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モラトリアムぐらい、しようぜ!

八ッ場ダム事業中止問題や補正予算見直し問題が世間では話題が大きいようだが、注目したい政策に、国民新党、亀井静香金融・郵政担当大臣の提唱する、中小企業に対する債務返済猶予制度(モラトリアム)がる。
NIKKEINETより
支払い猶予法案で調整指示 亀井氏、副大臣・政務官に

亀井静香金融担当相は24日午前、金融庁内で大塚耕平副大臣、田村謙治政務官と初の「政務三役会議」を開いた。亀井氏は中小企業などを対象にした債務の返済猶予制度(モラトリアム)について「与党の意見集約に全力を挙げて欲しい」と述べ、具体化に向けた調整に入るよう指示した。民主党の大塚副大臣らを中心に意見集約を進めることになった。
 金融相は「年末の問題もあるので、きちんと対応するように」と語り、中小企業などの年越えの資金需要が高まる年末までに、モラトリアムを実施する意向を示した。同相は17日未明の就任後の記者会見で、臨時国会に関連法案を提出する考えを表明していた。(13:19)

中小企業の資金繰りというのは、私は体験したことが無いので分らないが、大変なものらしい。
また、金融機関から借金をして、利払いが滞ると「貸しはがし」しなわち元本一括返済を請求され、事業は続けられるけれど、倒産というケースもあるらしい。
「利子生み資本」がむさぼる「利子」というのは、何らかの生産行為によって生み出された剰余価値の一部であり、「債権」というのは、それを頂く「権利」でしかないのだが・・・生産行動が行われても(行う能力があっても)G-W-G’のサイクルが成り立たっていない現状では、G’から利子を取ることなんて、ムリmoneybag
「モラトリアムをやると、不良債権が増える。」とか銀行協会なんかは言っているが、彼らは経済が恐慌状態に陥ると、真っ先に公的資金が投入されて、救済されたりするじゃないかsign01
「人民生き残り」政策のためには、大ブルジョワが持つ「債権」なんぞ、ホントはチャラ(徳政令)にしたいところ・・・あくまでも今回は「支払い猶予」であって、債務が帳消しになるわけではない。

毎日jpより
亀井金融相:返済猶予中でも追加融資可能に

亀井静香金融・郵政担当相は2日、東京都内であった中小企業経営者団体の集会であいさつし、中小企業向け融資や住宅ローンの返済猶予(モラトリアム)制度について、「返済を延ばしても支援しないとただ延ばしただけになってしまう。きちんと仕事ができるよう、必要な資金を貸すのは当たり前の話だ」と、返済猶予期間中でも追加融資を可能にすることを示唆した。
 亀井担当相は「返済を猶予したから新しい金は貸さない、ということはさせない」と強調。「制度は必ず成立させる」と改めて実現に意欲を示した。
 通常、返済猶予を申し出ると融資は不良債権に区分されるため、追加融資を受けるのは難しくなる。
 現在検討中の制度では、返済を猶予しても不良債権に区分しないよう金融検査マニュアルを見直す案も浮上している。【井出晋平】

古い自民党の思考・政策を体現している経済コラムマガジンというのがあって、興味深く見ているのだが、今週の記事「モラトリアムの話」の中で

亀井静香氏はあらゆる分野の政策に通じている。また日頃の勉強量も半端ではない。

のだそうな(^^)
少し引用すると
(前略)02年の秋頃、金融機関の不良債権処理が社会問題になっていた。政府・金融庁は金融機関に不良債権の処理を急がせていた。02年と言えば都心の地価が最低レベルまで下がっていた時である。01年に成立した小泉政権は緊縮型の財政政策を採りながら、不良債権処理を進めるといっためちゃくちゃなことをやっていた。不良債権の処理を強力に押しすすめたため、不動産は投売り状態となり、さらに地価は下落していた。
(中略)
Aさんの話では、テナント収入が減ったため、長期借入金の返済期限の延長、いわゆるリスケ(リスケジュール)を銀行に申入れたところ、銀行から借入金の一括返済を迫られたケースがあるという。金利減免とか借入金の返済を止めるという話ではなく、毎月の返済額を少し減らしてくれと言っただけである。
ところが金融庁の指導は「リスケ対象企業は要注意先から要管理先になり、債権を不良債権に区分変えし貸倒引当金を大幅に積増しなさい」ということになっていた。銀行は貸倒引当金の積増しが難しいので、一括返済を求めてきたのである。

「国民運動を起こして下さい」
Aさん達は自民党や民主党の有力な政治家に窮状を訴えることにした。国会議員は快く会ってよく話を聞いてくれた。しかし政治家にいくら話をしても、一向に解決に繋がらないのである。ある政治家には三回も面談した。しかし不良債権処理の実態が理解できていないようで、最後には「でも不良債権の処理は進めないといけないからな~」という具合で、Aさん達はがっかりして帰ってくるしかなかった。
自民党の経済通と言われている国会議員にも相談した。この政治家は、政府・金融庁が不況で地価が底辺を這っている時に、不良債権の処理を急ぐことのばかばかしさを理解していた。しかし小泉・竹中ラインの独裁的な政権運営には口を挟めないようであった。現実の経済を解っているこの国会議員は、Aさん達に「我々のできる事は限られている。窮状を世間に分らせるよう国民運動を起こして下さい。」としか言えないのである。
(中略)
Aさん達はこれまでのように実情を説明した。すると亀井氏は即座に「それは金融庁の検査マニュアルとその運用が問題なのだ」と指摘した。亀井さんは完全に問題の核心を理解していたのである。Aさん達は半年の間、数多くの政治家に会ってきたが、初めて思いが通じたのである。
金融庁の検査マニュアルは、土地投機に走った、いわゆるバブル紳士の企業を念頭に作った。それを店鋪を自社ビルに立替えた個人営業企業にも適用しようとするから問題になったのである。全く返すあてもない不動産投機会社と、地道な商売をやっている人々への債権を同等に扱っていたのである。(以下略)

だそうです。
ま、私に言わせれば、ビルの賃料(地代)というのも、自ら労働しないで剰余価値から上前をハネるものでしかないのだが、ただビルオーナーというのはオフィス(商業)ビルという「使用価値」を実体として持っており、それを生産するため過去に資本を(借り入れて)投入したということが、たんに資本を貸し出した銀行(金融資本)と違うところである。
ビルのオーナーはともかく、世の中に必要な部品を小さな工場で作っている、あるいは地域で気軽に買い物ができる商店主などが資金繰りで困る、あるいは会社をたたんで労働者を解雇しなければならない・・・なんて状態を少しでも緩和しなければならないのだ。

下手な補助金政策より、ウンとましかも知れない。

追加・・・経済コラムマガジンの当該記事モラトリアムの話はこちら


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コメント

支配階級が、モラトリアムを言い出す状況で、プロレタリアが、イニシアチブを握った状況での二重権力状況でないのは、
(T^T)(/_;)(T_T)板戸一枚したは、地獄と云ったところでしょうか!?第三期論紛いで、
(>__<。)

投稿: | 2009年10月 3日 (土) 18時49分

経済コラムマガジン当該記事のリンクを、追加しました。

投稿: GO@あるみさん | 2009年10月 8日 (木) 21時48分

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