なぜ太陽光発電はアカンか?
私は「反原発」であるが、ではその代替エネルギーとして、自然エネルギーの利用という話は、全くしておりません。(多分)
太陽光や風のエネルギーの「総量」は厖大かもしれないが、薄く広がった、いわば「エントロピーの高い」状態にある。これを簡単な方法でエネルギーを石炭や石油のような「工業社会的な利用」を前提としたエネルギーにするためには、別途厖大なエネルギーを必要とする。
要するに、太陽光や風力で「電力」を得ようとしても、そのために投入するエネルギーが大きくなるので「何をやっているか分らない」状況になるのだ。これは決して「コスト」だけの問題では無い。もっともこれは原発とて同じで、ウラン燃料の採掘、精錬、濃縮…から高濃度から低濃度(それでも人体に非常に有害)な放射性廃棄物の管理のために投入するエネルギーが大きすぎて「何をやっているのか分らない」状態であることは、常に指摘されてきた。
こーゆー事例がある。四国ネタだ
70~80年代にサンシャイン計画というのがあって、そのうち太陽熱発電…鏡で太陽光を集め、その熱で発電しようとするもの…の試験を、香川県仁尾町(現三豊市)でやったのだが…
出力が計画値を大幅に下回ったため、結局廃棄された
のである。なぜか…
鏡にホコリが積もって、集光効率が悪くなったから…車を持っている人(特に青空駐車している人)は分ると思うが、屋外においている車は、スグ埃をかぶって汚くなる。雨が降ったら降ったで、汚れる…かくして車好きな方は、お休みの天気のいい日に、頑張って洗車するわけだ。
仁尾町のプラントで結局、多額の金をかけて「屋外においた鏡にホコリが積もる ⇒よって太陽熱発電はダメ」という、あったりまえのことを証明したのだった…が
地球温暖化の原因は二酸化炭素ということがまことしとやかに通用する世の中で、原子力発電とともに脚光をあびているのが、太陽光発電だ…でも、仁尾町の経験は、どう生かされているのだろう
今は「光触媒」といって、酸化チタンを原料にした、雨が当たると汚れがとれるようなものが「開発」されているのだが、耐久性的にどうなんだろう。
たとえば砂漠地帯に太陽光発電パネルを並べ、そこから送電…あるいは水素エネルギーを取り出して供給するというアイデアがあるのだが、砂漠って、砂あらしとか、来るやん誰がどうやって、太陽電池パネルの砂塵を落とすのか ぞーきんがけするにも、砂漠には水が無いぞ、水が
(中国のゴビ砂漠でそいうう構想があるらしい、「人海戦術」とやらで落とすのか)
孫正義氏が、東日本ソーラーベルト構想とやらをブチ上げたようだが…止めときなはれ…としか、言いようが無い(孫氏が「原発推進」から明確に「原発反対」に転じたことは大いに評価するものではあるが)
そーいえば…すでに太陽光発電を導入しちゃったご家庭では、太陽電池パネルの「お掃除」は、「お父さん」の仕事なのかなぁ~…「サザエさん」でマスオさんが太陽光発電パネルを掃除するネタが披露されるのも近い
もひとつ、おまけ…被災地においても、ぶっこわれた太陽光発電パネルが地上に落ちたりしているのだが、太陽光があたっていると「発電」してしまうので、むやみに触ると感電の危険があるらしい…被災地の皆様、ボランティアで出かけている皆様、くれぐれも気をつけるよう。
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コメント
現在主流のシリコン系の太陽光のエネルギーペイ期間は2年で、石そのものは100年持ちます。すなわち、製造に要するエネルギーの50倍の電気エネルギーを算出します。
太陽光の製造エネルギーはドンドン下がっていますし、安くて効率のよいことが見込まれる増感色素型の開発--寿命が第一の、現在のところ低い効率が第二の--も進んでいます。
ちなみに、小生は原料となるシリコンの製造プロセス開発に携わっていました。
投稿: TAMO2 | 2011年4月26日 (火) 19時51分
あと。太陽光パネルを使っている人のお話を聞いたことがありますが、日本の屋根は傾斜しているので、鳥のフン以外は余り問題にならないそうです。
投稿: TAMO2 | 2011年4月26日 (火) 19時58分
TAMO2投手どの、コメントありがとうございます。まぁ、その辺の技術にとりあえず「期待」しておきましょう。鳥のフン以外は、結構大丈夫なのですね。そうすると磯野家ではマスオさんが「鳥のフン」掃除の係りですな。
それにしても…シリコン(ケイ素)って、地球上ではすごくありふれた元素(セメントの主成分でもある)ですが、なぜ精製するのにコストがかかるのでしょうか?よく分りません。
投稿: あるみさん | 2011年4月26日 (火) 21時48分
シリコン精製にコストがかかるのは、要求される純度が高いことと、精製するためには今の方法では一旦融解させなければいけないけど、非常に高温でないと融解しないからです。生成方法として一般的で有名なのは「チョクラルスキー法」というものがありますが、この方法では1500℃近くまで温度を上げる必要があります。
投稿: TAMO2 | 2011年4月27日 (水) 07時30分