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道徳教育より、有権者教育だろ!

 いちいち報道の引用はしないが、選挙権を行使できる年齢を18歳に下げる法案が提出され、今国会で通過確実・・・ということだそうな。「憲法改正」のための「国民投票法」が18歳からの投票出来るようになっているため、様々な「成人年齢」の規定を合わせようということもあるし、少子高齢化による「高齢者偏重」の選挙権を、若い世代にシフトさせるという位置づけ、穿った見方では「若者が右傾化」しているから、自民党が改憲も含め「若者票」を集めたいという思惑を指摘する意見もある(私は「若者が右傾化」しているかどうかは判断つきかねる…「在特会」やネトウヨの主力は「中高年」だし、左右どちらの「運動」にも若者の参加はちらほらと見られるからだ)
 一方、道徳教育を教科化し、「評価」も行うようにするという報道も見られる…しかし、「道徳」の評価なんかはたして出来るのだろうか・・・そもそも何が「道徳的」なのかということは、社会のあり方や意識によっても変化するものだ。例えば私が子どもの頃、タバコの吸い殻は投げ捨て放題で、駅に行ったら線路に沢山吸い殻が落ちていた…今は「喫煙」そのものが社会的に忌避される傾向もあって、「タバコは決められた場所で吸う」ルールが定着し、吸い殻がそこらへんに落ちているということは無い…しかし道路や公園には、時々ゴミや吸い殻が落ちていたりする。なるほど、これぐらいのことは「学校」で教科化して教えるのではなく、学校生活や社会生活の中で、自然と身に着けてゆくものだ。「それが出来なくなっているから、教科化するのだ!」というのであれば、実は社会や学校(「社会の縮図でもある」)がオカシイのであって、それを根本的に直していかなければならない。大人のそうゆう姿を見て、子どもは育つ。
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で、出所は良く分からないが、出回っている表…人物を教えることで「こうゆう徳目」を教えよう!と文科省あたりが作ったものだと思うが・・・もう突っ込みどころ満載だsign03 先日「アパルトヘイト擁護」コラムを書いた曽野綾子を教えて「誠実」を教える…これだけですでにアウトなのだが、「二宮金次郎」は「勤勉」であったとは思うが(歩きスマホの前例、薪を背負って本を読むのは危険です^^)、他方、「百姓一揆」などには反対の人物であり、当時の権力者は「都合の良い」人物であったわけだし、「松下幸之助」は「商売」は上手いかもしれないが、ぶっ壊れるヒートポンプチラーを売りまくり、カラーTV二重価格問題等を起こして消費者に開き直っていた人物である。それを教えて「感謝」かよ…「孔子」は紀元前の中国における道徳体系を「儒学」という形でまとめ上げた思想家であって、「寛容」というのとは違う。 
 石川啄木はあのまま生きていればおそらく「プロレタリア文学」方面に進んだであろう人で、「愛郷心」だけ取り出すのは???である。
 最も評価が難しい(ゆえに「偉人」でもあり、興味深い人物でもあるのだが)のは、現在NHK大河ドラマに出てくる「吉田松陰」であろう…「世の中を変革」するため「過激思想sign01」を地元長州の若い連中にアジった(良質な「教育」をした)、世界を知るため「密航」を企て、失敗すると「幕府の役人」に自首して自ら牢屋に入る…「松下村塾」の門下生からも「あまりにも過激すぎる!」と見はなされ「僕は誠意を成すつもり」と開き直る…最後は軽い嫌疑で幕府にとらわれたものの、幕府役人に訊かれもしない自分の「危険思想」「老中暗殺計画」をベラベラしゃべって、「安政の大獄」で生涯を終える(変なことをしゃべらなければ、まだまだ「活躍」できたかもしれない)・・・すっげえ危険な「誠実」だvirgo

 ま、ある人物のある特定の面だけ取り出して、都合よく教え「道徳教育でございます」なんてやるより、18歳になったら「選挙権」が行使できる・・・そのための基礎をまずしっかり高校までに教えておく必要がある。当然、その元になるのは「日本国憲法」であり、「国の仕組み」だけでなく、「人民の権利」についてきちんと教えておかねばならない。もちろん、この「有権者教育」は選挙だけでなく、社会に出て理不尽な働かされ方をした場合、労働三権を行使して闘うとかいうことも含む。なんとはなしに社会に放り出されて、「選挙権を行使しよう!」と若者に言っても、「笛ふけど踊らず」ということになりかねない。

 さて、私の話で恐縮であるが、小学校6年の国語の教科書に、田中正造と足尾銅山鉱毒との闘いがとりあげられていた。授業の最後に担任の先生が「田中正造の生き方とは?」という問いかけがあって、みんなよく答えられなかったことがある。単位に「世の中に尽くした」「良いことをした」というのでは答えではなかった…担任は「自分に嘘をつかないことだ」と言った…もちろんこの評価は「正しい」と思うが、当時は分からなかったし、田中正造だってよく調べれば、様々な「側面」が見えてくるだろう・・・以上、蛇足の話。

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