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特定秘密保護法案を粉砕せよ!

 秋の特別国会で安倍政権が成立を狙っている重要法案の一つに、「特定秘密保護法」がある。これのトンデモなさは、今さら私のブログで触れるまでもなくこことかこちらで散々議論されているのだが、要するに①防衛②外交③外国に利益を図る目的の安全脅威活動④テロ活動の防止 に関する行政機関のもつ全ての情報を、行政機関の長が何のチェックもうけずに「特定秘密」にすることができ、その「特定秘密」を取得するためになした、①偽計、暴行、脅迫②窃盗③施設への侵入④不正アクセス およびそれらの共謀、教唆などが処罰の対象となる。対象者は国会議員も含めた公務員および民間人であり、罰則は最高懲役10年である。

 あれれ、偽計、窃盗、施設への侵入・・・って、それだけで「犯罪」の対象になるじゃない。そう、「秘密」にしたものを犯罪的行為で漏らしたら、その「犯罪」だけで、現在でも「処罰」をすることができる。この法律のキモは、行政機関のが何のチェックもうけずに秘密指定できることにあるのだ。

 すなわち、民衆に知られてはマズイことは、例えば「テロ対策で必要」という理屈をつけることで、何でもかんでも秘密にすることができる。そうでなくても、都合の悪い情報は隠される・・・あの原発事故で、メルトダウンが発表されたのは2ヶ月もたってからだった。スピーディーのデータは、故意に隠された・・・そんなことがおおっぴらに出来るのだ。政府・行政に「秘密」はいらない・・・人民の「知る権利」のほうが大切だ
 しかも民衆のほうは、何が「秘密」になったのか分からない・・・防衛省や外務省に出入りする人間、企業だけでなく、その関連企業、防衛産業、警察や海上保安庁関係者・・・さらには自衛隊、米軍基地の近くに住む人など、一般の人が「秘密」に近づくことは、けっこうある。

 この法案が成立すると、どうなるか・・・政治の場では「政府・行政が何をやっているか」正確なことが分らないため、議員であっても正確な正しい情報が入らず、議会制民主主義は形骸化する。議会外の民衆の行動・・・請願なり、デモなりも、何が問題なのか分らず、政府に抗議することもできなくなる。そう、「抗議」されて困るものを「秘密指定」してしまえば、民衆は何もできず、政府・行政の言いなりになるしかない。

 ここへきて政府は「知る権利」や「取材の自由」を盛り込むことで、なんとかこの法案を通そうとしている。YOMIURI ONLINEより「取材の自由」明記・・・秘密保護法案、閣議決定へ
 政府は17日昼、安全保障にかかわる機密情報を漏らした国家公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案の修正案を自民党のプロジェクトチーム(座長・町村信孝元官房長官)に示した。
 「知る権利」と「取材の自由」を定め、取材については、正当業務行為に位置づけた。政府は25日に法案を閣議決定し、今国会での成立を目指す。
 修正案は、公明党が求めていた国民の「知る権利」への配慮規定を盛り込んだ。具体的には、「国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由に十分に配慮しなければならない」と明記。報道関係者の取材を、「法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限り、正当な業務による行為とする」と定めた。情報公開制度の充実に向けた有識者会議の設置に関しては、法案でなく、国会での政府答弁などで担保する。
(2013年10月17日14時17分  読売新聞)

 マスコミと公明党を「懐柔」して、人民の知る権利と自由を奪う「秘密保護法」を何としてでも通そうとしている。付帯的についてくる「取材の自由」(マスコミ以外の人が「秘密」に触れれば罰せられる)や「知る権利」(そもそも「秘密保護」が「知る権利」に反する)なんぞ、この法律がろくでもないものであることを示している証拠でもある。

 こんなデタラメな法案は、何としてでも粉砕しなければならない。既に国会議員に対し、この法案に賛成しないで欲しい(賛成すると、次の選挙は支持しないからね)」と、メールやFAXを送る運動が提案されたりしている。国会期間中、議員は議員会館にいるハズだから、そこにメールやFAXを送ればいいのだ
 秘密はドラえもんの「ひみつ道具」だけで十分だ。

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コメント

プライバシーを侵害する
国民全員に影響がでる
国民主権と矛盾する
秘密保護法を提出する
秘密保護法の提出や成立をやめましょう

投稿: 反対 秘密保護法 | 2013年10月17日 (木) 23時20分

んなことやってるから、いつまでもスパイ天国って言われるんじゃ。国の重要文書や機密資料を盗み出しても、窃盗罪でしか裁けない。

例えば原発の壁の強度や、欠陥などを記した機密文書があれば、そこを狙って攻撃し第二の福島も可能になる。
ステルス機やイージス艦の秘密が漏洩すれば、それだけで国防上の大きな穴になる。
 国家戦略、国家方針などを手に入れれば、インサイダーでボロ儲けもできる。

むしろ今までそういう法案が無かったのがおかしいわ。

投稿: ROM人 | 2013年10月19日 (土) 00時53分

「スパイ天国」キャンペーンは、80年代中曽根時代の「国家秘密法」の時にも、さんざん言われました。しかし本物の「スパイ(情報部員)」と言うヤツは、だいたい公になった情報(新聞記事とか)を分析して本国に送っているわけであり、この種の「法律」というものが人民の「知る権利」を縛るものであることが暴露されたから、「国家秘密法」は廃案になったのですね。
 その後、この類の法律がないことで、何か「困ったこと」なんぞおきてませんよね。あたりまえですよ…

投稿: あるみさん | 2013年10月21日 (月) 19時44分

自衛隊の情報漏えいについて何もしらんのか?
米国にすら秘密の、中国軍潜水艦に関する情報をリークしたにもかかわらず、懲戒免職だけで済むのが日本。

防衛の要であるイージス艦のデータの図面を中国に流出しかけても、最大十年の懲役しか出せないのが日本。


この状況を「困った事じゃない」と言い切れるなら、あるみさんの危機意識はヤバい。東京都心の一回で玄関にも窓にも鍵をかけず、通帳と印鑑を机の上に出しっぱなしにするぐらいやばい。

投稿: ROM人 | 2013年10月23日 (水) 01時07分

ああ、一応追記というか捕捉。

イージス艦の件は故意に持ち出した+中国人の妻を入国違反でしょっ引いた時にHDDから発見という、かなり瀬戸際だからな?これでも十年以下でしか休憩できない。

あとは国関係じゃなくても、企業もスパイのせいで技術盗まれてるのが多い。新日鉄が韓国に技術抜かれてたし、半導体や列車の技術もごっそり抜かれてる。
国が情報漏えいゆるゆるなんだから、そりゃぁ企業もゆるゆる、しかも罰則規定がしょぼい。


まぁオスプレイを攻撃機とかと勘違いするような情弱左翼の方々には、国や企業にとって情報がどれだけの利益になるか、という考えが無いのでしょうなぁ。

投稿: ROM人 | 2013年10月23日 (水) 01時13分

>防衛の要であるイージス艦のデータの図面を中国に流出しかけても…
 革命的祖国敗北主義の共産主義者にとって、そんなものは国家の危機ではあるが、人民の危機ではない…ドンドン流出させるべきなのだ。

オスプレイが攻撃機だって!?私は海兵隊のMV-22は少なくとも「輸送機」でしかないから、抑止力にはならないよって言ってきたんだがなぁ~

投稿: あるみさん | 2013年10月23日 (水) 20時09分

>ドンドン流出させるべきなのだ。
まぁそりゃぁ、中国様に支配されることを望む左翼にとっては都合が良いかもしれんがw

>オスプレイ
じゃぁなんで平和を乱すとか騒ぐんだよw少なくとも今ある輸送ヘリよりは事故率低いし、足も長い、速度もあるで、交換するデメリットがねーだろ

投稿: ROM人 | 2013年10月24日 (木) 01時13分

「秘密保全法」と言われて法案概要が推定されていたころから、集会いったり資料を読んだりしてきました。ようやく出てきた法案も基本は同じですね。
日本社会は官僚統制が好きだから、あんまり反発無く成立しそうで憂鬱です。

投稿: kuroneko | 2013年10月24日 (木) 16時44分

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 今更俺なんかが言っても受け売りに過ぎないが、自民党が秋の臨時国会で成立を狙う「特定秘密の保護に関する法律」(秘密保全法とも秘密保護法とも)は、政府が都合の悪い情報を隠し市民の耳目を塞ぐための悪法である。これが成立すれば戦前のような暗黒社会をもたらすだ…... [続きを読む]

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