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橋下「維新」八策批判(その5)…根本が間違っている下で新産業は生まれない

(6)経済政策・雇用政策・税制の批判。まず、前回のエントリーで揚げていた彼らの文言の中には、はっきりとこう書いている

・大きな流れ(円高、海外移転など)に沿った対策=大きな流れを人工的には変えられない
・労働集約型製造業の海外移転は止められない

要するに、「大きな流れ」である「グローバリゼーション」とは闘わず、それに抵抗しない…「新自由主義万歳宣言」である。よろしい、「欧米列強による開国の流れ」は変えられなかったであろうが、それに「抵抗」しつつ、その中から新しい国づくりを始めた明治「維新」を名乗るおこがましさを、まず指摘しておこう。

その上で「新自由主義」そのものが破産に追い込まれつつある「大きな流れ」が全く見えていない…リーマンショックを始めとする世界不況、ギリシャ危機を始めとするEUの没落、そして「マネタリズム」と「規制緩和」に明け暮れて、20年間下がり続ける一方の日本の労働者の賃金…それに対抗するデモや「オキュパイ」闘争が昨年は巻き起こった。また、「新自由主義」の矛盾を押し付けられてきた中東での「民主化闘争」…日本でも反原発・脱原発から、新自由主義への抵抗がよみがえりつつある。

ま、「新自由主義」でいくなら、もう言い尽くされた「経済政策」しか出てこない。自公政権、あるいは民主党政権ですらあからさまに言えないことがポンポンと平気ででてくる。
・新エネルギー、環境、医療、介護などの特定分野に補助金を入れて伸ばそうとするこれまでの成長戦略と一線を画する「既得権と闘う」成長戦略~成長を阻害する要因を徹底して取り除く
・医療・介護・保育の分野では一方的な税投入による雇用創出をしない=ユーザーの選択に晒す
・産業の淘汰を邪魔しない=産業の過度な保護は禁物
もう徹底的に「弱肉強食」の世界
で、・人は保護する=徹底した就労支援
といわれても、就労場所が無ければ何にも意味がない。「就労場所」の作り方は「成長戦略~成長を阻害する要因を徹底して取り除く」だけで、「・新規参入、イノペーション」や、「・高付加価値製造業の国内拠点化」「・サービス産業の拡大=ボリュームゾーンの雇用創出→IR型リゾートなど」が起こるわけではないのだ。

「新たな産業」とやらを起こすには、・ストックの組み替え=高度成長時代に造られたストックを成熟した国家にふさわしい形へというのが、実は必要なことである。ところがそんなことは「自由放任」では誰もやらない。国家などの公共部門が口や金を出して、初めて出来ることなのだ。

ぶっちゃけた話をしよう…日本の長期デフレはひとえに「需要不足」によるものだ…だからある「成長戦略」に基づいたインフラ整備(その上に、この度の東日本大震災で露呈した人々の安全・防災に対して必要な事業)」が求められる。また、労働者の賃金を上げ、不安定就労をなくし、購買力をつけてもらうことも必要である。だから(2)財政・行政改革の「・プライマリーバランス黒字化の目標設定」などというものは、もっと先のことで、今はインフレ政策をとらねばならない。

そうすると
・フローを制約しない税制=民間でお金を回す(使わせる)税制
・資産課税=固定資産税は現金化、死亡時に精算(フローを制約しない)(ただし「中小企業への配慮か、・夫婦、障害者、事業承継が課題(方策の一例~一定規模の事業で雇用創出をしている場合のみ、事業承継を認める?それとも原則通り一代限り?資産の売却?)なんて?で無方針ながらもこれらの政策が難しいことを認めているが)このへんは一遍に解決する。「資産課税」とゆうのは有効な課税方法で、お金を持っていて、当面使っていないヤツから金を取ること、しかもこれらの金は「マネー」として「金融資本」が「投機」に走るものだから、実態産業を押さえ込んで利子だけ取る金融資本主義(「これの暴力的な貫徹として「新自由主義」があるのだが、それは別途)の力を抑え、産業が甦るとともに、インフラ整備の原資もできる。

要するに「持ってるヤツから取る」宣言をし、実行すればよい。

ところがそうするとブルジョワジーからの反発が「予想」されるため、「負担なき者に保障なし」と社会保障制度を解体し、・国民総背番号制によるフロー・ストックの完全把握なるおぞましい案…ただしこれは「納税者番号制度」として検討され、現政権でも実現に向けてうごきだそうとしているが…が出てくる。オレはこんだけ金だしたから、これだけの「福祉サービス」を受ける「権利」がある…オマエはこれだけしか出していないから、これだけの「福祉サービス」を受けることができない…なんじゃこりゃ

・経済活動コストを抑え、国際競争力を強化・マーケットの拡大=自由貿易圏の拡大→TPP/FTAお前等、自民党や民主党と、どう違うねん…TPPやFTAは「自由貿易」そのものではなく、TPPはアメリカによる市場の囲い込み、FTAは2国間の自由貿易もどきのブロック化で、世界における自由貿易が行き詰まっていることはTPP反対の大義(続き編)…世界貿易の崩壊と日本の未来の最初の辺で述べている。

・労働市場の流動化、自由化→衰退産業から成長産業へ、外国人人材の活用・教育機関による人材養成=グローバル人材の養成・女性労働力の徹底活用
この辺は、これまでの政権が目指してきたとおり。ただ「外国人人材の活用」はどの程度まで行うのか?いわゆる「右派勢力」との調整(もしくは抗争)が起こる問題である。

一応評価しているのは、・国民総確定申告制ぐらい…消費税(大型間接税)導入時のキャンペーンでは「自営業者は確定申告で経費を落とせるのに、サラリーマンは源泉徴収で取られるのは不公平…というのがあった。また、納税(年金もそうだが)を他者に任せることは、それがどのように使われているのかということへの無関心にも繫がるからである。

あと、・脱原発依存、新しいエネルギー供給革命の文言だけは評価してやる。ただし、3月10日の四国新聞で新たに「骨子」についての報道があったのだが「BI」についてはかなり後退した表現になっていた。(WEBなし、紙面のみ)勤労意欲がなくなるからだって…また、10日の夕方、今批判している骨子をもとに「中間報告」がだされたようだが、今批判しているものとそんなに変わっていないので、批判は(7)外交・防衛と(8)憲法改正にそのまま続く…。

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