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金をかせいだヤツから収奪して世の中を動かす話

橋がぶっこわれるお話関連
橋を例にとって挙げたが、世の中にはそれらが無くなること社会が維持できない、人らしく生きていくために必要なのだけれど、余分にはいらない社会資本と呼ばれるものが多くある。発展した社会ではその絶対量は増大し、それらを維持するためには多くの資源や労働が投入されなければならない。
ところが資本主義社会においては、資源や労働を投入するためには、資本が必要となる。ところが資本は剰余価値を生み出さないところには投入されない…なぜなら資本は剰余価値を求めて、運動するものであるから…かくして、社会資本を維持するために「税金」が必要になる。
なにも社会資本のようなハードだけの問題ではない。「少子・高齢化」が問題となってから、ずいぶん年月が経っている。直接生産に係わらない高齢者や障がい者の福祉、介護、保育、あるいは子どもたちのための初等・中等教育等の分野に資源と労働を投入することが必要なのだが、これらの分野は、人らしく生きていくために必要かつ、余分なモノは存在していない…今、徹底的に不足しているからこそ、人々は子どもを産まず(産めず)、老後や介護にお金がかかるから貯蓄に走る(とはいえ、貯蓄できるだけの賃金ももらえない労働者も多数いるのだが)わけだ。
 保育という分野で考えてみると、「少子化対策」として、あるいは今急がないといけない待機児童の解消のためには、大量に保育所を作り、保育士を雇わなければならない…保育士の数が不足しているなら、給料をう~んと保障する。介護であれば、介護施設や介護士に関して同様のことが必要だ。これを政府・行政がお金を確保してやればいいだけである。
 ところが現代資本主義世界の本流「新自由主義」の発想では、政府がお金を確保して、つまり税金でやるというのではなく、「規制緩和」をすれば、需要があるところには資本が勝手にお金を出して、やってくれるだろうと期待する。とはいえ資本は正直だ。剰余価値を生まないところには投下されない。また資本が行う場合は「利用料」という形で運営して、「利潤」を上げないといけないので、施設で働く労働者の賃金は安く、利用料は高く設定される。(最も、資本が利潤を上げる「正規」の利用料を払える者はいないので、ある程度政府・行政による助成が行われ「利用料」を安く設定したり、利用料を負担する者に補助金がついたりする仕組みはあるが)かくして人々は子どもを産まず(産めず)、老後や介護にお金がかかるから貯蓄に走る… 
ところで、資本が剰余価値を生んで貨幣形態で資本として還流してきた時、また剰余価値が得るために再び投下される…資本はドンドン増殖するのだが、剰余価値を生む部門に限りがあったとしても、剰余価値を生むであろうと「思われる」ところに、増えた分も必ず投資される。剰余価値の具体的な還流は、金融という形で投資されれば利子という形を、株式という形であれば配当という形をとるのだが、投資された部門から剰余価値が得られない、もしくは貨幣形態で還流しなかった場合に破綻する。これが恐慌だ
 では、どうしたら恐慌を防げるか?資本に貨幣形態で還流してきたものを取り上げて、資本として投下されなければよいわけだ。こう考えれば、利潤の上がったところから税金を取るのは、誠に理にかなったことなのである。

 政府・行政がお金をだしてドンドンやる…こうした発想は、「事業仕分け」に見られるように、民主党政権を動かしている主流部分にはないし、それを「打倒」したい自民党にも、もちろんない(だから「小沢問題」で民主党支持が減っても、自民党支持につながらない)これが新自由主義にどっぷりつかった発想しかできないブルジョワ政治・政権の限界である。
財源をどうするか?そんなモン、企業増税に決まってるでしょ金をかせいだヤツから収奪して、世の中を動かそうとおおいに打ち出そう。

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コメント

同感でございます。私は、GOさんのようにうまく書けませんが。

一時期はやった「独立採算」の無制限な適用などというのは、

> ところが現代資本主義世界の本流「新自由主義」の発想では、政府がお金を確保して、つまり税金でやるというのではなく、「規制緩和」をすれば、需要があるところには資本が勝手にお金を出して、やってくれるだろうと期待する。とはいえ資本は正直だ。

というのの正直な展開過程と言うか、社会的洗脳過程と言うか、悲惨なものでした。

儲かるんなら、一般の医療法人がやってくれるんだよ。誰もやってくれない(儲からない)から公立病院なんだ。

赤字線を必死に保持しているバス会社にとって、ある意味、特権的に与えられていた観光バス,ドル箱路線の運営という貴重な権益(その権益を赤字線を必死に保持することにより、多くの人が認めるだろう)を「規制緩和」しちゃって、奪っちゃったのはヤツらだよね。おいしいとこだけ、運転して、金を儲けるってのは、仁義というか、公共性に欠けますよ。まったく。(今日の私は亀井静香風です)

投稿: なのなの勢力 | 2010年3月 2日 (火) 01時45分

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