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日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか(まとめ編)

 ここまで長々と書いてきた…書ききれなかったところも多くある(例えば、アメリカ国務省は沖縄の「占領」をといてから日本に返還すべきと考えていたが、国防省のほうがそれを認めず、結局「天皇メッセージ」によって沖縄に米軍が駐留したままの状態になってしまったことなど)…とりあえず筆者の考えを要約すれば
 「だから私たち日本人の知らないところで、在日米軍基地と憲法9条2項、そして国連憲章の『敵国条項』の問題は密接にリンクしている。このうちどれかひとつでも問題を解決しようと思ったら、必ず三つをセットで考え、同時に解決する必要がある。」(p272)
 そのためには、戦争放棄条項のあるフィリピンやイタリアに学び、国連中心主義の立場をあきらかにすること。「9条2項」については、徹底的に議論し、国連憲章本来の精神に基づき、専守防衛のしばりをかけた最低限の防衛力をもつことを決める。そして「なによりも重要なのは、そのとき同時に、今後は国内に外国軍基地をおかないこと、つまり米軍を撤退させることを必ず憲法に明記し過去の米軍関係の密約をすべて無効にするということです。」(p274)日米原子力協定のようなものも、同様にすれば良い・・・ちなみに「戦後史の正体」を書いた孫崎享氏は、日米地位協定の改定問題において、日米安保条約を一旦破棄し、それと同じ条約を再度結んで、その時に対等なものに改める…というよりソフトな案を取っている。
 「重要なのは『安保村』の歴史と構造を知り、1945年の時点にもどったつもりで、もう一度周辺国との関係改善をやり直すこと。そして米軍基地と憲法9条2項、国連憲章「敵国条項」の問題を、ひとつの問題としてとらえ、同時に解決できるような状況を作り出すこと。それは過去70年のあいだにドイツが歩んだ道に比べれば、はるかに楽な道となるはずです。」p278~279と結んでいる。要するに「戦争責任問題や戦後補償問題をもう一度真摯に取り組みなさい」ということだ…こんな「戦後レジーム」からの脱却は、とうてい今の安倍政権・自民党、そして保守を名乗る連中には出来ないだろう。(「ネトウヨ言論」の類いなんて、アメリカの「占領体制」には文句が言えないから、中国や韓国を貶め、悪口を言っているだけにしか過ぎない…「民族派右翼」みたいに「ヤルタ・ポツダム(Y・P)体制打破!」とでも言ってみろsign02
 ちなみに、現憲法の「象徴天皇制」については、筆者は左翼でなくリベラルかつ現天皇・皇后を大いに尊敬しているとのことだそうだが「天皇制自体は、もっと政治から切り離さなければならない。文化的象徴・精神的象徴の枠内にとどめ、そのなかで、むしろ皇室の方々の人権(言論の自由、思想信条の自由、婚姻の自由、職業選択の自由など)を保証していかなければならない」(p284)とあとがきで述べている。天皇家が「生き残る」ために、政治勢力に「利用」され(あるいは逆に「天皇家」から積極的に働きかけ、トンでもない「戦後安保体制」をつくってしまったことからの「反省」もあるのだろうと、私は思う。

 いずれにせよ、現行憲法の根幹はのこしつつ、国連憲章の理念に基づいた「より良い憲法」を、自分たちの手で作ろう!ということに最後はおちつく…これには当然「安保村」の激しい抵抗があるだろうから、そのような政治的勢力による「革命的」な政変…選挙を通じたものであれ…が必要となる。
 ここで「革命的左翼」からこの「政変」を観てみよう・・・じつはこの「綱領」にいちばん近い所にあるのは「日本共産党」である。日本はアメリカの「属国」であると規定し、安保条約は廃止して日米友好親善条約(だったかな?)にする。今の所「護憲勢力」ということになっているが、「自衛隊は活用する」としており、必ずしも全面的に反対しているわけではない…「社会主義革命」ではなく、とりあえずは「民主主義革命」を目指している。と、すると、この本を読んで「もっともだ、日本の主権を取り戻さなければならない!」と思った人は、日本共産党を支持すればよいだろう。(だたし「日本共産党」はもともとソ連スターリン主義の指導の下に結成された党であり、その体質は恐ろしく「非民主的」で「中央集権的」かつ「セクト的」である…まあ個々の「活動家」の中には立派な人やまじめな人もいるのだが、どんな「党派」でもそんなモンである)
 

 「革命的左翼」は違う…確かに日本の主権はアメリカの属国で「天皇を中心とした傀儡政権」であるかも知れないが、今や世界5位の軍事費を使う「帝国主義国家」であり、自らの「利害」のためにイラクやインド洋、ソマリア沖に派兵し、アフリカのジプチには基地さえ持ってる。「国連」も「安全保障理事会」は、5大国(米帝、英帝、仏帝、ロシア、中国)の利害のために最終的に動く…ドイツも「帝国主義国」として見事復活をとげ、NATO軍としてユーゴ侵略やアフガン侵略に兵を出している…この世界体制をぶっこわさなければならない(ここだけ書くと、「民族派右翼」のいう「Y・P体制打破!」と同じになってしまう…だからけっこう話があったりもするわけだhappy01)…じつはこれをぶっこわすには「第三次世界大戦」か「世界革命」で現行体制を倒すしかない…「革命的左翼」は後者の立場を取るわけだ。
 ところが、「世界革命」というのは一種の「世界征服」みたいなモンだから、一朝一夕にできるものではない…ところが現在資本主義体制がゆきづまって「新自由主義政策」をとり、実態経済を押しのけて金融資本が利潤を求め、世界を荒らしまわっている…ここが「世界体制」をひっくり返すチャンスでもある。
 とりわけ「日本帝国主義」は、「アメリカ帝国主義」の軍隊の後立てが無ければ崩れ去ってしまう…とりわけ「自衛隊」という軍隊(特に海上自衛隊)は、アメリカ軍に従属するように作られてきた歴史を持つ…憲法はともかく、「国家の暴力装置」も自前のものではないのだ。だから、「沖縄米軍基地問題」や「原発問題」で民衆が騒げば騒ぐほど、日本帝国主義…日本の資本主義…は危機に陥る。他の帝国主義国家も、やがて危機に陥って、民衆が「革命的」に動き出すであろう。そこに、「資本主義」を終わらせて次の社会を作り、諸国民と平和で対等な関係を築きだすための道がある…こう考えるのが「革命的左翼」である。

 とはいえ、まだまだ「革命的左翼」の勢力は弱い…こういったリベラル派の認識も取り込みつつ、組織と運動を構築していかなければならない…というところから始めないといけないのも、また事実である・・・さあ、みんなはどう「頑張るかvirgo

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