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海原雄山、怒りの言葉(後編)

 さて、昨日に引き続き今度は「美味しんぼ 111巻 福島の真実」編から…
 「ひでじい」が取ってきてくれた山菜(ちなみに作品中では、検査されて「安全」とされたものは食べる。福島の人が出してくれたものは「自己責任」で食べる・・・という取材ルールであった。)料理を食べた後の言葉
「しかしひでじいがせっかく採ってくれた山菜を食べるみんなの心には、ためらいがあり腰が引けていた。心温かくわれわれをもてなしてくれるひでじい、美しい山、さわやかな山菜。何一つ欠けるもののない素晴らしさだ。それなのにどうしてみんなの心はこわばってしまったのか。それはこの美しく豊かな福島の大地を、目に見えぬ凶悪なものが覆っているからだ。この凶悪な存在が福島の大地を深く傷つけ、人の心を凍えさせる。これが福島の真実だ。」(p87~88)

文部科学省が出した放射線に関する副読本が、放射線の影響の深刻さを伝えていないことを取材した後の言葉
「原発安全神話が崩れたから、今度は放射線安全神話を作る気だ。」(p112)

空間線量が低いものの、生産物に放射線が検出される食品があることを知ってからの言葉
「問題は、幸運にも山に囲まれて放射性物質の直撃を避けられて、安全とされている古殿町の生産物でも、食べるか食べないかは自己の責任で判断することを要求されるこの事実だ。」(p155)

試験田でせっかく栽培した米を、自ら収穫することなく、農協が刈って捨てざるを得なかった話を聞いた後の言葉
「あちこちで人々の生き甲斐が奪われていっている。これが福島の真実だ。」(p728)

東電の案内で福島第一原発の「収束作業」現場を取材した後の言葉(撮影した写真は一旦「東電」に押収され、大多数の「セキュリティー問題に関わる」写真以外の、30枚ほどしか返してもらえなかった・・・だから「言葉」で伝えたのだ)
「一番の印象は、破壊の程度が想像をはるかに越えていて、それに対する処置がすべて応急処置でしかないことだ。汚水処理施設ができないから、汚水貯蔵タンクは増えるばかり。そのタンクも2、3年の寿命で、汚水を運ぶ管は雑草が穴を開けてしまいそうな柔な材質だ。そして使用済み燃料を入れた貯蔵プールがむき出しのままの4号機(注・・・4号機燃料取り出し作業前の「取材」です) 1号機から3号機の燃料はメルトスルーして、今どこにあるのかも分からない・・・」(山岡)「この状況で根本的な処置ができるはずがありません。」(p236~237)

例の「鼻血」事件の後、井戸川元町長や医療関係者と「低線量被曝」問題について語り合った後の言葉
「放射線の被害というとガンのことばかり取りざたされるが、政府は体のあらゆる症状について予見を持たずに調査すべきだ。」(p248)

双葉町の、学校を改築?した避難所(仮設住宅)を取材してからの言葉
「あの方たちの平和な生活を奪った東電と国は、あの方たちの人の良さ、我慢強さをいいことに何も責任を取っていない。

 飯館村から北海道に「移住」して、なんとか酪農で生計をたてることが出来た人の話を聞いた後の言葉
「井戸川前双葉町長は、福島県の外に出ろとおっしゃる・・・・・だが、放射能に対する認識、郷土愛、経済的な問題など、千差万別の事情で、福島を離れられない人も大勢いる。今の福島に住み続けて良いのか、われわれは外部の人間だが、自分たちの意見を言わねばなるまい。」(山岡)「自分たちの意見を言わないことは、東電と国の無責任な対応で苦しんでいる福島の人たちに嘘をつくことになる。」(p273~274)

そして最後・・・山岡士郎が父、海原雄山の出した「問い」に「・・・・福島を守ることは日本を守ることだ。であれば俺の根っこは福島だ。」という答えに満足した後の言葉
「福島に住んでいる人たちの心を傷つけるから、住むことの危険性については言葉を控えるのが良識とされてる。だが、それは偽善だろう。低線量の放射線は安全性が保障できない。国と東電は福島の人たちを安全な場所に移す義務がある。私は一人の人間として、福島の人たちに、国と東電の補償のもとで危ない場所から逃げる勇気を持ってほしいと言いたいのだ。」

雄山の言葉全てに「賛同」できない人が居るかもしれない・・・しかし「福島の真実」を知らない限り、いくら「福島と連帯して~」と言っても、難しいだろう・・・そのための「素材」として、私はこの漫画を推奨し、雄山の「怒りの言葉」をここに綴ったvirgo


 

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