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なぜミサイルが飛んでくるのか?イマジンしよう

今日の「Xバンドレーダー基地反対闘争」の記事と、それにつけられたコメントを見てふと思った…というか、前々から思っていたことだが…
 もし日本に「ミサイル」が飛んでくる…戦争を仕掛けられるとしたら、それはどういった状況の時なのか?クラウゼヴィッツも言うよう「戦争は政治の一部」ということなのであるが、もう少し簡単に考えてみよう。
 ご存じのとおり、「日米安全保障条約」により、日本にはアメリカ軍の基地がある。大きなもので三沢、横田、岩国、佐世保、嘉手納・・・そして「日米地位協定」によって、アメリカ軍はほぼ「治外法権」状態で日本の土地や空域を使える。
 仮に、アメリカが中国や北朝鮮、ロシアと政治的対立を起こして、「戦争」状態になる一歩手前までいったとする。まあ、1941年9月頃の日米関係と同じようになったとする・・・あとは「どっちが先に、手を出すか?」というような状況になったと想像してみよう。
 もし中国や北朝鮮、ロシア(めんどくさいのでここでは「敵国」とまとめる)から攻撃を開始するとすれば、やはりミサイルで米軍基地や自衛隊基地、その他要所を叩くことからはじめるだろう。
 逆にアメリカから敵国を先に攻撃した場合、報復としてミサイルが敵国から日本に飛んでくるだろう。

 ここで、「日米安保」が無く、日本に米軍基地や自衛隊基地もない状態の日本を仮定する…米国と「敵国」の間で戦争状態になっても、日本にミサイルを飛ばしたり、ましてや軍を派兵して占領してしまう軍事的意味は、全くない。直接アメリカ(もしくはアメリカの基地がある国や地域)にミサイルを飛ばせばよいわけだ。すなわち、「日米安保」を破棄すれば、アメリカの敵から日本が攻撃されることは絶対にない。

 そしてさらに考え方を発展させよう…「敵国」とした国と日本との間には、領土問題を始め様々な問題を抱えているが、これらは「戦争」という究極の行為をしなければ「解決」しないものであろうか?今の所、海上保安庁クラスの軍備と、外交的話し合いで十分解決できることだろう。
 あえて例を出してみるなら、「安倍首相がA級戦犯の祭られている靖国神社に参拝するのはケシカラン!」という理由だけで、中国が日本にミサイルを飛ばしてくるだろうか?そんなことをしても、中国が国際社会からこっぴどく批難されるだけである。そんな「脅し」をして安倍首相が靖国神社に参拝しなくなったところで、中国政治は「反日」で国内を一時的にまとめることができるだけで、経済的には何の得にもならない。

 さらに想像してみよう・・・資源もなく、インフラが整備しつくされて成長の余裕もなく、できるのはせいぜい米や野菜、果物等の農作物…あるのは高齢化が進む人材だけ…の国に対し、ミサイルの脅しで何を要求するのか?もっと言うと、どこぞの国がそんな日本を、海を越えて軍隊派遣し、「侵略」してなんの得があるのか?
 ある程度実行支配ができている場所に「侵略するでゲソ」と言って簡単に「ハハァ~」となるわけではないことは、誰にでも簡単に分かる(分からないのはイカ娘だけ)…軍隊を派遣し、占領し、行政府をつくり、行政官を派遣する…ネトウヨさんが良く言っているように「朝鮮半島を植民地にして、日本は朝鮮半島に金を持ち出す羽目になった」ということが関の山である。それほど「占領」→「軍事支配」というのはコストがかかる。そこから得られる有形無形の利益が膨大でない限り、はっきり言って、日本が「非武装」でいても、日本をわざわざ攻撃してくる国なんぞないと、断言できなイカ

 非武装になった日本に「北朝鮮がある日突然ミサイル撃って来る」なんてのは、荒唐無稽だろう…北朝鮮が日本から得たいのは「経済援助」であり、ミサイルなんぞ撃って日本経済を破壊してしまえば、全く意味がなくなるからだ(それにミサイル撃たれて「ああそうですか」と経済援助するAFOもおらんやろう)

 非武装になった日本に、中国が太平洋進出のための基地をおかせてくれと「条約」を結ぼうとするかもしれない…だが19世紀と違って、それをミサイルなどの脅しでやろうとすれば、明らかに国際社会は反発する(ネトウヨさんの言うように、世界の多くの国が「親日」なんだから)…すなおに突っぱねておけば良い。

 EEZ拡大のために、中国が日本の無人離島を「いきなり」軍事占領するかもしれない…それはあり得るかも知れない…それを撃退するくらいの「軍事力」は持っておいてもよい…だがそれは、現在のアメリカといっしょに「戦争ができる」軍隊を維持するよりは、はるかに安くつくであろう。

 ああ、日本に生まれて、よかったなぁ~周辺国と摩擦さえ起こさない「外交」が出来れば本当は軍事力に金をかけずにすむわけだから

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かくめいのための理論」カテゴリの記事

コメント

日本を軍事占領する意味はないでしょうけど、離島を占領する経済的•軍事的な意味は十分あると思います。

その場合に自衛隊の基地をミサイルで攻撃しようとするのは必然かと。
従って、米軍基地のあるなしにかかわらずにミサイルで攻撃されることはあり得ることと思います。

また、戦争が発生する原因の一つが国内問題の解決であることは、帝国主義国家日本の満州侵略からも明らかです。
ならば、「スターリン主義国家」(笑)が国内矛盾の解消のために戦争を起こすことに何の不思議があるのでしょう?

投稿: BM | 2014年12月18日 (木) 23時55分

追記。

元共産党?の軍事評論家の古是三春(ミハイル•フルンゼ?)氏の言うように、自衛隊は日米安保なしでも独力で中国軍を撃退出来るとの見解もありますが、隣国が経済成長に伴って急速に軍事力をたかめつつある現状を見ると、それは過去の話になりつつあると思います。

投稿: BM | 2014年12月19日 (金) 00時07分

>それをミサイルなどの脅しでやろうとすれば、明らかに国際社会は反発する。

 へー。あるみさんって、アメリカが国際社会の反発があれば武力行使やめると考えてるんだ。アメリカも国際社会の反発があったら戦争止めると思ってるんだ。アメリカが石油利権を毟り取ったのも、戦争やってるのも、国際社会が認めてるとおもってるんだ。

え、違う?じゃぁアメリカにできることが、中国にできない理由を教えてくれw

戦争ってのは、突き詰めれば損得勘定なんだよ。
戦争によって収奪できる利益が戦争とそれに伴う損益を上回れば、戦争は行われる。

だからアメリカは戦争をやめない。中国も同じ考えだからこそ、軍拡を推し進める。

 場合によってはルーズベルトが計画したラニカイ号のようなペテンを仕掛けた上での奇襲もありえる。動機づけやネタなんていくらでも捏造できる。
勝ってしまえば、それが真実になるからな。

そして非武装なんてアホの極み。
絶対に殴らない相手なら、どんどんカツアゲするわ。当然だろ?反撃しないなら、どんなに恨まれても憎まれてもこっちに被害はないんだからw

事実そうやって竹島は奪われ、漁民が殺されても文句を言えなかった。尖閣沖の施設も、日本が抗議したら「軍艦を出すぞ」と脅されて、どうしようもなくなった。
ここで非武装?w
俺は殴られるぐらいなら人を殴るね。人を殺すくらいなら死ぬ、という精神は嫌いじゃないが、俺たちを巻き込まんでくれ。

投稿: ROM人 | 2014年12月19日 (金) 21時04分

というか非武装ネタなんて、無防備マン以来でなつかしいわ。

イラクのフセインは国連査察団を受け入れて、武器工場開示したのにあの扱いだぞwフセインも武器を完全に捨てていれば、アメリカからの武力制圧は無かったとでも言うのかねw

投稿: ROM人 | 2014年12月19日 (金) 21時11分

BMさん「魚釣島(尖閣)」のような係争地ならともかく、国際的に「実効支配」が認められている所に、わざわざ「侵略国家」の汚名を来てまで占領するような離島が、日本にはあるのか?ということです。
また「国内問題の解決」のための戦争ですが、「満州事変」は明らかに日露戦争後に得た日本の権益を、民族意識に目覚めた中国が取り戻そうとしている、いわゆる「満蒙問題」解決のためが主目的であり、国内の過剰人口云々はあくまでも二の次です。
国内の不満をそらすための戦争としては、「イラン・イラク戦争」があると思いますが、これもアメリカがイラクを使ってイランの「革命政権」をつぶそうという「国際政治」の中で起きています。

投稿: あるみさん | 2014年12月21日 (日) 15時27分

ROM人さん、私のブログをもう少しゆっくり読まれてはどうでしょうか?>あるみさんって、アメリカが国際社会の反発があれば武力行使やめると考えてるんだ。
私のブログに、アメリカが戦争を起こさない、アメリカの戦争を止めさせる…というようなことは一切書いてませんね。あくまでも「敵国」についてのみ書いている…その「敵国」は「アメリカ」の作った国際秩序の下でしか動けない…だから「国際世論」とかに明らかに反する行為は、アメリカのように「無視しては」起こせない…ということです。
で>戦争ってのは、突き詰めれば損得勘定なんだよ。 戦争によって収奪できる利益が戦争とそれに伴う損益を上回れば、戦争は行われる。
ということを述べているつもりなですが…すなわち非武装・非同盟の日本に戦争をしかけても、「収奪できる利益」なんかあるのか?ということです。もし「在る」とすれば具体的に教えていただければ、幸いです。

投稿: あるみさん | 2014年12月21日 (日) 15時36分

>国際世論
つまり国際世論はアメリカが作っている、と言いたいわけか。ならもっと性質が悪いな。
日本と中国を天秤にかけて、日本を用無しと考えれば中国は日本を攻められるってことなんだが。
たとえば、基地を造ろうとして大反対、妨害されることに辟易した、とか。

>利益
仮に日本全土を手中に収めた場合、西大西洋の制海権を強化できる。フィリピンの米軍を除いて敵がいないからな。加えて日本を落したという事実をもって、東南アジア諸国に圧力をかけることが可能。
制海権は広がる一方で、漁業、資源、奪いたい放題できる。
特に漁業権はでかい。日本の漁獲量をゴッソリ奪えるってのは、相当の利益になる。

加えてアメリカに対しても軍事的に強気に出れるので、関税、輸出入の面などでの恩恵も大幅に上がる。


何よりも大きいのは技術だ。
たとえば軍用機のステルス塗装、リニア、現状で世界唯一の第四世代型戦車。
IT関連はアメリカよりも下だが、物理的な技術は未だに世界の頂点にあるからな。

まぁ実際は陸海空の自衛隊がいるからこそ、防衛時の損害による損失、場合によっては米軍の介入もあるから侵攻が行われてないだけで。非武装で軍備が無いなら即効で占領されるにきまってるわ。

相手はあんなチベットの山奥ですら占領する国だぞ。
目の前に世界有数の経済大国が無防備に放置されていたら、何もしないとでも思ってるのか?

投稿: ROM人 | 2014年12月21日 (日) 22時35分

ところでROM人さん、非武装(軽武装)でかつ「侵略戦争はしない!」と宣言した(と仮定する)日本に、現在のアメリカ帝国主義と同じような基地権益(これについては、別途項目を作って述べたいと思います)を持とうとするのは、やはり大変なことだと思いますよ。一番簡単なのは「条約」等を結んで中国軍が駐留するというのが「闘わずして、勝つ」孫子の兵法を生み出した中国にとってもっともいい方法なのですが…日本がそのような「条約」を結ばない、と言った時に、「ミサイル」による脅しや「軍の渡海作戦(この能力は現在の中国にはほとんどありません)を行って全土を征服することは、非常に難しいですし、そのための「大義名分」も必要です。
チベットの場合、辛亥革命のドサクサでチベットは「独立」したそうなのですが、残念ながら中国本国はそれを認めませんでした…国民革命の進呈や共産党との内乱で、チベットを「実効支配」することができなかった…それをとりもどそうとしたのが「チベット侵攻」の「大義名分」です。
 日本に中国の基地を置かせない…ケシカラン、攻撃しろ、線量しろ…という「戦争」をしかけるための「大義名分」はどうやって作るのでしょうか?
 むしろそのような「大義名分」を作らせないような「外交」をするのが、日中に求められているのではないでしょうか?

投稿: あるみさん | 2014年12月23日 (火) 21時08分

>「大義名分」を作らせないような「外交」
それは当然。だが大義名分なんて作れるんだよ。

たとえばメイン号事件。爆発原因がわからないのにスペイン軍のせいにして戦争を仕掛けた。

たとえば第二次大戦。真珠湾攻撃で使われることはなかったが、ルーズベルトはイザベラ号、ラニカイ号、モーリ。ムーア号という老朽船を日本軍に嗾けて先制攻撃をさせようとした。

侵略戦争をしない?無防備宣言したドレスデレンなんて「軍の気を引くため」という理由で爆撃されたぞ。

そして米国嫌いなあるみさんが、トンキン湾事件を知らないわけはあるまい?

自国の軍艦や民間船に魚雷をぶち込んで、日本軍が隠れて軍備を整えている、と言うだけで大義名分なんて得られるんだよ。
そうならないように仕向けるのが政治だが、同様にそのような策略があった場合に備えるのが軍備だ。

あるみさんの思想は戦前日本軍と一緒。被害を受けないような努力はするが、被害を受けた場合に最小限にとどめる努力が無い。
それがどういう結果になったか、なんて今更言う必要もない。

軍備とは「戦争が起きないようにする」面もあるが、同時に「戦争になっても大丈夫」とするためのものでもある。

投稿: ROM人 | 2014年12月24日 (水) 23時07分

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