革共同中央派は「やわらか戦車」かい!
「前進09年1・1アピール」の批判である。まあ、細かい批判・批評は他にゆずるとして(オイオイ)全般的な問題点は
① 反戦闘争・反改憲闘争が全く無い、沖縄反基地闘争についても、ゼロ!
② 非正規労働者の闘が全く措定されていない、動労千葉防衛路線+ゼネスト革命論
③ よーするに現代社会の認識が全くできていない。
④ で、3労組共闘も後景化させた「世界単一の労働者党の建設」という空論をふりまく
ぐらいかなぁ~
左翼政治党派を名乗るには、「反戦闘争」、日帝の場合はとくに、「日米同盟」が基軸かつそれがないと日帝が生き残れないわけだから、アメリカの行う戦争政策に追随する基地闘争やイラク・アフガニスタン(そしてパレスチナ!)への反戦・反基地闘争と、戦争ができる国家・帝国主義として自立するための「憲法改悪」闘争は重要課題である。それがすっかり後景化している。沖縄にしても、「辺野古新基地建設阻止闘争」を語りながら、「『労働者が主人公の沖縄』、沖縄ソビエトをめざす闘い」(そんなに「う○まユニオン」って強力だったっけ?)に強引に付会させられている。そーいや先日の1・10イスラエル抗議集会も、関西の中央派の人は個人参加でも1人も来ていなかった。カクマル以下である
労働運動について、「『生きさせろ!』のゼネストへ」の見出しが躍り、「派遣切り」についての言及がなされているが、「大幅一律賃上げ」と「最低賃金の一律引き上げ」を「労働者の絶対的要求」としているが(もっとも両者は必要事項であるが)、もっと当面性のある「解雇撤回をたたかう」という文言が無い。そこで「生きさせろ」が「第二次国鉄決戦・・・」に続いている。国鉄決戦のほうが、非正規労働者の闘い(ほとんど何にも書かれていないが)よりも比重が多い。非正規労働者の闘いは安田派中央の下にいる党員、支持者のなかからも様々な闘いが起こり、また動労千葉派として12・4日比谷屋音の集会にも参加しているハズだが、あれはいったいどうなったのか
正規労働と非正規労働者の間に資本の側が著しい労働条件の差を設けてきたこと、それに一定の部分加担してしまった結果、労働者階級が「分断」されてしまっている現実を直視しない、できないから、正規労働者が非正規労働者の課題を自らのこととして闘うという路線・方針がない限り、彼らの言う所の「労働者の団結」も「生きさせろ!ゼネスト」も空論である。
世界情勢・現代社会認識について、「ドル大暴落」について書いても、じゃあ「円」はどうなるの?オバマを「ブルジョワジーの『最後の救済者』」としての位置づけは正しいだが、単にオバマが「敵だ」と叫んでいるばかりで、なぜアメリカの労働者・民衆がオバマを「選挙」で熱烈に支持したかという視点がぬけている。また、金融資本が非常に架空の部分で巨大化(過剰資本)し、実体経済を追い詰め、破壊しているという現実が書ききれていない。(そもそもレーニン主義の党を標榜するなら、帝国主義を論じる上で金融資本を論じなければならない。)道州制批判も、労働運動・組合つぶし攻撃としてしかとらえられていないが、道州制とは国家が軍事・外交といった面に特化し、人民への社会保障などは道州におしつけてしまおうという、戦争国家化への道だということがすっぽり抜け落ちている。
唯一小見出しのある反戦闘争は、「攻めの改憲阻止決戦軸に・・・」となっているが、実際は何も書かれていないに等しい。田母神クーデターも、改憲→新国軍創設の攻撃とはとらえられていない。そして「攻めの改憲阻止決戦」は自らがヘゲモニーを持っている裁判員制度との闘いが「最先端」であるそうな。(重要な闘いであることは違いないが、最先端に位置づけるのはいかがなものか?)
そして最後に、3労組共闘も、日米韓3国連帯(これ重要でしょ!)も吹っ飛ばして「世界単一の労働者党の建設を」だ!?しかもその方法として「党の『鉄の規律』を確立し・・・」である。レーニンが「左翼空論主義」で述べた「厳格な規律」とは、共産主義者の内的な自己規律であるが。彼らのは中央の思想・方針に意義を唱えさせず、「中央との一致」のみえお追及し、労働者との自由な交通をもって自由に考える者は、粛正しちゃうぞ!ってヤツだ。
総じて、70年代以降に切り開いた地平をことごとく投げ捨て、60年代に、あるいはレーニンや晩期のマルクスを投げ捨てて、「共産党宣言」のマルクスまでドンドンどんどん「後ずさり」しているなぁ~ということだ。まさに、「やわらか戦車」退却~
では、対抗する革共同再建協議会(新しくHPができたぜ~でもいきなり鉄ネタのところにまで、TB送ってくるなよ)はどうかというと、今は「止まっている」のである。なぜ止まっているのかといわれれば、なぜ自分たちの中から、依田や安田のような者を生み出したのか、党や運動がなぜ後退してしまったのか「総括・点検している最中だからだ。やがてその中から現代帝国主義に対抗できる「新しいもの」を作り出さないと、革共同奪還なぞ、できないのだ~
最後に、中央派では中野洋動労千葉前委員長の新版「甦る労働組合」の感想文運動!?が押し進められているらしい。しかしこの本「労働者を軽んじ、蔑視する者は絶対に許さないという労働者自己解放と実践」など、マルクス主義とは全く別物の言葉を吐いている。労働者以外の、農民や魚民、また被差別民族はどうなるのか?
1・1アピールとは違うが、島崎光晴の論文「1929年超える後のない大恐慌」においても、経済の島崎氏にとってはあたりまえのことを、「帝国主義(資本主義)体制は、歴史的命脈が尽き、社会の発展の桎梏となった」(中野洋著、新版『甦る労働組合』)と引用されているくらいだ。わざわざ括弧で括るような内容か、それともかの国のような将軍様の御言葉だからありがたいのか、語るに落ちるという言葉はこんな時に使うのだろうなぁ~(ぽか~ん)
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コメント
当地、青森では、本日、「前進」紙読者の集いが行われ、いろいろと批判が出ておりました。私も、年末の派遣村に全学連の若者をボランティアに行かすぐらいできなかったのか!と文句を言っておきました(行ってたかもしれないけど)総論としては理解できても、所詮、「本工労働者」の労働運動をよいしょしていては、見えない部分も出てくると思うのです。がんばれ!革共同@本家!がんばれ!再建派(でいいのか?)!
投稿: なのなの勢力 | 2009年1月19日 (月) 05時30分
なのなの勢力さん、略称は「再建協」のほうがよろしいかと思います。本工労働運動よいしょの件は、安田なる者が動労千葉の運動しか知らず、動労千葉の労働者像=労働者という図式にしか立てない「限界」なのだと思います。幕末ニッポンじゃないけれど、広く人材を抜擢しないと変革は難しい・・・でも、本家に行った方でも「変だ~変だ~」と言いながら地道にがんばっている人は多くいると思いますので、暖かく見守ってやってください
投稿: GO | 2009年1月19日 (月) 21時34分
「再建協」ですな。失礼しました。
当地では、中央派の方が「塩川一派」と呼んでいまして、「それはひどいんじゃないの?キミのことを安田一派と言っちゃおうかな?」などと悪態ついて、私は「関西派」と呼んだりもしていたんですが、正式名称で呼ぼうと思って、新年会の席で聞いてみたんです。応援団の中には、再建協の書籍を取り寄せて読んでいる方もいまして、教えてもらいました。「再建協」なのに「再建」だけ覚えていたという不始末で申し訳ない。がんばれ!再建協!
再建協の主張もネットでも読めるようになってよかったと応援団は言っています。私も読んでみましたが、なにしろ、もともと内部者じゃないもんで、よくわからないことが多いっす(^^;○○テーゼの解説などをしてもらっている初心者応援団です。
投稿: なのなの勢力 | 2009年1月20日 (火) 04時41分
あ、ご存知かと思いますが、なのなの勢力は、80年代の戦旗派の学生活動家でありました。
投稿: なのなの勢力 | 2009年1月20日 (火) 04時53分
奴等は単に人殺し愛好会Aと人殺し愛好会Bでいいでしょう。中央派とか再建派とか笑止。
投稿: ヤンウインリー | 2009年1月22日 (木) 07時45分
やめた人間はなんとでも言える こんな口ばかりのやつがかつての仲間だと知ると情けなくなる 年だから将来のことを考えて辞めたいと言うならまだ話はわかるしかしかつての情報を 僅かな印税を得るために売るとは情けない 必ずや組織を再建して後悔させる
投稿: 北のゲバラ | 2009年4月 2日 (木) 21時57分
頑張ろう。麻生の戦争ミサイル反対!
・・・・・・・・・・・・・・
昨日、PAC3ミサイル部隊の実践展開に抗議する行動が、防衛省正門前で行われ、参加しました。首都圏のPAC3が配備された地元の市民団体などで構成されている実行委員会が呼びかけたものです。千葉県の習志野基地行動実行委員会の吉沢さんの司会で、入間(埼玉県)、東京北部、浜松(静岡県)など、地元で監視・抗議行動を続けている団体から報告がありました。
3月27日、防衛省は北朝鮮の「人工衛星」発射に対し、「破壊措置=迎撃」命令を発令しました。そして、その夜8時過ぎんい、習志野演習場から10台の大型車両がPAC3の一部を載せて防衛省に向かいました。入間基地からも防衛省と朝霞基地へ。霞ヶ浦基地からも朝霞基地へ。そして、浜松基地からは秋田、岩手へ。PAC3部隊が全国に移動展開しています。浜松基地からは29日の朝、迷彩服を着た隊員を乗せた47台・4基分のPAC3の軍用車両が実戦さながらに出ていったそうです。28日には佐世保からSM3を持つイージス艦「ちょうかい」と「こんごう」が日本海へと出港しました。
朝鮮民主主義人民共和国の「人工衛星」打ち上げを口実にして、戦後初の実戦態勢を発動させ、今、自衛隊は臨戦体制に入り戦争訓練そのものを強行しています。有事体制下、自治体も動員されています。9条を破壊する暴挙に強く抗議し、中止の求めましょう!
防衛省前抗議行動が始まる直前に右翼の車が現れ、「自衛隊がんばれ~」と大音量で集会妨害を続けました。抗議行動参加者は、右翼に抗議し自衛隊に抗議して集会を続け、抗議要請をやり抜きました。最後に各団体から地方協力企画課の樋口自衛官にPAC3展開中止を求める要請書を手渡しました。
投稿: 戦争反対 | 2009年4月 3日 (金) 16時19分
どうもう、初めまして、
私は日本の大学で留学生しているニュージーランド人ですが、60/70年代の運動を研究しています。このブログはとても面白くて、いろいろと勉強になりました。実は、インタビューを目的に60/70年代の運動に関わった人を探しています。このような頼みをここで言うのはアレですが、何か糸口があれば是非教えていただきたい。
宜しくお願いします。
投稿: ゲバ坊 | 2009年7月11日 (土) 21時18分
ゲバ坊さんようこそ。いろいろと勉強になるようなことを書いているつもりはありませんが、そんなにお役に立ちましたでしょうか?
60/70年代の運動に関わった人のインタビューの糸口ですか、う~ん。産経新聞や朝日新聞なんかで元全共闘の特集記事なんかやってましたから「有名どころ」で今もどこかで活躍(左右を問わず)されている方はいっぱい居られますし、また現在数少ない新左翼・市民系の集会に参加して、その当時からの活動家と知り合いになるとか、地道な方法しか私からは紹介できません。
お役に立てず、申し訳けありませんでした。
投稿: GO@あるみさん | 2009年7月12日 (日) 11時56分
中核派の「前進」の最新号には、自分達が批判している「体制内労働運動派」主催の12・10日比谷野音の写真が使われています。かつての第4インターの機関紙を見る重いです。
投稿: | 2011年12月23日 (金) 16時50分