共産同統一委の「左派統一共闘」の呼びかけについて
かなり旧聞ではあるが、それでもまだ1か月は立っていない。共産主義者同盟(統一委員会)が、安倍政権打倒のための左派勢力結集の呼びかけを発した。統一委員会のHPのリンク新たな時代を切り拓く左派勢力の結集を
「旗旗」ニューストピックブント統一委が「左派統一共闘」を呼びかける声明を発表(両リンクとも内容は同じ・・・なお「著作権」の関係で全文引用は控える)
これについて、若干の感想・意見を述べたい。
まず、当面の課題…安倍政権打倒のための左派勢力結集…には全面賛成である。リンク中文章の中にもあるように、安倍政権の「戦争への道」「新自由主義への道」「原発再稼働への道」への怒りがあらゆるところから噴き出している。加えて、「アベノミクス」という経済政策も、「世界的な資本主義の行きづまり」から、破綻を余儀なくされている。(ここんとこの分析が少ないように見受けられる)・・・安倍政権は、明日にでも打倒されなければ、民衆はやっていけない状況になる。
一方、「民衆の怒り」の回路は、様々な運動形態、結集形態をとって現われているが、「安倍政権の反人民性」は、「資本主義の行きづまり」がそもそもの原因であることをはっきりならない。そのためにこそ「左派勢力の結集」・・・資本主義に代わる「共産主義」「マルクス主義」をもう一度復権させ、世の中を変えなければならない。もはや「資本主義の改良。改善」ではやっていけないことを、はっきりと示さなければならない。そのための「左派勢力」を結集させて、民衆の中から登場しなければならないのだ。
では、当面どうするか…一応この文章の「左派勢力」は、現在は社民党や共産党、ノンセクト市民団体とも共闘しているが、いわゆる「新左翼」諸党派とその周辺に集まっている人たちをさすのだと思う。これらの人々は現在、様々な場面で、様々な形で闘いを繰り広げているが、残念ながら「広がり」と「連携」に欠けていることは否めない。
私は以前「プラットホーム論」をこのブログで書いたことがある…ある課題に対して、「やりたい人」が自由に参加できる形態の「市民運動」の形である・・・これを「党派」の枠を超えて広げることが、ます必要ではないかと考える。
ぶっちゃけた話、今やっている「活動」もしつつ、それらをガラガラポンにして集まれる「場」つくりである。もし「統一委」が呼びかけてそのような「場」を作ろうというのであれば、それに「結集」しようではないか!
ただし、その「場」には必要条件がある…「場」内での「徹底した民主主義」である。過去の共産党から新左翼・・・さらには市民運動でさえ、「異論」を廃し、リーダーとその取り巻きで決めた「方針」を上から下に流すだけ・・・という作風がまかり通っている。これは、統一委も批判している「スターリン主義」的作風が、共産党から分派した、あるいはそれに飽き足らない人々にまで、「党や運動とは、こんなモン」という「空気」の中から抜け出せなかったということだ。「左翼」にとって「徹底した民主主義」とは同時に、労働者ソヴェトを破壊し、労働者の自主的、生産共同体的生産という本来の共産主義的なあり方をぶち壊し、「共産主義=国営生産」というデタラメをまき散らしたスターリン(主義)を、各人、各党派が徹底的に反省・批判することである。
それが出来る人、党派、団体ならば、誰でも参加できる「場」・・・これが発展して新しい「党」になるのか、それとも生命力を失った「議会制民主主義」に代わる、コミューン・ソヴェトになるのかは、まだまだ分からない。
仮に明日、安倍政権を倒したとしても、現在の「議会制民主主義」と「自民・公明の支配」は続くであろうし、世界に目を向ければ、アメリカ発の新自由主義と、それによる格差・貧困の拡大、中国等旧スターリン主義国家における「資本主義的社会主義」の矛盾と、それに伴う人権、民族抑圧・・・そしてそれらの矛盾を押し付けられ続けた、第三世界での苦悩・・・特にイスラム諸国家とそこにおける「原理主義」という名の抑圧が終わるわけではない・・・しかし「日本革命」を突破口として、それらの社会を変えるのだ。だから「場」においては、国籍、民族、宗教等を理由とした一切の「差別」があってはならない。
このような「場」つくりが出来るかどうか…新旧ヘナチョコ?左翼を含め、全ての左翼が考えねばならぬことだろう。それを小さいとはいえ「統一委」が提起した・・・他党派、市民団体はどう考えるのか?もっとこの「提起」は広めて、深められねばならない…それも急いで・・・安倍政権を1日も早く打倒するために。
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