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海保は既にすごい実力を持っている

 海上保安庁から釣魚台(尖閣諸島)沖での中国漁船衝突事件…その状況を撮影したビデオが外部に流出して問題になっとるワケだが、「組織内のイントラネットでしか見られないモノを外部に流出させるのって、社会人としてどうよ?」という程度の落としどころになるんやろうなぁ~。
 流出ビデオをざ~ぁっと見る限りにおいて、中国漁船が舵をきって海保の巡視船に当たってきた、しかしその前に巡視船は漁船を逃がそうとしないで、回り込んだ撮影を続けていた、その程度のこと。中国側への「外交カード」になるかどうかも分らんこんな映像を「秘密」扱いして出さなかったのは、菅政権がAFOな証拠である。(もしや田母神みたいな連中が吹き上がってくるのを恐れたか映像を冷静に見れば、ぶつかった船が中国の「工作船」でもなんでもないことや、ましてネットで飛び交う「海上保安庁の職員が殺された」などというデマがふっとぶんだから)

 今回の事件をきっかけに(まぁ会社休みで時間もあることなので)ネットでいろいろ見ていたら、蒼き清浄なる海のためにという、保守系のブログに行き当った。海上保安庁その他についてえらい詳しい人が管理されているようだ。保守系なので「尖閣諸島は日本領」という大前提のもとに書かれているわけだが、勉強にはなる。
 で、その中にデマに乗せられた佐々氏は、貧弱なのは武器ではないとまだ分からぬのか
というエントリーがある。
佐々淳行 …「危機管理」とやらを体制側からアジるこの有名な人…の「妄言」を批判して、次のように主張している。

むしろ海保の武装は、一般的な沿岸警備隊の中でも充実している。(中略)世界中の軍隊で使われる12.7mm機銃が貧弱とは驚きだ。警察の装備としては重武装であり、沿岸警備隊としては常識的だ。そして12.7mmを主兵装とした海保巡視船艇はそう多くない。国境警備に当たるPC型巡視艇、及び旧式で更新が近いPM型巡視船「びほろ」型5隻である。
その上、最新の改「はやぐも」型巡視艇では特殊作戦用に開発されたGAU-19を安定化自動化して装備している。
巡視船の場合、大半が20mm機関砲及びそれより大口径(30、35、40mm)の機関砲だ。もしそれらが貧弱だとすると世界中の対空砲は貧弱だということになるだろう。
特に「はてるま」型の30mm機関砲はアメリカ海軍のサン・アントニオ級揚陸艦と海兵隊の水陸両用装甲車EFVに採用されているMk44ブッシュマスターⅡを国産の無人砲塔に搭載したものだ。Mk44(Mk46)は高速攻撃艇対策としてLCSフリーダムにも搭載されたことがある。
むしろ、沿岸警備隊の装備としては強力かつ高性能だ。

ミリオタではないので、武装の凄さについては良く分らないが、海保はかつて2001年、北朝鮮の「工作船」と交戦し、相手を自沈させるなど、様々な「武力行使」の実績がある。

とすると…保守(および左の一部)が称える「尖閣の防衛」なんかは、海上保安庁の強化で十分ではないか。「島嶼防衛」を口実とした、自衛隊の先島派兵なんて、ナンセンスだ

目取真俊氏のブログ海鳴りの島からに、沖縄県知事選挙―自衛隊の先島配備に反対を!から引用すると。

それは与那国島だけにとどまらない。与那国島で先鞭をつけた政府・防衛省は、石垣島、宮古島へと自衛隊の配備、増強を進めていくはずだ。島嶼地域への兵力の小規模分散配置が危険であることは、太平洋戦争の歴史が教えている。制海権、制空権を失って兵站を確保できなくなれば、武器や食料は途絶え、増援や撤退もできなくなり、孤立化した部隊は全滅の危機にさらされる。このような太平洋戦争の教訓は、自衛隊の島嶼配備に反対する理由にもなるが、政府・防衛省はそれを逆手にとって利用するだろう。
 与那国島にだけ部隊を置くと孤立化し、危険である。だから石垣島にも支援する部隊が必要だ、という理屈で石垣島への自衛隊配備が進められていく。さらに、尖閣諸島防衛を理由に海上自衛隊や航空自衛隊が民間の港湾や空港を利用し、下地島空港の自衛隊基地化、宮古島への陸自配備などが次々と進められていくのは目に見えている。
 そして、石垣島や宮古島でも与那国島と同じことが起こる。有権者の10%程度を自衛隊の組織票が占めることができれば、各種選挙をはじめ政治・経済・教育・地域行事など島のあらゆる面で自衛隊が大きな影響力を行使することができる。それが先島地域にとどまらず、沖縄全体に波及していくことは言うまでもない。

とある。「領土問題」や「中国の脅威」を口実とした、沖縄のさらなる軍事植民地化を許してはならない。

その他に沖縄の海保・11管は、辺野古の海上阻止行動が激しさを増す中、いかに「弾圧」をするか策動してきた部署でもある。彼らが「武装集団」であることを忘れてはならない。

最後に映像のリンク…揺れる船上でAKB48を歌って躍れる海保
海保、恐るべき鍛錬と実力…

追記…四トロ二次会で発見
中国大使館が海保の捜索救助に謝意
あの動画を延々と繰り返して見た方々の中には、<中国と戦う海保>というイメージが頭にこびりついている方もおられるかと思いますが、こんなニュースもあります。八重山毎日新聞のサイトから引用させてもらいます。
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11月13日 中国大使館が海保の捜索救助に謝意 パナマ貨物船遭難事故
きょうも捜索続行
 9日に西表島南方の沖合で中国人25人が乗るパナマ船籍貨物船が沈没したと思われる事故で、12日午後2時30分現在も日本、台湾側が捜索を続けているが、新たな手がかりは発見されていない。捜索は、13日も引き続き実施される。
 前日の11日には、5人を救助し、2人の死亡を確認。残りの3人は容体が悪化し、県立八重山病院と石垣島徳洲会病院で治療を続けている。
 同保安本部によると、石垣島へ搬送された3人のうち、2人は普通に話ができる状態まで回復し、命に別条はないとみられている。1人は、かろうじて氏名を言えるが、会話はまともにできない状態だという。
 また、中国大使館から海上保安庁あてに、捜索活動に対する謝辞が伝えられた。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/17159/

国境の海は、助け合いの海、友好の海にもなるんだ!
ブログによると、イハ洋一さんは、18日には石垣島の予定だそうです。

引用終わり


 

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コメント

確かに海保貧弱論は右翼の意図的なデマに感じます(まあ、私も右翼ですが…)。今回衝突された巡視船よなくにも「はてるま型」で、もし本気を出して撃とうものなら、漁船なんて木端微塵です。逆に言えば、相手は「どうせ撃ってこない」とタカをくくっているんでしょうね。やっぱり大事なのは政治力でしょう。

投稿: ガガーリン | 2010年11月18日 (木) 13時22分

ガガーリンさん、コメントありがとうございます。ユーチューブをサーフィンしてますと、右の方がまとめられた海保の実績の映像がありまして、もう機銃撃ちまくりでした。
その映像がどこにあるか分からなくなったのでリンクを貼っていませんが、探してみてはいかがでしょうか。

投稿: あるみさん | 2010年11月18日 (木) 20時28分

たぶん、似たようなものを見たことあります。
結局、一番の問題は自衛隊や警察と違い政治家、国民が海保について知らないことなんではなかろうか。

投稿: ガガーリン | 2010年11月19日 (金) 01時16分

と言うかさ、政治家、国民は海保のことも知らないけど、漁民の事だってよく知らないんではないか。
 海上保安庁の職員は約1万2千人だそうだが、日本の漁民は何人くらいいるか? ちなみに、日本の農業就業人口は国勢調査によると約300万人。その国勢調査の調査員は70万人。特養老人ホームの在宅待機者20万人。氷室京介の全国ツアーの動員20万人。「全国都市緑化」ならフェアの来場者数20万人。
 そして、日本の海面漁業の就業者数はたった約20万人しかいない。

で、今朝の新聞によると、魚釣島=尖閣諸島の周辺で石垣島の漁師が漁をしない主な理由は、「中国船が恐いから」ではなく、「あんな遠くまで行くと燃料代がかさみ、一方で魚の値段が安くて割に合わないから」らしい。石垣島の漁師さんが「『みんな行ったこともないくせに、テレビであんなこと言ってからよ』。遠く離れた本土で沸騰する議論にあきれた。」とある。(11.21朝日)
 さらに、八重山の漁師は「TPPで安い海産物が入ってきたら、島の漁業はつぶれる。島が沈む」と心配いている。八重山諸島は、中国語のパンフレット作ったり、台湾の松山空港から新石垣空港への直行便を就航させようと働きかけたり、中国や台湾からの観光客誘致に懸命だ。中国船とドンパチやってられる状況じゃないのだ。

 「沖縄の苦しみを本土の人たちは知っているのか!」と叱られているわけだけど、それ以上に、海で働く人のことや、沖縄本島からも遠い八重山のことを、俺も含めて日本国民はろくに知らない。現場を知らないのにナショナリズムで吹き上がって騒いでるのって、虚しくないのか。

投稿: かめさん | 2010年11月21日 (日) 13時27分

かめさんコメントありがとうございます。また四トロ二次会での書き込みを勝手に転載させていただきました。すみません。
まさに、そこに暮らす民衆が出てこない「領土問題」なぞ、粉砕の対象なんですね。
http://tatakauarumi.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-f211.html

投稿: あるみさん | 2010年11月21日 (日) 20時58分

海保がうんたらかんたら呑気な事を言っている間に北が南に砲撃で…。まあ、中共のちょっとした差しがねによる、金3代目世襲お祝儀砲撃でしょうが、つまり、こちらに戦意がなくてもブン殴って来る何考えてんのかわからん奴はいるわけで、ここで、またアホなR4が自衛官の高くもない給与を削って自衛力を落とそうってんだから、民は安心して眠れませんわな。
サヨク政権ってそういうことだわ。民が主ではなく、民の主の党。偉いのは、お大切は主様。

投稿: | 2010年11月24日 (水) 11時07分

尖閣諸島はどうでも良い。問題は、憲法9条を廃止にするかどうかだ。自衛隊を軍隊にする。この大きな流れが国内で出来ようとしている。

戦後65年、そろそろこれもアリかなと思うようになってきた。

中共は第3次世界大戦を引き起こすだろう。あれだけの国だ、戦争の歴史に国名を刻まないはずは無い。その時に自国を防衛するための手足を縛ることには反対だ。また、この時には中共に付かない方が懸命だと思うのだが。

投稿: 中共軍は戦争を好む | 2011年6月 5日 (日) 14時12分

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