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安全で「健康に良い」のだったら、おまえらが住め!

福島の原発事故いらい、私は改めて「核と人類は共存できない」という事実を再認識し、反原発・脱原発の決意を新たにした。この中には「放射線による被曝の健康への閾値はない」という科学的根拠も含まれる。
しかし、現在の放射線量とか、放射性物質の量の問題にはほとんど触れていない。ある意味「バラ撒かれたものは、今時どう心配しても、仕方が無い(スリーマイル・チェルノブイリ後に原発を止めることのできなかった我々の「原罪」であるとも思っている。しかし私の考え方を、全ての人々に押し付けることはできない。逃げたい人は、逃げればいい、放射性物質の影響よりも、自分の街・コミュニティー・生業(それにしても、農作物も出荷できない、手塩をかけて世話していた牛も見殺しにしなければならないといったつらさは、想像を絶するものがある)が大切と思えば、それもいい。

しかし、世の中の「放射線医学系」の方々は、「低線量の被爆は、健康に問題が無い」だとか、「人間の細胞には、アトポーシスといって、不良な細胞が『自殺』する機能がある。低線量被爆はそのような『免疫』を活性化させるので、むしろ健康に良い」とのたまう人たちが居る。なるほど、そういう主張をする人たちもそれなりにチェルノブイリ事故などのデータを持っていて、そうゆう「結論」を引出している。曰く「ガンとかの発生率は少ない、むしろ『放射線』の影響による無知のゆえ、ストレスがたまり(チェルノブイリ等では、「不安によるウオッカの飲みすぎ」のせいともされている)、また検診がきめ細かくなったために、発症率が高くなっている。」などと説く。

また、1950~60年代には、核大国による核実験が度々行われ、日本にも多くの放射性物質が降り注いだ…でも日本はその影響をうけていないではないか」と主張する者もいる。また、がんなどの体に悪い影響を与える因子は現代社会では多くあるので、それに「影響の小さい」放射線・放射性物質がちょこっとくわわるだけやん、大丈夫!という主張をする人も居る。

後者については、「誰がどんな疫学調査をしたんや」というツッコミはすぐに入れられる。日本の死因の1位は「がん」ということであるが、それが過去の核実験(さらにはチェルノブイリ等から流されてきた放射性物質)がどこまで「がん」の増加に影響しているかなんて、だれも調査したことはない。まして、放射線の影響は、がんだけdなく糖尿病などの他の病気への因子にもなるといわれているし、「原発(原爆)ぶらぶら病」という、放射線を浴びた人が、長い間健康的に問題がなくても、体がだるい、仕事をする気力がわかない・・・健康診断しても特に異常はない・・・と言う症状で苦しむ人たちがいると聞く。そいゆう人も「うつ病」とか「自律神経失調症」(このへんの病気は、、愚弟的に数値とかで異変がないから、周囲からの理解が得られない場合、本人がかなり苦しむことになる)とか診断されてそのままになっているかも知れない。
また、「がん」についても、その誘発因子をできるだけ取り除こうと、様々な努力が成されている…喫煙を止めよう、ピロリ菌を駆除しよう、子宮頸がんを誘発するウイルスに対するワクチンを接種しましょう…とか、このような努力は今のところ「自己責任」ではあるが、そういった中で、誰にも差別なく降り注ぐ「放射性物質ダダ漏れ」なんてのは犯罪行為である。
前者については、統計の取り方に問題があるとか、内部被爆(測定をするのが非常に難しい)とか、いろいろ反論されているが、原子力」・放射線の利用を押し進める立場のICRP(国際放射線防護委員会)はこのような立場に親和的である。しかしこの「科学論争」には決着はついておらず「、とりあえずリスク管理としては「低線量被爆も有害」という考え方でやるのが正当だ。

ところで私は今年初め「悪の組織を作ろう」という宣言をした…ここで一つ私の「悪のたくらみ」を聞いて欲しい。
要するに
「低線量被爆が健康に害がない、あるいは健康に良い」という連中…学者も含め、それを根拠に脱原発政策を推し進めようとしている、経団連や経済評論家…それらに悪乗りして宣伝する文化人や、「避難」しようとする、あるいは「避難」したほうが良いと主張する人たちを、上から目線で非難する文化人、ブロガーなんかが、現地に住んで「放射線安全実験村」でも作って住めばよい。そして健康への影響を自ら体を張って確認するのだ。

もちろん、ゲットーみたいに完全に閉じ込められる必要はない。旅行したりする自由もある。普通の生活が保証される賃金も得られる。健康診断も受けられる…至れり尽くせりじゃなイカ

19世紀後半、細菌学が発展し、様々な病原菌が発見されてきた。しかしこの時代にコッホがコレラ菌を発見したとき、「そんなものはコレラの原因ではない」と反発した、ペッテンコーヘルという学者が居た。彼は伝染病(感染症)の原因は不良な環境からでる瘴気(ミアスマ)であると考えており、生活環境の改善、下水道の整備に尽力したらしい。
ペッテンコーヘルは、コッホの発見した菌を弟子二人と自らで飲むことにより、コッホの発見を体を張って否定しようとした。(幸いにもペッテンさんは胃酸が強かったのか、コレラにはならなかったが、弟子の2人は発病し、一人は死んでしまった)…おお、自ら信ずるものに賭けるこの態度、AFOな政治家や「共産主義者」にも見習わせたもんだぜ
後日譚としてペッテンコーヘルは、自ら設計・計画した下水道システムの不備でコレラが流行した時、責任を感じて自殺したという(切腹はなにも日本だけの伝統ではないのだよ)

制服向上委員会の歌う「安全だったらあなたが住んでよ」というテーゼは正しい。

革共同再建協の「未来」第85号に掲載された「被ばく地・フクシマで出会った人びと」という記事の中、相馬市の避難所での50代女性のことばを紹介する。
原発から20キロで線引いて、家から追い出して・・・ここでの生活は「はい、朝めし。はい、昼めし。はい、晩めし」まるで家畜だ。放射能をあびせて、モルモットか、おらあ。人間だど、みな、みな。避難所を転々として、ここで6ヶ所目だ。また朝がきて、カレンダーにしるしを付ける毎日だ」

低線量の放射線が安全だ、体にいいと主張する人たちは、このおばちゃんの言葉をじっくりかみ締め、ぜひ原発の近くに住んで、研究活動や街の再建等につくしてもらいたいものだ。

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コメント

東電の社員寮と新本社を福島に建てよう。


結局税金投入決定、減給のみ、ボーナス支給。
貴族とはこいつらのことか。

投稿: ROM人 | 2011年8月 1日 (月) 15時03分

まあ、私が「自ら実験対象と成れ」と主張するのは、放射線医学関連分野とそれを支持する者たちなんで、「孫正義」君程度に「反省」した東電関係者は対象としてません。自責の念から、自らの体を差し出そうというのであれば、止めませんが…

投稿: あるみさん | 2011年8月 1日 (月) 21時48分

そりゃあ放射線医学専門の先生方が率先してそこに移住して生活してくだされば、風評などそれこそ風のように飛び去りますよ。

論より証拠で身を以て、放射線被害など恐るるにたらずと言うことを示していただいて国民の不安を解消して欲しいですね。


国(国民)の責任も有るにせよ、やはり東電を税金で救済するというのはおかしい。
損害賠償金が払いきれないのなら、債務超過で東電は倒産と言うことで株主や融資していた銀行に負担してもらうと言うのが筋と言うものじゃないでしょうか。
それが「会社は株主のものであり」「自己責任」と言うことだと思いますけど。

投稿: BM | 2011年8月 3日 (水) 21時35分

BMさん、まさにその通りですね。
この「実験村」のお金も、原発推進電力会社やメーカーなんかが多いに負担すべきです。(ただ、金を出すと口も出したくなる…データ捏造とか)を防ぐ、会計検査院なみの第三者機関の監視が必要でしょう。

投稿: あるみさん | 2011年8月 3日 (水) 23時13分

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