沖縄の基地は海兵隊基地であることを考える
このあいだの沖縄とグアムを並べてみた記事で引用した、沖縄県基地対策課のpdfの地図を改めて見ると、沖縄にある米軍基地のほとんどが海兵隊関連であることが分かる。実に沖縄の米軍基地面積の75%だ。
で、なぜ海兵隊の基地が沖縄に集まっているのかと言うと…ベトナム戦争が、あったから。
ベトナムでは解放戦線のゲリラ戦に対抗するため、米帝国主義は大規模に海兵隊を投入した。
当時の輸送・兵站を考えて、ベトナムに近く、米軍が自由に使える沖縄に集約したのだ。実際、普天間基地の海兵隊は山梨から1960年代にやってきた。ベトナム・ダナンへの海兵隊上陸は1965年。
ベトナム戦争終結後も、そのままで、かつそこに日帝の「思いやり予算」が加わるものだから、居心地が良い。基地内の保養所・娯楽施設やそこの従業員の給料まで、日帝の懐から出る…こりゃ、居座りますな。
しかし、米帝は、湾岸戦争やアフガン・イラクでの戦争以降、戦争のやり方を変えた…もう自国の兵士を大量投入してドンパチやることを、戦争の初期にやることはない。み~んな最初は「空爆」だ。
また対ゲリラ戦においても、ベトナムで負けた時、思いっきり犠牲者が出たこともあって、自ら犠牲になるのはイヤだから(ため)、ハイテクを使った精密誘導弾等でピンポイント爆撃等を行い、現地や同盟国の兵力も利用して制圧行為を行う。占領し、統治を行うのに必要なのは、陸軍である。
海兵隊を戦争に使わないことはない…それどころか、2003年にイラクでファルージャの虐殺を行ったのは沖縄の海兵隊である…が、戦争というのは、事前に十分準備をして行う。海兵隊の即応という機能は、実はあんまり必要ではない。その証拠に、今海兵隊が出撃するときは、わざわざ佐世保から沖縄に輸送船を持ってきて乗船し、出て行くのだそうな。
だからこそ集約したい…兵員輸送能力も向上した…それが米軍再編であり、海兵隊のグアム移転である。
中国スターリン主義も完全に体制として完全に資本主義化し、台湾侵攻・有事も無くなった。軍事力の押さえとしては、海兵隊のような遊撃軍ではなく、陸海空3軍+ミサイルの、ガチ対決となる。そういう意味では米軍(プラス同盟軍としての自衛隊)がまだまだ圧倒的に能力が高い。自衛隊の対潜哨戒機は、中国軍の潜水艦情報をキャッチし、米軍に送っている。中国海軍が空母建造を計画しているとのことだが、艦載機を発着させるという技術は難しいし、ましてや空母を作ってもそれを運用する術で米軍に追いつくのは時間もかかる…デカイ船を作ればいいというものではない(「戦艦大和」化する可能性あり^^)米軍が対中国で必要な沖縄の基地は、空軍の嘉手納基地と、那覇の軍港施設ぐらいだろう。
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