値そのものは、古代、中世を通して存在するもので、例えば封建制の時代では、「年貢」という形をとるわけです。
詳細はマルクスの「賃労働と資本」なんかをお読み下さい。(http://redmole.m78.com/bunko/kisobunken/chin1.html)TAMO2党首のところから・・・

投稿: GO | 2009年1月25日 (日) 21時25分

>それと、戦争反対と、労働者の闘いとは、どんな風に考えてますか?戦争反対に、労働者も労働者でない人も関係ないでしょう。そうも思いますが。
おっしゃる通りなのですが、労働者は誰にも増して戦争・特に自国の行う帝国主義戦争(多くの先進諸国では、自国とアメリカさんはお友達=同盟関係ですから、アメリカの行う戦争も含みます)に反対しなければならないということです。
資本主義が発達して帝国主義段階に入りますと、必ず戦争して相手をつぶしてでも、市場を独占しようとします(これを帝国主義間争闘戦といいます)また、自国が市場としている資本主義的発展の遅れた国・民族を抑圧します(抑圧には軍事的暴力が伴います。これの典型的な例が、パレスチナなのです)
また、帝国主義間戦争を行う当事者=労働者同士が、互いに連帯し、団結することによって、戦争を止めることもできます。

まあ、ざっとしか答えられませんが、これからもお付き合い下さい(^^)

投稿: GO | 2009年1月25日 (日) 21時33分

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