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ガザ この現実「たたかうジャーナリスト」志葉玲・緊急報告会

22日に神戸で行われた、市民社会フォーラム企画の、志葉玲ガザ報告会に参加してきた。志葉玲さんは、2003年イラクに「人間の盾」として滞在しながら民間人の空爆被害を報告し、頻発する自爆攻撃や米軍によるイラク市民の被害、自衛隊の活動などについて取材し続けてきたジャーナリストだ。
 会場は机とイスが70人分ぐらいの部屋である。主催者あいさつの後、プロジェクターでスライドショーをしながら1時間ぐらい、志葉さんの報告。志波さんは他の仕事の都合で、ガザは「停戦後」の訪問となったのだが、まずガレキの山しかないガザの地と、掘っ立て小屋とも言えないようなところで生活している人々の写真が紹介された。「停戦」ともなれば少しは復興のきざしのようなものがあるハズだが、イスラエルによる封鎖が続いているので必要な物資・・・家をなくした人には、テントが必要なのだがそれすらも・・・が届かない。電気も水道もない。血糊のまだ残っている壁・・・あちこちに髪の毛や頭の皮が残っていたそうだ・・・の写真。イスラエルの使った白リン弾(市街地で使うと、無数の白リンの破片が上空で撒き散らされ、恐るべき殺傷兵器になる。燃えるリンが人間の皮膚を突き抜け、体内で燃焼する)で傷ついた人、小さな弟たちを食べさせていかないといけないのに、父親が殺され、自分も両足を失った人・・・病院は万床で、ろくに薬も無い。
 戦争報道では、建物の破壊に目がいくが、小さな子どもの眼の前で、親や親族が殺される(首から上が飛ぶ、腹が裂けて内臓が飛び散る)光景を見ることで、それが与える精神的なショックは計り知れないのではないかと、志葉さんは心配していた。
 ラファでエジプトと通じる物資「密輸」のためのトンネルの写真もあった。30メートルぐらい深いところを通っているらしい。(なんだかベトナムみたい)
 イスラエル兵の精神的な荒廃・・・占拠した家の壁に、アラブ人の墓や、お前たちは逃げられない、Make War not Peaceなどと落書きをしていくことも紹介された。またガザで宿泊するところが無かったので、通訳をしてくれた青年の家に泊まったが、停電で1日数時間しか電気がつかない、「今日は電気があるだろうか、あるといいね。」という会話をするようになったこと、比較的裕福な家なので、夕食にピザが出たが、チーズが無いこと。17歳の妹さんのセンスがいいので「将来はアーチストだね。」と言ったら、「ここでは医者が必要、医者になる、なれたらね。でもシャヒード(殉教者・・・死ぬこと)かも」と言ったことから、停戦はけっこうだが、最低限のこと、若者が未来に夢がもてることが必要、06年のレバノンもむちゃくちゃだったが、イスラエルの戦争犯罪が裁かれない、きちんと調査をして何らかの措置をとらないと、イスラエルはアメリカをバックにまた同じことをやるだろうと志葉さんは訴えた。(未来に夢をもてない・・・というのは、ある部分、今の日本もそうで、その意味では日本とパレスチナは地続きであるのだ)。このことをほったらかしにしているのは、私たちの責任、これから生きる人に対してどう申し開きができるのか、ほっといちゃいけない、と。
 15分ほど休憩した後、志葉さんと、島根大学の教員、清末愛砂さんとの対談、清末さんは2000年からの第二次インティファーダの時ぐらいに、パレスチナのヨルダン川西岸地域に行ったのであるが、この時にはこれほどまで人間であることを「恥」と思った・・・きびしい弾圧、絶望感、それでもたたかい続ける人々がいる、それを同じ「人間」であるはずのイスラエル軍によってここまで愚弄されるのか?・・・のであるが、今日のガザの状況はそれでも当時のほうがまだマシだったと思える。国際法がこれほどまで無意味な地区なないというコメントから話が始まり、志葉さんも交えて、イスラエル軍はほんと、ハンパじゃない、外国人でも、ジャーナリストであっても容赦ないこと、だがジャーナリストが居ることである種の抑制が働くのではないか?さもないとよけい酷いことをやるだろう。またジェニンの虐殺があってイラク・ファルージャでの虐殺が起こった。イスラエルがパレスチナ人に対して行う拷問とアレグレイブ刑務所における拷問まで一緒、こういったことを見逃すと、また同じようなことが起こる。今回はジャーナリストが徹底的に排除されたが、市民がインターネットで情報を発信し続け、こういった人の努力を通して私たちがわずかなことを知ることができた。例えばガザの若者にカメラやビデオを渡すのも一つの支援ではないか。それが一つの「抑制」になるかも知れない・・・
 志葉さんは、日本のメディアは次から次に賞味期限が短くなっている。自分が命がけで記事にしようとしても、日本で全く伝わらないのでは、何のためにやっているのか分らん、ジレンマがすごくあるとも言った。また、ガザにはいるのがドンドン難しくなっていて、エジプト(ここも独裁国家でアメリカの後ろ盾が必要なため、イスラエルと一緒に封鎖を続けている。民衆にはパレスチナ人へのシンパシーがあるのだが)でずいぶん足止めされ、トンネルから入っていこうかとも思ったそうだ。清末さんは、メディアだけでなく、研究者も含めて教育に携わる人も本当にがんばらないといけない。今回のことで日本の学者の世界は動かなかった。平和や人権のことについて、文系の学者のみならず、たとえば白リン弾のこともあるのだから、理系の学会であってもなにか言ってもいいハズ、科学者としての責任がある。もしガザに調査団が入ることができれば、理系の人も行って徹底的に調べて欲しいと訴えた。
 オスロ合意って一体何だったのだろう。学校や病院、民間人の家、ガザコミュニティーを徹底的に破壊したジェノサイドとしか言いようが無い、今も封鎖によってガザ住民をじわじわ殺し続けているというところで、対談を終了した。その後、会場からの質疑応答。少し年を取った方から「これは戦争とは思っていない、ホロコーストでありジェノサイドだと思う。」と始められた上で、日本人はパレスチナに対するイメージが悪い(それが無関心に繋がっているのではということだろう)のではないか、赤軍だとか、重信だとかミュンヘンだとかとかをイメージするのでは(注・・・たぶんその人の思い込みだろう)といった質問に対し、志葉さんが「岡本さんと行動を共にしたパレスチナ人といっしょになったが、向こうでは英雄ですね。」と言いながら、ジェニンもガザもあるのに(イスラエル建国のときの、デイル・ヤーシーンってのもあるぞ!)、もう何十年前のテルアビブのことを言われるのか、どうもそのへんの感覚が鈍いのではないか、無関心はむしろ、無意識のレイシズム・・・日本人が一人死んでも大騒ぎするのに・・・ではないのかという話題になった。パレスチナ人のハイジャック闘争を批判するくらいなら、なぜそこまでしなければいけないのか、これまで「パレスチナ人なんて居ない」(これが「無関心」の結果)扱いをしてきた私たちのレイシズムを認識しないといけないということだ。
 また質疑応答の時間に「平和のための対話」が話題になった時、志葉さんは、もはやイスラエル人にはこの問題を解決できない、イスラエルの建国自体がまちがい、だからこのまちがいを認めることが国際社会にとって必要だとも言った。極論を言うと、北朝鮮やイランが同じことをやったら空爆されるでしょ、イスラエルも空爆すればいい・・・もちろんすごく真面目な「冗談」である、空爆のようなことをすれば、真っ先にその社会で一番弱い所が犠牲になる。イスラエル国籍のパレスチナ人もいる・・・議論を起こすため、イスラエル人やユダヤ人(民族的「ユダヤ人」なんてのは成立しない。母親がユダヤ教徒であったら、ユダヤ人になれる)にいろいろ何が起こっているのか、何がおこされてきたのか、言っていくしかないのでは・・・そんなことも言われて、会は終わった。
 熱のこもった会だったので、終了は4時半までの予定が、会場引き上げの5時前までかかり、参加者で机、イスを片付けて終わった。(懇親会があったけれど、いろいろやらんとあかんことがあったので、行かず)
 私のつたないブログ記事では、今回の報告会であったことをうまく伝えることができたかどうかは、分らん!現地に行ったり、積極的に研究・発言されている方の報告会等に、自身で足をはこぶことをお勧めする。

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コメント

こんにちわ。大変参考になるブログですね、感謝したい。私も2009年になって外語大(1/11)や岡真理氏(1/18)のガザ攻撃に関する講演を聞いてそれまでの認識を改めさせられた者です。貴殿のブログ記事はそれらの講演にもましてあからさまで、パレスチナ問題に関して真の認識を得る上で素晴らしいものだったと思います。すなわち

>国際法がこれほどまで無意味な地区はない
>日本のメディアは-賞味期限が短くなっている。自分が命がけで記事にしようとしても、日本で全く伝わらない
>オスロ合意って一体何だったのだろう。学校や病院、民間人の家、ガザコミュニティーを徹底的に破壊したジェノサイドとしか言いようが無い、今も封鎖によってガザ住民をじわじわ殺し続けている
>日本人はパレスチナに対するイメージが悪い
>(日本人の)無関心はむしろ、無意識のレイシズム・・・日本人が一人死んでも大騒ぎするのに
>もはやイスラエル人にはこの問題を解決できない、イスラエルの建国自体がまちがい、だから
>このまちがい(イスラエル建国時の問題)を認めることが国際社会にとって必要だ
>北朝鮮やイランが同じことをやったら空爆されるでしょ、イスラエルも空爆されればいい

などです。全て同意です。特に大事なのは「オスロ合意とはゆっくりしたパレスチナ人虐殺でしかなかった」「イスラエル建国(=ナクバNAKBA)自体に植民地主義・人種差別という間違いがある」「そうした間違いを国際社会が認める事が解決に必要だ」と思います。

 この問題で私が到達した認識は、最早これは日本の問題だということです。最早イスラエルとパレスチナの問題ではなく、この問題に関わらないとは言えない国際社会、特にアメリカを除く日本など先進国の問題だということです。日本などは国際政治の関係性からこれを避けて通れない、又アメリカは明らかにおかしいのでけして解決できないでしょう。日本人が発言し、関与しない限りパレスチナ人はこれからも殺され続け、最終的に数十年後に絶滅させられる、と認識すべきだいうことです。

私は昨年末にイスラエルの攻撃直前にミーダーンの講演会でこの問題の話を聞きましたが、その時は自分とは関係ない事、解決困難なやっかいな事と理解していました。しかし今年に入って話を聞いたり勉強した結果まるで認識は変わりました。

昨年末のミーダーンの集会はそれはひっそりしたものでした。しかし1/11も1/18の集会も会場満員の大盛況でした。今オバマ就任と停戦でメディアでは既ににパレスチナ問題は焦点から外れつつありますね。今週末にはまたミーダーンの講演会(http://d.hatena.ne.jp/zames_maki/20090228#p4)
 がありますが、はたして我々日本人の関心は続いているのか?と疑問に思っています。

投稿: zames_maki | 2009年2月25日 (水) 18時09分

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■当日の企画について      2月21日に、大阪市の浪速人権文化センターで開催された、「ガザ この現実 『たたかうジャーナリスト』志葉玲・緊急報告会」に行って来ました。当日配布された本レジュメ(上記左写真)以外にも、他の企画案内の資料や、会場で買ったパンフレットもあり、まだその全てに目を通した訳ではありませんが、とりあえず当日の様子や、その時に考えさせられた事などを、思いつくまま書いていきたいと思います。  この企画は、20日から22日にかけて、大阪以外にも京都・神戸で連続開催されました。21... [続きを読む]

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みなさんは、一人暮らしをしてて、近隣の迷惑に困ったこと。現に困っている。などありませんか?私は将に今、それです。そんな備忘録サイトです。 [続きを読む]

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