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地政学論のまやかし

 さて、最近は「尖閣」領土問題が加熱しているせいか、またぞろ「沖縄に海兵隊は必要(ここでは海兵隊についてだけ述べる)」論が「復活」している。左翼もびっくり!グアム移転って司令部だけじゃないんだでも示したとおり、アメリカは将来的に海兵隊のほとんど全てをグアムに移転させる計画で物事を進めてきた。こうすると「辺野古」の新基地はおろか、普天間基地だっていらないハズだ。
 グアム移転が「頓挫」しているのは、当初の見込みと違い、沖縄と比べて狭く、兵員や家族が暮らすためのインフラ整備により金がかかることが議会で問題となっているためである。TAMO2投手の言うように、「海兵隊」が沖縄にいる必要はない。

 確かに海兵隊は「敵前に強襲上陸」して奇襲をし、敵をせん滅するイメージがある。しかしそんな戦争をアメリカがしたのは、朝鮮戦争の仁川上陸作戦までだ。これは相手側が油断して火力を集中させていなかったからこそ、成功している。ベトナムのダナン上陸では、「味方」の南ベトナムに「上陸」しているわけだ。 

 そもそも湾岸戦争、アフガン、イラク戦争を始め、アメリカ軍は自国の兵士ができるだけ攻撃を受けないよう(これはベトナム戦争からアメリカが「学んだ」ことでもある)、ミサイルや空爆によって相手の陸上、防空兵力を徹底的に叩いてから、おもむろに海兵隊の登場というのがお決まりのパターンである。また、戦争開始前に、前線基地に物資を集積するロジティクスもぬかりなく行うため、非常に準備をかけて行う。「敵」の行動も衛星等からバッチリ監視sign03「海兵隊」の「即応能力」など、どうあがいても必要はない、準備万端整えて、上陸後にいかに敵をぶっ殺すか・・・そのための訓練の場が「沖縄」なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
 しいて言えば、沖縄はグアムと違って、インフラも整備され、日本政府から「思いやり予算」等もつくのでありがたいだけなのだ。

 それでも「尖閣」に「中国軍(もしくは漁民を装った工作員)」が奇襲的に少数で上陸したら、どうするのか・・・やっぱオスプレイのほうが、無給油で台湾まで飛べるし、対応早いじゃん・・・と思っている人に・・・

 オスプレイはあくまで兵員輸送機である。「尖閣」のような岩だらけの小島では、安全な場所に着陸して兵員を上陸させることなぞ不可能。それこそ待ち構えている「敵兵」にSAMでも打ち込まれれば、終わりです。そんな「危ない戦争」を「尖閣は日米安保の範囲」としても米海兵隊は動かないぜ(ポーズだけは見せるかもしれんが)
 
 もしそういった事態が起きたら・・・海軍力と空軍力で「尖閣」を海上封鎖すればよろしい・・・兵糧攻めですな。もし海上封鎖されないように中国海軍が出てこようとすると、やはり相当な艦隊を動かさなければならない。事前に嘉手納基地ぐらいにミサイルでも撃っとく必要もあるだろう・・・そうすれば米中全面戦争になる。それは両者ともリスクは大きいので、まずそんなことは有りえない。

 あと「台湾有事」を持ち出す輩も居るが、経済的・人的交流が盛んになって大陸側も台湾側も相互依存している中、あえて軍隊を出して台湾を「解放」する理由が見つからない。東シナ海進出のため台湾占領・・・と言っても、それなりに人口があって行政機構が整備されているところを軍事占領することなぞ、よほどの準備をかけないと出来ないことだから、直ぐにアメリカの戦争マシーンが動き出すことになる。

ま、ブルジョワのポリティクスで考えれば、沖縄に海兵隊は必要なく(むしろ長距離飛べることを利用して、どこにでも展開することが可能となるから、基地はどこでも良い)、「中国の脅威」とやらに「活躍」するのは、日米海軍、空軍のコンボであるのだから・・・

おまけ・・・神浦元彰氏が、日米離島奪還訓練を批判した記事より・・・
 そもそも尖閣を中国軍が占領するときは、周辺の海域には無数の中国海軍の艦艇が集結し、幾重にも防衛ラインで囲まなければ尖閣を日米軍の奪還から防御出来ない。
 沖縄近海の無人島にそんな無駄なことを中国軍はしないだろう。バカではないからだ。
 そんな戦争の想定は、今や飢餓で瀕死状態の北朝鮮軍が、一気に朝鮮半島を南下し、韓国の米韓軍を撃破して、九州北部や山口県に上陸侵攻してくるようなバカバカしい想定と同じである。
 しかし自衛隊と在日米軍は、そのようなバカバカしい想定でないと、日本国民に自衛隊や在日米軍の存在意味を示すことができないのも現実である。
 また普天間のオスプレイ配備も、尖閣をオスプレイを使って奪還するなどというバカバカしい話しを想定しないと説明ができないのも現実である。
 これは想像力の欠如というより、やはり軍事知識の無さが生む幼稚な仮説なのある。
 今回の演習では、無人島の入砂島にオスプレイで完全武装した米海兵隊員が送り込まれる映像がテレビで流されるだろう。この映像こそがこの演習の真の目的なのである。
 沖縄のオスプレイ反対運動を沈静化させるための心理作戦の一つである。

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かくめいのための理論」カテゴリの記事

コメント

う~ん、沖縄の米軍基地将来は移転するのですか。
そうなるとヤバイことになると思いますよ。まさしく「事前に嘉手納基地ぐらいにミサイルを撃っとく必要もある」ことを米軍が存在することによって抑止しているのですから。
このことは、沖縄に限らず本土にも言えることでしょうね。米軍基地があることによって、日本は有事における大量のミサイルによる飽和攻撃を抑制することができている。ミサイル防衛も効果はありますが、完全にミサイル攻撃を防ぐ手立ては日本単独ではないのです。
中国が日本をミサイル攻撃できないことの軍事的な意味が大なるものであり、それが離島の紛争などの抑止効果となっていることは明らかです。

米軍の抑止力とは紛争現場に軍事介入するといったことではなく、もっと大きな戦略的なものです。
エラソーな言い方ですが、その現実を国民はもっと認識しなければならないと思います。
最近オスプレイ配備や米軍基地にかかわる問題が大きな話題となっていますが、厳しい国際情勢の大局を見た上で考えるべきだと思います。

投稿: BM | 2012年10月21日 (日) 19時24分

BMさん、一応「海兵隊だけ」と(太字で)書いてあります。沖縄から米軍が「全面撤退」とはなかなかいかないでしょう。最低でも嘉手納は長いこと残るでしょうね。
あと、言わんとされていることは「(軍事的)プレゼンス」のことかと思います。要するに「日本のバックにはアメリカがついているぞ~(だから侵略されない)」ということですね。よって海兵隊移転問題でも「アメリカの言いなり」に考えていたら、楽だというところに、保守も革新も「安住」していたわけですが…
ただ、保守のほうからも、アメリカのプレゼンス=日米安保を守ろうとするにあたり、今の沖縄への「オスプレイ強行配備」やそれに対する民衆の「政治的動き」…これはもう止められない…が、安保体制そのものをゆるがすのではないかという意見も出てきています。それを、過去の自民党政権も含め「沖縄の理解を得る」という言葉ばかりで何も思い切った具体策がない。
 左翼の考えではありませんが、「海兵隊は沖縄から出てゆく(上記神浦氏は「嘉手納弾薬庫(ほとんど使われていない)に普天間の機能を統合する案を推奨しています)」「その上で嘉手納の負担を減らすべく、日本中で日米合同演習を行う…日本中にある港湾、空港を思い切り活用する」皮肉にも「オスプレイ」のような兵器としての性能向上により、今や軍を早急に移動することは、一昔以前よりも可能なことでしょう。 
「関西空港に普天間を持ってくる」といきまいていたあの橋下氏ですら、最近は「辺野古移設」ということを平気でいうようになりました。上記のことを考えれば、少なくとも「海兵隊沖縄撤退」は、保守の側から見ても可能なのですが… 

まあ、上のような案でも左翼は「安保粉砕!」で大反対しますがね。

投稿: あるみさん | 2012年10月21日 (日) 21時21分

中国の戦術としては、武装集団が出てくるよりも先に、まずは漁船で軍団を組んで民間人を大量に上陸。その後彼らの安全確保を理由に軍隊が駐屯、という手で来るでしょう。
その場合、艦船の性能からして海保では止められない、兵器を使われない限り自衛隊も使えない。そうこうしている内に竹島と同じように実効支配になるでしょうね。
そのためには漁船集団の上陸から中国軍駐屯までの間に人員を運ぶ必要があります。その場合中国側は民間人と称していますので対空ミサイルなど撃てません。

>沖縄近海の無人島にそんな無駄なことを中国軍はしないだろう。バカではないからだ。
戦争の動機の大半は領土や資源なのに。そもそも計画的ではなくても、小さな火花から大戦争になった例はいくらでもありますが。
「マジノ線突破なんてありえない」「真珠湾を航空攻撃なんてありえない」と言っていた奴らがどうなったか……

BMさんもおっしゃっていますが、オスプレイの役割はあくまで抑止力です。
日本の戦車と同様、オスプレイが存在する以上、尖閣掌握の際には中国は対空ミサイルを持ち込む必要性が出てきます。
そうなると漁船を大量投入しての海保妨害という戦術を無効化できます。
同様に日米安保の強さを見せることになり、中国側へのけん制にもなります。

で、左翼は安保粉砕した後に国防をどうするのですか?
安保破棄、自衛隊増強⇒大増税…… というのは自分は構いませんが、国民の大半は支持しないでしょう。
沖縄の基地にしたって、今回の夜間外出禁止ですら飲食関係を中心に戦々恐々状態。
安保反対よりも先に、地位協定の改正、米軍兵士を日本の司法で裁けるようにするという、やりやすいところから手をつけるべきでしょう。

投稿: ROM | 2012年10月22日 (月) 11時33分

あるみさん

しつこくなってもいけないのでこれで終わりにしますが、なぜ「安保粉砕」しなければいけないのか分かりかねます。

冷戦時代には対立に巻き込まれないために安保破棄して中立を保つのも戦争しないための有力な方法だったかも知れません。それでも軍備は欠かせなかったとは思いますが。
しかし、現代は巻き込まれではなくて直接の国どうしの利害対立で戦争が起こる危険性があります。
私も戦争なんてことは馬鹿げたものであり絶対避けなければならないと思っております。戦争で紛争に決着が付く事はないでしょう。ますます憎悪は増幅されて行きます。
そのためにも、戦争を起こさせないためにも抑止力を保つべきと思うわけです。
それをすべて自力でやろうとすれば、ROM人さんの仰る通りに大変な負担となり経済が持ちません。

「安保粉砕」してあとどうにかなるとは、どうしても思えません。


投稿: BM | 2012年10月22日 (月) 22時11分

ROM人さんへ
>漁船集団の上陸から中国軍駐屯までの間に人員を運ぶ必要があります。その場合中国側は民間人と称していますので対空ミサイルなど撃てません。
ハイ「民間人」を相手に、軍用機オスプレイを出すわけにはいきませんね。それこそ「中国軍」出兵のかっこうの口実となります。肝心なときに役に立たないオスプレイなんぞ、怖くはないでしょうwww
現状ではしこしこと海保の巡視艇とかで対応しつつ、衝突を避ける以外にないでしょう。ROM人さんもご存知の通り、海保安は既に凄い実力を持っていますhttp://tatakauarumi.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-55cd.htmlから おっと、その前にちゃんと「外交」で解決しろよなぁ~「自民党」でも「維新」でも無理か?
あと
>地位協定の改正、米軍兵士を日本の司法で裁けるようにするという、やりやすいところから手をつけるべきでしょう。
ということは、既に様々な取り組みが成されてますよ。でもちょっとずつしか解決しないし、訓練時間、飛行ルートの改善にはほとんど役立っていない、いつも「口約束」だけです。今回のオスプレイ飛行もそうですね、次々と「約束違反」が報道されている。そんな中、また米兵2名によるレイプ事件が起こりました。彼等は「公務外」でしたので一応日本の捜査権・司法権が及びます。が、県議会(自民党、公明党もいますよ)は
>「県民の我慢の限界をはるかに越え、県民からは米軍基地の全面撤去を求める声も出始めている」と厳しく指摘し、在沖米軍基地の整理縮小、返還促進を要求http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-198337-storytopic-3.html してますよ。そのくらい「踏みつけられてきた者の怒り」が大きいわけです。もうどうにも止まりません。(止めたかったら、何か良い案だして近所の自民党員にでも教えてあげてください)

投稿: あるみさん | 2012年10月22日 (月) 22時46分

>ハイ「民間人」を相手に、軍用機オスプレイを出すわけにはいきませんね。
いや、別に?
運ぶのが軍用機でも、中に乗る人が警察なり海保なりならば良いわけですし。
オスプレイは輸送機ですから、民間人に武器を向けることもないですから。

>海保
数はそこそこあるけど、性能が……。せめて自衛隊の旧式護衛艦を使うぐらいは必要。

>既に様々な取り組みが成されてますよ
だからダメなんですよ。戦力分散してりゃぁ、勝てるものも勝てません。

>県民の我慢
民主党のいう「民意」と同じぐらいあやふやですね。
統計も根拠も無く民意と叫ぶ簡単なお仕事ですね。

投稿: ROM人 | 2012年10月25日 (木) 10時18分

>運ぶのが軍用機でも、中に乗る人が警察なり海保なりならば良いわけですし。
オスプレイは輸送機ですから、民間人に武器を向けることもないですから。

アメリカ軍が持っているオスプレイに、日本の警察や海上保安官をそう易々と載せてくれるのだろうか?オスプレイを操縦するのは、アメリカの軍人ではないのか?
中が日本の民間人でも、オスプレイが出てきた段階で、アメリカ軍の関与が明らかなので、米中対立になるのは明らかでしょう。

投稿: どこかのおじさん | 2012年10月27日 (土) 22時46分

実際にする必要はないんです。
出来る能力があることを見せるだけでいい。

スケールの大小はありますが、核と同じです。

投稿: ROM人 | 2012年10月30日 (火) 15時14分

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