小林一輔先生を勝手に追悼する
会社に行って、某工学協会(○○的労働者協会にあらず)誌を見て、驚いた。
10月にコンクリート工学の東京大学名誉教授・小林一輔先生が、ご逝去されたとのこと・・・
asahi.comより
東京大学名誉教授・コンクリート工学 小林一輔さん死去
小林 一輔さん(こばやし・かずすけ=東京大名誉教授・コンクリート工学)が7日、脳出血で死去、80歳。通夜は13日午後6時、葬儀は14日午前10時30分から東京都新宿区南元町19の千日谷会堂で。喪主は妻妙子さん。
橋やトンネルなどコンクリート構造物の劣化問題に警鐘を鳴らし続けた。99年に出版した「コンクリートが危ない」(岩波新書)で注目された。
「コンクリートが危ない」(岩波新書)(岩波新書)は本来は半永久的に持つハズのコンクリートが、材料や施行の不良・不具合などで(材料については、アルカリ骨材反応など分らないこともあったのだが…)、早期に劣化してゆく問題を分りやすく解説した良書である。…内容はまた、機会をみて紹介するね(^^)/…専門書では、この「コンクリートが危ない」の元の話である、コンクリート構造物の早期劣化と耐久性診断(森北出版㈱)から、お仕事上非常に学ぶものがあった。
施工の不良なんかは、末端の会社や作業員の「責任」とされることも多いが、発注者・監督者側の問題、公共工事のあり方の問題として批判しているし、アルカリ骨材反応については、基幹産業であるセメント資本の問題に切り込んでもいる。
2004年には岩波書店から出されたコンクリートの文明史もまた面白い
古代ローマのセメント・コンクリートから、近代のセメントへ・・・社会のインフラストラクチャー整備とコンクリートとのかかわり等、興味深い話が多い。
ここで、小林先生は「左翼」でした。
コンクリートの文明史の第一章「すべての道はローマより発す」の最初のp2~3において
ここで話は一気に、しかも現代の日本に飛ぶ。レーニンはその著書『帝国主義論』で、「資本主義は植民地及び海外諸国で、最も急速に成長している。これらの国々のなかから、新しい帝国主義強国(日本)があらわれている」と指摘した。日本は世界で六番目に産業革命というバスに間に合ったアジア唯一の国である。それは、明治政府が急速に近代化を進めるために、あらゆる分野で西欧文明を吸収することによって達成された。コンクリートによる社会基盤の整備も同様であった。
いきなり、レーニンからの引用です・・・すげぇ~
「文明史」には、ナチスドイツのアウトバーン建設や、近代日本建設業の暗部・・・監獄部屋についても触れられている。
亡くなられたのが、昨年の10月…なぜ気づかなかったか、間抜けである。
ご冥福を、お祈りします。
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