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反政府・民族解放の武装闘争の原則

 さて、アルカイダにしろ「ISIS」にしろ、おおもとは「西欧帝国主義(+ロシア)」からの新植民地主義的侵略への抵抗運動であり、それが「イスラム主義」を掲げたうえで歪曲したものである。
 「(新)植民地独立運動」にあたって「武装闘争」を行う場合の大原則は「人民の支持を得る」ということだ…だいたいそういった「武装闘争」はゲリラ・パルチザン戦争になり、他方、相手は軍事大国の最新の武器で武装して襲い掛かって来る…「人民」の中にまぎれこみ、守ってもらいながら闘争をしないといけない。
 だから「本来の敵」である「敵軍」には徹底的に軍事力を行使するが、いっしょに暮らす人民や、たとえ「敵国」から来た人間であっても、むやみやたらと銃を向けることは許されない。

 このような「武装闘争」の基本に忠実だった事例を2つ上げる…一つは「抗日戦争」時の中国共産党軍(八路軍・新四軍)であり、もう一つはベトナム戦争における「南ベトナム解放民族戦線」である。

 八路軍は有名な「三大規律八項注意」という軍規の中核を制定した。

。三大紀律:

  1. 一切行動聴指揮(一切、指揮に従って行動せよ);
  2. 不拿群衆一針一線(民衆の物は針1本、糸1筋も盗るな);
  3. 一切繳獲要帰公(獲得したものはすべて中央に提出せよ)。

八項注意:

  1. 説話和気(話し方は丁寧に);
  2. 買売公平(売買はごまかしなく);
  3. 借東西要還(借りたものは返せ);
  4. 損壊東西要賠償(壊したものは弁償しろ);
  5. 不打人罵人(人を罵るな);
  6. 不損壊荘稼(民衆の家や畑を荒らすな);
  7. 不調戯婦女(婦女をからかうな);
  8. 不虐待俘虜(捕虜を虐待するな)。

 ま、要するに旧軍閥の軍隊、さらには国民党軍や日本軍がやりまくっていた暴虐な軍隊にならない…ということだ。
 八路軍の捕虜になった日本兵は、ケガの治療を受け、米飯の日本食が与えられ、丁寧に遇されたという…「あなたはなぜこんな遠くまで来て、戦わなければならないのですか?」という「教育」まで施され、ある日村々の「農民リレー」によって、元いた部隊に返される。ただそんな部隊に返された「日本兵」は「捕虜になった」という罪をきせられて、次の戦闘の時は最前線に立たされたという…
 

 南ベトナム解放民族戦線も大体同じような作風であった。捕虜は丁寧に扱い、米軍や韓国軍等のように村々を焼き払ったりせず、ゲリラ戦を続けていった…そして両軍とも「最強」であった日本軍や米軍を最終的に打ち破ったのである。

 ところが、アフガニスタンに侵攻したソ連軍に対する「ムジャヒディン」達は、そうではなかった…もっとも彼らも「ゲリラ戦」が主体だから、「住民への暴力」は最低限におさえていたであろうが、捕虜になったソ連兵は「残虐に」殺され(中には「捕虜交換」のツールとして生かされた人も居たが…)、また「アフガン解放」のための「統一戦線」ではなく、それぞれの「民族(部族)」がバラバラに立ち上がるという方式であった・・・そのためソ連撤退後も内紛が続き、それを排するための「タリバン政権」が立ち上がったわけである。

 八路軍や解放戦線のように、「本来の民衆解放の思想」たる共産主義・・・ただしこの時点ですでにスターリン主義に変節していたが・・・の理想を掲げ、それをちゃんと実践した「武装闘争」なら、「国際共産主義運動」をはじめ世界の多くの人々から「支持」もされるわけだ…八路軍はエドガー・スノーの「中国の赤い星」で世界に紹介され、また解放戦線は日本の朝日新聞記者、本多勝一の「戦場の村」他で世界に紹介された…世界の多くの人々が、中国の抗日戦争を支持し、また南ベトナム解放民族戦線を支持してきた。

 潮目が変わったのは「ソ連のアフガン侵攻」で「共産主義(実はスターリン主義)」が、「本来の民衆解放の思想」ではなかったことが明らかになったこと、そしてその本家ソ連が「崩壊」してしまったことだ…中東・北アフリカ等で「民族解放、新植民地支配」を掲げて闘う思想的バックボーンは、もはやイスラム教だけになってしまったのだ。・・・その中から「西欧(キリスト教)VSイスラム教」という考えが広がり、やがて極端な「原理主義(ただし「原理主義」といっても様々で、「暴力」をどこまで肯定するのか?というところからしてイロイロ違う)が生まれる・・・それがより極端になったものが「アルカイダ」であり「ISIS」なのだ。

 本当の「テロとの戦い」とは、「民衆解放の思想」たる「共産主義」からスターリン主義の垢を落とし、もう一度「三大規律、八項注意」の精神に帰った「対帝国主義(武装)闘争」を復活させることなのである。

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かくめいのための理論」カテゴリの記事

コメント

 中東系は主義云々以前の問題として、根本的に宗教が一神教ってのがでかい。異教徒=敵、という思想が根底にあるからな。

とりあえずツッコミどころが相変わらず。

>「本来の民衆解放の思想」たる共産主義
満州での出来事は完全スルーかw悪辣非道を行ったのはソ連軍だけじゃないぞ。
あとは内戦の時に、ダムを爆破して都市の電力奪い、脱走する奴は方端から射殺する兵糧攻めもやってるが。住民を十万単位で餓死したんですが。
これが武装闘争の基本かw


>南ベトナム解放民族戦線
フエ事件……


当時のアメリカは今ほどに報道介入してなかったから、虐殺がそのまま流れた。一方でソ連側はガチガチの報道規制だから虐殺が報道されなかった。
共産主義者は聖人君子で殺戮なんてしない、みたいな報道を、日米などの報道会社に入り込んだ赤色シンパにやらせただけって話なんだがw

投稿: ROM人 | 2015年1月27日 (火) 21時34分

チャーズ(長春「兵糧攻め」)や、「テト攻勢」時に行われた、スターリン主義の「負」の歴史の一つですね…ま、フエ事件は現在のベトナム政府も認めているようです。「チャーズ」については、やはり中国政府は「反省・自己批判」しなければならないでしょう。
ま、「例外」があるからといって「原則」が無かったわけではないわけですからね。

投稿: あるみさん | 2015年1月29日 (木) 21時14分

都合が悪いと例外扱いにできるって素晴らしい思想だなw

通化事件も例外。
連携していた一路軍の普天堡襲撃も例外。
ある程度資産がある連中は「富農」として人民裁判にかけたのも例外。
富裕層を拉致して身代金を奪っていたのも例外。
山田勝治氏の証言も例外。
ラルフ・タウンゼント著「暗黒大陸 中国の真実」も例外。

いやー勉強になるわぁ。
俺はそれを「有名無実」とか「羊頭狗肉」とか言うものだと思ってたけど、「例外」って言えば良いのかぁw

結局左翼は虐殺なしの革命を成功させた試しがないってことだな。毎度毎度革命する度に虐殺やっておいて
「今こそ革命を!」
って言われても、そりゃぁ誰もついてこないわw

 そして実際、日本の左翼も思いっきりテロしまくった過去もあるし、現在の暴力事件で逮捕されてるしばき隊やらもいるわけで。
 さらに言うなら、自分たちに対する糾弾を差別と言いながら、反対意見を「ネトウヨ」として糾弾する態度から、過去の反省なんて全くしていないことがうかがえる。

あえて言うなら「信用」が致命的にかけてるんだよ、左翼思想は。それでも右側のように「思想」ではなく「資料」で訴えるなら、その欠点は解消できるが、結局感情論と思想しか主張しない。

今回のネタなら、実際の捕虜の死者数、軍の規模と虐殺の比率、戦争終了後の経済復興の手腕などの数値を、他の勢力と比べて
「ほら、共産主義革命は虐殺も少ないし、復興も早いでしょ?」ってやるべきだ。


でもあるみさんは思想を語るだけで、実際の被害の数値、統計、第三者の資料を全く持ち出さず、「これって素晴らしいでしょ?でしょ!?」と言うだけ。
実際にどれだけの経済効果や、どれだけの人命を救ったのかにはまったく触れない。
さらに都合の悪いことは「例外」として見ないふり。左翼見てるのに、なんか、旧軍部の無能連中を見てるようだわww

ま、そんな杜撰な連中だから、革命も成功せず、平和な日々を過ごせるのだから、感謝すべきなのかもしれんなぁ

投稿: ROM人 | 2015年1月30日 (金) 22時27分

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