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左翼もびっくり!グアム移転って司令部だけじゃないんだ

 11月26日に伊波洋一・宜野湾市長は、衆議院第二議員会館で与党国会議員に対してこんなびっくらする内容の話をしたそうな。宜野湾市のHPから
「普天間基地のグァム移転の可能性について」_平成21年11月26日

平成21年11月26日、衆議院第二議員会館において、与党国会議員に対して宜野湾市長による下記の内容の説明を行いましたので、その内容を掲載します。 2009/11/26
「 普天間基地のグアム移転の可能性について」伊波洋一(宜野湾市長)
1.海兵隊のグアム移転が司令部中心というのは間違い。沖縄海兵隊の主要な部隊が一体的にグアムへ移転する。普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊も含まれる。
(中略)
● この「グアム統合軍事開発計画」について、宜野湾市としては普天間基地の海兵隊ヘリ部隊がグアムに移転する計画であるとしてきたが、前メア米国沖縄総領事は、紙切れにすぎないと言い、司令部機能だけがグアムに行くのだと主張した。しかし、この三年間この計画に沿ってすべてが進行しており、先週11月20日に、同計画に沿った「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」が公開された。ドラフトは、9巻からなり、約8100ページに及ぶが,概要版(Executive Summary)、及び第二巻「グアムへの海兵隊移転」と第三巻「テニアンへの海兵隊訓練移転」において、沖縄からの海兵隊移転の詳細が記述されている。海兵隊ヘリ部隊だけでなく、地上戦闘部隊や迫撃砲部隊、補給部隊までグアムに行くことになっている。

「米軍再編」による沖縄基地負担軽減のウソの中に、グアム移転はあくまでも司令部のみで、戦闘部隊は残る。そのための基地が、辺野古の新基地なんだと、み~んな「理解」していた。
これは基地建設に反対する「左翼」もそうで、例えば「前身」やら「コミューン(今は改め「国際労働運動」)なんかもそーゆーふーに書いてあった。

ところがところがところてん・・・「米軍様」は戦闘部隊も含め、ほぼ全面、グアムへの移転を考えていたのだと。
なんでか?

2.なぜ、司令部だけがグアムに行くとされてきたのか。
理由は、1996年のSACO合意だった海兵隊ヘリ部隊の辺野古移転のイメージを基にした国会審議での答弁や、米国政府関係者の意図的な「発言」だけが報道され、2006年5月の「再編実施のための日米ロードマップ」合意に基づいて太平洋米軍司令部が策定した「グアム統合軍事開発計画」と実行されている同計画に基づく環境影響評価などの「事実」は報道もされず、検証もされなかったことによる。
日本政府は、意図的に同計画について米国に照会することをせず、日米両政府は「グアム統合軍事開発計画」について「正式な決定ではない」として詳細は未定と押し通してきた。その結果、国会での答弁や日米政府関係者の発言は、「グアム統合軍事開発計画」について踏み込まず、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」の合意の時点に固定されたままになった。結果的に、「発言や答弁」の報道に終始するマスコミの報道も同様となり、現在進行している「事実」は、国会議員にも政府関係者にも、国民にも共有されていない。

党派の情報収集能力なんぞ、たかが知れているから、「報道」から分析をせざるを得ないところがあるのはやむをえないんだが・・・ともかく、右も左も真ん中もみ~んな「ダマされていた。」わけなんですな(^^;;;,
で、結論的に、こうなる・・・。

2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」では、第三機動展開部隊司令部だけがグアムに移り、残りの沖縄海兵隊部隊は海兵機動展開旅団(MEB)となる予定だったが、全体がグアムに移転するので旅団規模にはならずより小規模となる。2014年以降は、沖縄はグアムからの演習先として位置づけられるのではないか。
 (沖縄に残るとされる海兵隊員定数は、今のところ空(から)定数であり、実働部隊ではない)

よって

鳩山新政権は、辺野古代替施設建設が必要とされる前提が、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」のまま、住民地域の飛行を避けるためのV字型案の選択と沖合いへの50~100メートルの移動の議論に終始してきたことを見直し、2006年5月の「再編実施のための日米ロードマップ」合意を、沖縄の海兵隊がグアムへ移転する実像から検証して、普天間飛行場代替施設としての辺野古新基地建設を見直し、建設を中止すべきである。

よーするに、辺野古新基地はいらないし、普天間基地も撤去できるということだ。

これで鳩山政権が、辺野古基地建設を認めたりするならば、もう「国辱」もんですな
右翼の方々は、11月集会に出かけていって「チューゥ・カク・ハッ!チューゥ・カク・ハッ!」って、イチャモンつけているヒマがあったら・・・とっとと首相官邸かアメリカ大使館にでも、つっこみなさ~い

それはそれとして・・・橋下知事の、米軍基地を誘致してリニアの金をもらい、関空を救済しようとする案・・・も撃沈
ただ、橋下発言は沖縄でも報道され、話題になっている。
沖縄タイムスより
「県内ありき」に一石 橋下知事/住民 歓迎も心境複雑

米軍普天間飛行場移設に伴う訓練の一部受け入れについて、大阪府の橋下徹知事が「議論は拒否しない」と述べたことを受け、県内では波紋が広がっている。沖縄以外の場所への訓練移転について県外の首長が前向きな発言をするのは珍しく、「県内ありき」の議論に一石を投じるものとして歓迎する声がある一方、実現性や真意をめぐって首をひねる向きもある。
 ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は「県外の首長が受け入れに前向きな姿勢を示した意味は大きい。新政権は発言を重く受け止め、県外移設の可能性がないかどうか、もう一度仕切り直して検討すべきだ」と指摘し、“県内ありきのシナリオ”を強くけん制した。その上で、橋下知事には「関西や大阪の住民の意向もきちんと確認すべきだ」と注文を付けた。
 普天間爆音訴訟団の島田善次団長も「沖縄から普天間飛行場が出て行くのは大賛成」と評価しつつ、「米国はよしとしないだろう。普天間周辺住民と同じ苦しみを本土に移すのも心が痛い」と複雑な心境をのぞかせる。
 一方、辺野古区の有志らでつくる代替施設推進協議会の宮城安秀代表は「実現の可能性がどれだけあるのか分からない。米軍が認めるかどうかが問題だと思う」と言葉少な。宜野湾市の伊波洋一市長も秘書を通して「議論を見守りたい」と論評を避けた。
 「沖縄にとっては明るい兆しだが、現実的には多くの壁がある」と話すのは、航空評論家の青木謙知氏。「武器弾薬の保管庫や兵舎などの設備はもちろん、管理人員も必要になるだろう。自衛隊施設ならまだしも、民間空港に軍用機を受け入れるのは難しい。米国がすんなり了解するとも思えない」と課題を挙げた。
 仲井真弘多知事は同日、記者団に「そういう意識を持っている知事さんがおられ、それなりに関心を持っているんだなと思う」と歓迎の意向を示した。さらに、日米両政府が設置したワーキング・グループ(WG)を挙げ「(県内で)かなりの人が県外という強い盛り上がりを見せており、総理もご存じで理解している。それを踏まえてWGの結論が出る」と期待した。

続きはまた、今度・・・

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コメント

ありゃ?

私はパックインジャーナル(朝日ニュースター)を熱心に見ている関係か、田岡さんのお話から、

>(沖縄に残るとされる海兵隊員定数は、今のところ空(から)定数であり、実働部隊ではない)

が、極少数の緊急展開用部隊100~200人程度と付随する部隊と認識しておりましたが、最初の話では、全部グアムに引き揚げると言っていた気もします。そうしろ!

「米軍が日本を守ってくれている」というスリコミをしたい人,あるいは信じてしまっている人にとっては、米軍の陸戦部隊がいなくなるのは困るのでしょうけれども…。

投稿: なのなの勢力 | 2009年12月 3日 (木) 02時17分

なのなの勢力さん、情報ありがとうございます。
ま、米軍にとっては、日本自衛隊が米軍の支援をして世界のどこでも出かける体制が出来ていればよいのでしょうね。あと宜野湾市のHPにもありますように、
>米国は、「グアム統合軍事開発計画」の実施は、日本のための抑止力の強化に繋がることを力説している。
のだそうで…
沖縄に「米軍様」が居てもらわないと困る人たちは、ぜひ米大使館前で「出て行かないでくれ~」と泣き喚いて懇願して欲しいものです(^^)/

投稿: GO@あるみさん | 2009年12月 3日 (木) 22時00分

そのグアムなんですが、実は前々から不思議に思っていまして、移転先が海外ならそれでいいのか、グアム島の人はどう思っているのかってことなんです。その点についての情報がまるでないのが不思議だったんですが、やっと以下のエントリーを見つけました。
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/10/150-54fa.html

他の人にとっては常識?知らないは私だけだった?
グアムへは単なる移転というものではなく、米軍再編計画でグアムは太平洋の軍事的なハブとして位置づけられるのだとか。ここに沖縄からの移転組を中心に、171,000人の島民人口がいっきに20%も増加するような大規模な集中をおこない、島全体を巨大な軍事ハブにして、ここから沖縄や韓国にスポークをのばしていく。で、この大規模移転に対して先住民(チャモロ族)たちはいっさい意見を述べることができず、一片の通告があったのみ。

グアムはアメリカ領ではなく、あらゆる意味で完全な植民地であって何の自治権もない。先住民には選挙権すらないのですね。今まで核実験場にされたり一方的な仕打ちを受けてきた先住民は、今回の移転計画を聞いて、「せめて選挙権をよこしてから言え」という運動をしているとか。

普天間の住民を救うために辺野古住民を犠牲にすることはできませんが、沖縄を救うために、もっと無権利な状態におかれているグアム先住民を犠牲にしていいのか、国外移転ならそれでめでたしなのか、とても考えさせられます。

投稿: 草加耕助 | 2009年12月 4日 (金) 21時16分

>沖縄を救うために、もっと無権利な状態におかれているグアム先住民を犠牲にしていいのか
全くそのとおりで、「運動」の側から「米軍はグアムに全面移転せよ!」などとはとても要求することはできません。それが「基地はいらない、どこにも」というスローガンになるわけです。

投稿: GO@あるみさん | 2009年12月 4日 (金) 22時05分

基地労働者は、どうなるんだろうか?

投稿: 基地労働者は | 2009年12月 9日 (水) 09時27分

海兵隊のグアム移転計画ですが、司令部だけならともかく、
そもそも実動部隊までもがグアムに移転して海兵隊に何のメリットがあるのか。
受け持ち地域からは遠くなるし、グアム周辺には大きな演習場も無い。
グアム程度の小さな島で海兵隊が必要とするインフラを提供出来るのか。
それに日本の思いやり予算が無くなるから、基地の維持管理は全部米国持ちです。
グアム移転は共和党時代にラムズフェルド前国防長官の肝入りで決まった計画です。
必ずしも海兵隊の意向を汲んだものではありません。
政権も変わったことだし、今後何かと軌道修正があるのではないかと思います。

投稿: | 2010年1月17日 (日) 11時02分

どうもコメントありがとうございます。
グアムはやっぱり狭いので、広くて便利でカネも出してくれる沖縄に居続けるという「見直し」もアメリカの「軍部」は考えるでしょうね。その「見直し」も含め、基地を沖縄に作らせないためにどうするかということが、問われていると思います。

投稿: GO@あるみさん | 2010年1月17日 (日) 22時44分

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受信: 2009年12月 3日 (木) 06時31分

» 辺野古は普天間の代替ではなかった! [アフガン・イラク・北朝鮮と日本]
   この間ずっと、沖縄・普天間基地の辺野古「移設」問題が、マスコミを賑わしています。曰く「普天間基地の負担軽減策は、同じ沖縄県内の辺野古に移すしか方法がない」「その方向で既に日米間で合意しており、今更蒸し返す事は出来ない」「沖縄一地域の為に日米同盟が損なわれても良いのか!」とか。または、その裏返しとして「我々本土の人間も沖縄の苦労を共に分かち合おうじゃないか」(橋下徹)とか。「それなのに鳩山内閣は、基地問題を持ち出して米国を怒らせ、自分たちも右往左往してしまっている」とか。  実は、それら全て... [続きを読む]

受信: 2009年12月 9日 (水) 23時35分

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