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リニア中央新幹線はできるか?

 こんな記事を見つけた…マスコミ最大のタブー「リニア中央新幹線」問題に迫る! 「陰の財界総理」こと葛西敬之・JR東海名誉会長の正体とは?~岩上安身によるジャーナリスト・樫田秀樹氏インタビュー

 中身はかなり長いので紹介は省く…とりあえず「工学的」には、南アルプスの長大トンネルを掘ることができれば、「リニア中央新幹線」の建設は可能であろう。  しかし、そのためには莫大な建設費の高騰と、工期の延長が必要となるであろう。  単に「トンネル」を掘る技術は、1980年代に「NATM(ニューオストリアントンネルメソッドの略)」工法が採用されてから、随分技術的に進んだ。これは、「在来工法」がトンネルの「地山」を崩さないように、少しずつ区切って掘っていったものと違い、「トンネル地山」がそのまま自立するという理論にもとづき、吹き付けコンクリートやロックボルトを利用してトンネルを大断面で一気に掘る方法である。  これにより、トンネル工事で働く「坑夫」の数は激減し、今や6~8人ぐらいが、ドリルジャンボで穴をあけ、ダイナマイトを突っ込んで「発破」し、吹き付けコンクリートやロックボルト(必要があれ鋼アーチ支保工)などを立て込みながら、1日2交代で作業をしている。掘っているトンネルが「崩れて」多くの犠牲者が出た昔とは大違いの現場である。    また、長大トンネルでは、地下鉄トンネル工事等で使うシールドマシン(トンネルボーリングマシン…TBMという)を使って「先進導工」を堀り、それをNATM」で広げてゆく工法も採用されている・・・トンネル工事の現場技術の進歩は、80~90年代にかけて、ものすごく進歩した。

 しかし、破砕帯の多い「でかい山」のトンネル工事では、多くのトラブルが起こっている。  私の記憶に新しいところでは、北越急行の鍋立山トンネル工事である…せっかく掘っても山が膨張して、支保工がひん曲がり、「在来工法」でゆっくり掘らざるを得なかった。  高速道路では、東海北陸自動車道の飛騨トンネルで、TBMを使って掘っていたにもかかわらず、そのTBMが貫通残り310mで土圧のためにぶっこわれ、修復不可能となった事例がある。  このように、「でかいトンネル」の掘削には、必ず大きなリスクを伴う…ましてや相手は南アルプス…静岡ー糸魚川構造線の横にあり、どのような地殻変状をうけているか分からない…地山の「土被り」も大きいため、土圧がどのくらいかかるか分からない。トンネル掘削前の「調査」も、どのくら正確にできるかわからない・・・そんなトンネルを掘るのだ。  もちろん「青函トンネル」を掘った日本のトンネル技術陣である…お金と機械力・技術力と歳月をかければ、ほれないことはないであろう。  しかし日本は「資本主義社会」である・・・そのようなコストに、JR東海という一民間企業が耐えられるのか

 加えて、日本は「少子高齢化」を迎える…東京ー名古屋(大阪)間の需要がそれほど伸びるのか・・・来るべき「東海地震」の代替ルート作りなら、先日開業した「北陸新幹線」を素直に伸ばすだけで十分であろう。もちろん、「貨物ルート」も必要だから、「在来線」も安易に「第三セクター」として切り離すことをすべきでばない。

 「リニア新幹線」とは、リンク記事の指摘にもあるように、「神話」に基づいた無駄な投資ではあるまいか もちろん、事業主体は「JR東海」という、立派な「民間企業」だから、そこが「全責任」を追えばよいだけの話であるが、JRは「公共性」が高いということを理由に、「失敗」しても国が面倒を見る・・・というシナリオになる可能性も、十分にある…というより「新自由主義」政策というものが、大企業や大金融資本の「失敗」には必ず「国家」が税金で尻拭いし、一般庶民には「自己責任」を要求するものなのである。

 「リニア中央新幹線」が原発のごとく破綻する前に、JR東海を「粉砕」し、「新自由主義」社会を打倒しておかねばならないだろう。

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