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「イラクとフクシマ・・・何が起きているのか」

6月9日、高松市内デモの後、高松市生涯学習センターまなびCANにて、講演会「イラクとフクシマ・・・何が起きているのか」という演題で、医師の井上俊さんからのお話を聞いた。専門は血液学で、日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)の理事をされ、何度もイラクに行っている。

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 イラクといえば「劣化ウラン弾」による被曝で、多くの子どもたちが白血病や小児ガン等で苦しみ、亡くなっているところである。先生は劣化ウラン弾と放射線・放射能の基礎的な説明をした後「劣化ウラン弾を使いたい人々(国々)は、劣化ウランと健康被害の因果関係を認めようとしない。他方、こちらは状況証拠として因果関係はあると考えているが、なかなか易学的に証明することが難しい。」と述べられた。例えばある病院で医師が「イラク戦争後、白血病が増加している。」と言うだけでは、本当に劣化ウランの影響で増えたのか分らない・・・周辺人口、病院に来る人の数等、様々なデータを考慮する必要があるわけだ。

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ここから話は、チェルノブイリやフクシマに飛ぶ。福島市内では数十万Bq/㎡の場所があるが、チェルノブイリだと居住制限区域・・・自由意志で避難することができ、ソ連ではそういた人にお金は出した、当初政府が20mSV/年を決めたが、これは例えば10mSV/年だと福島市の多くの学校が「再開」できなくなるからだ、最初、政府は「除染」も要らないと言っていたが、最終的には1mSV/年を目指すとまで言った、低線量被曝被曝による影響は、例えば甲状腺ガンはチェルノブイリ事故から、ピークが5~10年後にあったことが20年たってようやく理解された。しかし他の心臓疾患や、いわゆる「ブラブラ病」との因果関係は未だ認定されていない…
しかしここで「科学的根拠の有無云々ということは、被災者にとっては遠い世界の話である。」つまり科学的根拠の議論をしているちに、被災者が無視されるということになると言われた。そして「危機管理、予防原則の見地から、『疑わしきは罰し』被災者保護を優先すべき。」と結論づけられた。
 その「被災者保護」は1.疎開 2.除染(住まざるを得ない人の不安を取り除く) 3.早期発見、治療の確立 である。ここで2.除染 の問題が出てきた。確かに除染は「移染」であり、また全ての土地を「除染」するのは不可能だ。しかし安心のためにも、自分の住んでいる周りだけ方法も有りではないかということだ。
 しかし除染の方法や、廃棄物の処理方法、施設が決定していないこと、その土地・家族が除染作業時に被曝してしまうこと(除染ボランティアというのもあるが、その人たちも正しい知識を教えられないまま、むちゃくちゃな方法で「除染作業」をしていることも会場から報告された。また田舎では地域で除染作業を行うのことで、除染作業を避けたい人もことわれないような状況がある。しかし「除染」を考えるならば、「荒地に1本1本、木を植えていく」ように、根気よく何回も除染をすることであると・・・

 続いては、被災地のガレキ問題である。これも意見が分かれている・・・ます「ガレキ」ではなくそれは被災民にとっては「思い出」のようなものでもあること(もちろんそうでない人も居よう)、ガレキ運搬処理がビジネスになっている・・・これらは有効利用可能で、現地で処理することで、雇用の場が生まれること・・・を上げた後「高濃度の汚染物質に囲まれた中で生活せざるを得ない人々がいる。その汚染物質を隔離・管理できないのであれば、拡散させることも解決策の一つとして選択できるのでは。」と提起された。
 この提起に関して、例えば私も「ガレキ」を堤防等に使って、それがまた壊れたとき、また放射性物資が漏れ出す危険性がある…だから被災地で使うというのもどうかと考える。」と「意見」を述べた一方、「香川等に避難してきた人たちは、汚染されていない安全なところを残すこと、残っていることも支援なんだと考えている。」という意見も出た。

 しかし、さすがにイラクの現場で医療活動をしている人の言葉であって、非常に説得力のある「ガレキ広域処分論」であると考える・・・政府・自治体はこういった「民主主義的な対話」も成さずに、復興支援に広域処分ありき・・・でコトを進めるから問題なのだと私は思う。「被災地の矛盾と苦しみを『復興支援』という言葉にすりかえてはいけない」と井上先生も言った。(ちなみに日本の核政策も「民主主義的な対話」ぬきに進められ、その反省もなされないまま、大飯原発を再稼動しようとしている。)
 「一つのイデオロギーに傾倒してしまうと、よく分らないから考えるのを止めてしまう。そうではなく、被災者のためにどう役立つか、という視点で考えることが大切。『放射線管理区域』を越えた線量のところに人が住んでいるという現実がある」のだ。

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