「ハシズム」はボナパルティズム
人様のブログネタをもとに、記事をエントリーする企画…
リンクしている資本主義の終わり論の最新号『ショック・ドクトリン』を読んでから…まあ、「新自由主義」というのを、単なるゆきずまった金融資本生き残りのための「政策理念」という面ではなく、それを貫徹するためには、ものすごい暴力が必要ということで、筆者はそのことを
新自由主義が持つ暴力性(ショック療法)をまったく見てこなかったという反省というふうに書いている。
私が着目したのは、第三の視点である。ごっそり引用すると…
第三に これまで橋下をファシストと見なしていましたが、間違いで 大統領型の(疑似)ボナパルティズムと見るべきだと思います。ファシズムとボナパルティズムの特徴的な違いは 自らの運動に民衆を動員するかしないかの違いです。橋下は一見民衆に呼びかけているように見えますが それは選挙に通るためであり、かつ大阪だけで日本全体をショック状態にたたき込んでいないからで レーガンと同じく妥協的ポーズをとらざるをえないのです。だから当選後橋下は 国政への参加を声を大にして叫んでいます。もともと 橋下・新自由主義は 民衆を呆然自失状態に追い込むのがその手法なので 押しつけはあっても民衆の声を聞く気はありません。もう一つの違いは ファシズムは青年の失業を減らそうとしましたが(具体的政策の是非は別として) 新自由主義は失業者をどんどん増やす政策だということです。
「ボナパルティズム」とは、マルクス主義の用語でもほとんど使われておらず、日本では中核派の人ぐらいしか使わない。「フランス大革命」後の独裁者、ナポレオン・ボナパルトや、その甥で「ブリューメル18日」で天下を取り、普仏戦争で敗れたナポレオンⅢ世(ルイ・ナポレオン)のごとく…「階級対立」の決着がつかず、政治が安定しない時に、諸階級・諸勢力のバランスに乗りながら、いかにもそこから超越した「調停者」のごとくふるまうことで、危機を乗り越える政治手法…のことである(これでよかったよね?)。ちなみに本家フランス・欧州では単なる「ナポレオン崇拝」の意味でしか使われないらしい。
なるほど、社共も左翼もダメ、自民も民主もダメ…というところから、橋下・大阪維新の会が「躍進」したことは言うまでも無い。諸勢力が「大きな力」で拮抗しているならば、ボナパルティストが政権をとるのにクーデターのような「直接暴力」が必要だろうが、全者ダメダメで力が拮抗している場合なら「公務員たたき」「大阪市たたき」の扇動選挙で十分勝てるわけだ。
まあ、橋下氏の「塾」とやらに4000人近くもの応募があり、そこから橋下の「お気に入り」を選抜して「チルドレン」ぐらいは創るだろうが、「橋下ユーゲント」「橋下突撃隊」なんてのはできないだろうな。
しかしそれにしても…少し橋下氏のことを「心配」してやろう…彼には有能かつ忠実なブレーンが居ない、ちょっとしたことで「昨日の友は、今日の敵」になる。40代で「若い」から、次から次へアイデアを出して「実行」していくが、結局それはほとんど自分で企画・立案・実行している…となれば、一番心配なのは「過労死」だ(その前にプッツンして、政治を投げ出すかもしれない)
ということは、「橋下打倒!」のためには、彼をとことんふりまわして、疲れさせればよいわけだ。いくら「腐敗」「弱体化」したとはいえ、大阪市の労組に庁舎から「出て行け!」と言ったり、職員の思想信条を聞き出すための「答えなければ処分」アンケートなど、突っ込みどころは一杯あるじゃなイカE:sign03]
あと、「維新大勝」時に橋下徹のブリューメル18日を書いたTAMO2投手の慧眼には、やはり頭が下がる。
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