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「在特会」の跳梁跋扈を許さない上で考えること

私がネット環境につなげない僅かの間に、関西で「在特会」がトンでもないことを繰り返していた。4月7日水曜日、門真の元市会議員で連帯労組近畿地方本部の戸田ひさよしさんが、従軍慰安婦問題の解決を訴えて毎月大阪駅前の歩道橋上で行われていた「水曜デモ」防衛のために出かけ、帰ろうとしたところ「在特会」が集団で暴言を浴びせた。取り締まったり阻止したりするのに十分な警察官が大勢居るにもかかわらず、集団で暴行を加えようとしたのだ。戸田さんは眼鏡を落とされたにもかかわらず、警察は「早く帰って下さい」と排除するばかりで眼鏡を探すこともままならず、曽根崎諸に被害届を出した。
 参考「旗旗」より投稿】4/7夜、在特会ら30名が警官目前で戸田を執拗に襲撃!ケガはないがメガネ失う被害に!
 戸田さんとこの動画4・7在特会が戸田を襲撃 
 また、昨日11日には、戸田さんの事務所に街宣右翼の抗議行動(という名の超迷惑行為!)があった。7日の騒動の際に「在特会」側が街宣かけたるぞというようなことを言っていたそうなので、これと連動した行為なのだろう。
 戸田さんとこの動画4・11戸田事務所帰宅襲撃:補足解説
 このような右翼「在特会」の跳梁跋扈を許さないが、同時に彼等のこのような行動について、とりとめもない話ではあるがあれこれ考えてみた。

 まず今回のように「警察が絶対手をださない」という前提の下で、やりたい放題のことをやっている「在特会」の弱さについて…というより、弱い個人でも、集団で安全なところに居ると、暴走し、酷いことをしてしまうことの危うさである。右翼・「在特会」批判のエントリーであるが、左翼や普通の人の集団でも同じようなことは起こる。左翼…特に新左翼では…権力の介入を防ぐこともあって、揉め事その他を警察に頼らず「解決」することになっているのだが、それがいわゆる「内ゲバ」というものに発展すると、非常に陰湿で悲惨なものになってしまう。7~80年代の学生戦線ではよくある話で、今日的にも解決された問題ではない。
 普通の人が、酷いことをしてしまうこと、ナチスドイツによるユダヤ人への迫害や、中国における日本軍による残虐行為、さらには中国における文化大革命や現在も続くチベット、ウイグル族をはじめとする少数民族への抑圧行為等、特に差別・抑圧を国家権力が認めて行う時にその恐ろしさを発揮していることが、歴史をちょっと紐解けば分かる。

 二つ目、人をなんかで区別して見下し、差別するというのはラクだということ…国籍・民族・性別・身分・学歴…等々、人を区別する、カテゴライズするための題材はいっぱいある。人間は一人ひとり違って当然なんだが「日本人」じゃ~「韓国人」じゃ~というところで「思考停止」をして、競争し、どっちが優秀かどうかあることないこと引っ張り出して、比べるだけ…そもそもその違いの原因や意味って、何なの?と一歩でも二歩でも進んでラジカルに考えることは、なかなか難しい。

 三つ目、いわゆる従軍慰安婦問題も含めた戦後補償・植民地支配についての認識や反省が、まだまだ弱い、社会で支配的な言論になっていないということだ。最近の「在特会」騒ぎと平行する形で、高校無償化から、朝鮮学校を外すことを許さないたたかいが取り組まれていたのだが、これに十分取り組んでこなかったという自らの反省も含め、そう考える。「在日」とは何か、なんで「朝鮮学校」が日本にあるのか?きちんと考えてきていない。そういった中で「在特会」と左翼がぶつかりあっても普通の人は「どっちもどっち」と考え、やがて声のデカイ方に、逆らっても恐くない、無難な道を選ぶだろう。

 「『在特会』は弱いものいじめをする、卑劣な連中」と批判することはたやすいが、自分だって小中学生の時には、クラスで「いじめ」を見て見ぬふりしたり、「いじめ」に加担していたとしてもしょうがないことをしていたこともある。誰でも「在特会」に生り得ると思う…ゆえに、彼等を例外的な存在として軽く見ることは非常に危ういと考える。

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かくめいのための理論」カテゴリの記事

コメント

>いわゆる従軍慰安婦問題も含めた戦後補償・植民地支配についての認識や反省が、まだまだ弱い、

これは違う。全て解決済み。

まぁ、右も左も過激な奴はキチガイ。どんな主義主張にしろ暴力使った時点で説得力ゼロ。

投稿: 核武装論者 | 2010年4月13日 (火) 17時02分

在特会は我々の世代の全学連や全共闘であり、あたたかく見守る。

投稿: ヤンウインリー | 2010年4月17日 (土) 05時03分

>これは違う。全て解決済み。
「国の水俣病の認定基準」で救済されない患者に関する問題でも見られるよう、行政が一旦決めたことでも理不尽なことを変えることはできるのですよ。頭を冷やして(最近、寒いからできるね)よく考えなさい。
>在特会は我々の世代の全学連や全共闘であり、あたたかく見守る。
全学連や全共闘は、国境や民族を越える質・内容を持っているのですが、「在特会」では日本の「一部」の「恥ずかしい人」の頭しかとらえることはできませぬ。「あたたかく見まもって」勝手に大恥をかいてくだされ

投稿: GO@あるみさん | 2010年4月17日 (土) 21時16分

引越し闘争、無事に勝利されたようで、まずはおめでとうございます。

>誰でも「在特会」に生り得ると思う…ゆえに、彼等を例外的な存在として軽く見ることは非常に危ういと考える。

この言葉、重く心に受け止めたいと思います。

「ウヨク差別」をしてもいいものかどうか、ちょいとばかり悩んでいる今日この頃です。。。


投稿: | 2010年4月18日 (日) 19時02分

風さんようこそ。引越し闘争は気の付いたいらんものを捨てるのを少~しずつやっていきます(いつまでかかるんだ
誰でも「在特会」になり得る論は、もう少し詰めて論じていきたいと思います。

投稿: GO@あるみさん | 2010年4月18日 (日) 22時13分

在特会はアルカイダ団体ですね

・朝鮮学校襲撃事件=9.11同時多発テロ
・桜井誠=ビンラディン
って思考しても良いくらいです

つまり
桜井誠代表がやってる抗議がアルカイダのビンラディンの犯行と全く同じっていう事です

投稿: つ | 2010年7月13日 (火) 11時59分

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» 「在特会」についての当面のまとめ [ブログ「旗旗」]
まず、思想云々ではなくて、それ以前にやっている「行為」が許せないと考えています。たとえ私が極右であって、「在特会」の主張を理解できたと仮定しても、本人ではなくその家族や子供を標的にするような行為は絶対に容認できないと思います。 ... [続きを読む]

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