やっと読んだぜ「ネットと愛国」
試験勉強中は、あまり本を読まなかったので、これからは読書の秋に(^^)(^^)
ということで、やっと安田浩一著「ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて(講談社)を読むことができた。
数年前から街頭を賑わせている「行動する保守」、朝鮮学校や在日外国人に対して、聞くに堪えない「差別言動」「ヘイトスピーチ」を繰り返す人たちは、一体どうゆう人なのか?そこからこの本は始まる。
「在特会」代表の桜井誠氏をはじめ、幹部や一般の活動家達は、街頭で見られるような恐ろしい、得体の知れない人間ではなく、ごくごく普通の人が、むしろ紳士的といっていいほど丁寧に安田氏の取材に応じていた。
「なぜ、この運動に入ったのか」「運動をしていて、どうか・・・」安田氏の質問に丁寧に答える、若者やおじさん達である。(もちろん街宣行動中の取材で、突っかかってくるヤツもいる)
会員からのカンパなどの活動費で、ちゃんと市民運動の形で行動している。彼らの多くは我々と同じよう「手弁当」であちこち駆け回って「街宣行動」を行っている。昨年、京都朝鮮学校での事件と徳島教祖襲撃事件で逮捕者が出て、裁判費用がかなりかかっているわけだが、そのときはタニマチみたいな支援者から1千万円ほど出してもらったそうだが、どこかの大組織のスポンサーがついているわけではない。
彼らが「嫌韓」「嫌外国人」になった理由も色々だが、2002年ワールドカップでの韓国のラフプレーやサポーターの態度に嫌気がさしたというのが多い。また、「カルデロン一家」追い出しデモの映像を見て「かわいそう・・・は分るが、不法滞在は良くない」ということから会員になったというケースも多いようだ。
で、ネットで流れる「嫌韓国、嫌中国」のネタ「のみ」を信じ、鬱屈した疎外感を感じていた人たちが多く彼らを支援し、会員になる。 ネットでクリックして、必要事項を書き込めば誰でも簡単に会員になることが出来る手軽さもうけた。
街頭にでて、大声で差別用語を使って「街宣」し「ののしる」・・・多くの人は関わりのないこととして、通り過ぎてゆくが、終わった後の充実感が残る。ここに来れば仲間として認めてもらえる・・・この運動で自己承認を得ることができた・・・という人も多い。(もちろんあらゆる「運動」や「サークル活動」にはそういった自己承認、自己実現という意味がある。今盛り上がっている「脱原発運動」にも、それは多かれ少なかれ、あるだろう)
ある若者に安田が聞く―〇〇君はハーフだよね。・・・「そうゆう質問、これまで何百回、いや、何千回受けてきたかもしれません」「安田さんもそうですよね。僕がまず、ハーフであるかどうか聞いてきた。僕はいつもそこから答えなければならないんです。子どものころからずっと。」「安田さん、僕はね、日本生まれの日本人なんです。」(p134~135)彼は小学校のころから歴史が好きだった。米国の語学学校に留学し、外から好きな「日本」を見てみた…留学生仲間の大半は、自国に誇りを持っている。なのに日本はどうか。そんな時にネットで「在特会」を知り、活動に参加する。「・・・日本が好きだという僕を、愛国者として認めてくれたんです。」
この自己承認の論理が、「在特会」を大きくしたのは間違いないだろう。だが、問題はそこだけではない。
この本、在特会の「歴史(この間の事件も含む)」や他の右翼・民族団体との係り、評価も書いてあって、非常に濃いルポである。私の「書評」もどきを読むより、まずご一読を・・・と言いたい。
なお、ネタとしての「書評」もどきは続くよ
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