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日米開戦と、タイ国

今日は日米開戦70年ということで、いろんな記事が書かれているようだ。
ただ、あの戦争の本質は、中国市場の開放を求める米英の先進的帝国主義国家と、その中国を支配下に置き市場独占を図る、後発帝国主義日本との「縄張り争い」である。真珠湾攻撃なんぞ、アメリカ側がうまく誘導して日本から先に攻撃されるようにしくんだものだろう。
そんなことよりも、「太平洋戦争」は真珠湾攻撃より先に、マレー半島(英領)への攻略で始まった。、その時日本軍はタイ国領を通過しなければならなかったのだが、「天皇の戦争責任」(井上清著 同時代ライブラリー 1991年1月第1刷)によれば

真珠湾攻撃とは質的にちがう、日本の国際法違反は、12月8日未明、日本が軍隊をタイ国の同意なしに同国領に進駐させ、同国南部を占領して、そこからマレー半島に南下していったことである。またそれとは別に、日本は8日正午にはタイ国政府を軍事的に脅迫して、日本軍のタイ国通過を認めさせたが、これほど明白な純然たる侵略がまたとあろうか。タイ国はこれまでどんな小さな対日挑発もしなかったし、日本の敵国とも同盟していなかった。そのタイ国に日本は不意打ちをかけ、さらに12月21日には日泰軍事同盟を強制した。天皇と軍部は、本節の前でのべたように大義名分をすて、国際法もふみにじり、奇襲の成功を選んだ。p180

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この日タイ軍事衝突を舞台にした映画がある。邦題は「少年義勇兵」、監督はユッタナー・ムクダーサニット監督で、日本では2001年に公開されている。

1939年第二次大戦が勃発、タイ国は中立を宣言したが、日本が仏印に進駐し米英との緊張が高まる中、どちらの側からも攻められる危機にあった。ビブン・ソンクラーム首相は侵略に備えるため、少年義勇兵局の設立を決定し、タイ南部(マレー半島に繫がるところ)のチュンポーンの高校で義勇兵が集められ、志願した少年たちの厳しい訓練が始まった。

とは言ってもこの映画は「反戦」だとか「反日帝」を表に打ち出したものではなく、「戦争が始まる」という緊迫感の中での「青春物語」である。厳しい訓練の中「愛国心」を燃やしながら、またイザ戦争になったら、日本と英国のどっちについたらいいか激論しながら、あるいは女の子に恋心を抱きながら、主人公たちの青春が輝く。主人公マールットは、姉が日本人と結婚しているという設定であり、同じ義勇兵のプラユットから日本のスパイ呼ばわりされる。実際義兄は日本軍の特務であることを隠して結婚しており、釣をしながら海の深さをこっそり計ったりしていた。マールットが好意を寄せた女学生チッチョンに合いに行き、お互いの将来の夢を語り合った翌日、日本海軍が攻めてきた。義兄は正体を明かし、「言えなかった。すまん」と言うが、マールットは義兄に唾を吐きかける。

しかし、戦争は始まったのだ。日本軍と闘わなくてはならない。指揮官の下、少年義勇兵はトラックに乗って国のために一緒に死ぬことを誓う。日本軍との銃撃戦が始まり、隊長も軍曹も戦死した後、「停戦」を告げるトラックがやってくる。と、まあこんなあらすじなのだが、日本兵の軍服の色が、ちょっと残念だったこと意外は、「青春映画」として充分楽しめるものであった(もちろんそこに、「戦争の影」を見出さなければならないが)

日本軍が攻略したのはチュンポーンの他、ソンクラーやパッタニー(うへっ、どこにあるか分からん!)もあるのだが、「少年義勇兵」が参戦したのはチュンポーンのみ。そこには少年義勇兵を祈念する像が起っている(ただし、少年義勇兵の戦死者は0)。また、タイ国は日本と同盟を結んだため、止む無く連合国側に宣戦布告をするが、日本の半占領状態から真の独立を得るため、「自由タイ」という地下組織が結成され、連合国側に協力した。(そのためタイ国は戦後、敗戦国扱いとはされなかった)

「日米戦争」は決して「ABCD包囲網」のようなアメリカの圧力をはね返す「自存自衛」の戦争ではない。日帝のアジア侵略の延長として行われたものなのだ。そういう日として、12月8日というものは記憶されなければならない。

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