祝!橋下打倒…ただし素直には喜べない
本来は月曜日にこの記事を書くつもりであったが、月・火と現場仕事が忙しくて、今日のエントリーとなった。
皆様ご存じの通り、17日に行われた「大阪市を解体して5つの特別区」にするか否かの住民投票は、僅差で反対派が勝利し、大阪市はそのまま残ることとあいなった。いわゆる「都構想」を引っ提げて政界に進出、巧みな弁舌(という名のペテン)や論理のすり替えで大阪府民をだまし続けた、「維新の会」の橋下大阪市長も、今のところしおらしく「任期が済んだら、政界を引退する。」と言っている。(しかし2万%ウソで出来ているこの男、いつ何時変な奴らに「かつがれて」政界復帰を果たすかも知れない…水に落ちた犬は、おおいに打つべきいう魯迅の言葉を忘れないでおこう。)
「維新」は江田代表が辞任し、松野瀬久氏が新しく代表になった…しかし「橋下」の求心力で持っていた党だから、党勢は落ち込むだろう。ホンモノの「維新」で例えれば、西郷隆盛が居なくなった薩摩藩みたいなモノか?党自体はよほどの特色を出さない限り、「みんなの党」よろしく衰退してゆくに違いない。
しかし今回の住民投票は、反対、賛成、棄権が、1:1:1に分かれたものだ。明確な意思をもって「橋下」的なものに「反対」した左翼層は、もっと少ないし、当初世論では「反対」が優位であったものが、「賛成」が拮抗しだしたのは、「デマ」であっても人海戦術でチラシを撒き続けた「維新支持者」(大阪府外からも、多く動員されていた)の働きが大きいだろう。「橋下的」なものに「左派」が勝利したとは、とても言えない…むしろプレカリアートさんの記事 にあるよう、自民党が分かりやすい「反対」のチラシを配っている。
橋下が一応「政界引退」を表明し、反対した自民党とかも「謙虚な態度」を表明したため、3つに分かれた大阪の世論を「ノーサイド」にして、「オール大阪」で新しく大阪を盛り上げてゆこう…という機運がうまれれば、それは結構なことであろう。だが「新しい大阪」像は、おそらく人それぞれ違うハズだ。当然、今回「共闘」した大阪自民党と、大阪共産党では確実に違う…数はわずかだが左翼勢力も違う。
気になるのは。「世代間対立」をあおる言動であるが、それについては大阪都構想を葬ったのは「シルバーデモクラシー」ではない で批判されている。まだまだ「若者」のほうが、70代の年寄りよりも多いのだ。
「世代間対立」をあおる元ネタとなったグラフがこれ である。
これは「出口調査」の結果であって、どの世代がどのくらい「出口調査」に応じたかが分からない以上、グラフから分析できる事柄はほとんどない…感覚的にしかものを言うことしか出来ない。
ただ、あえて私もここで「感覚」で言わせてもらうと、男性のほうが「賛成」が多く、30~40代が突出している…多分この辺の世代は、バブル前に正社員となった「勝ち組」とロスジェネ世代の混合である。ロスジェネ世代が「閉塞感」から「思い切った改革」に期待を寄せるのはともかく、「勝ち組」世代も実は「企業が勝つためには、どうしたらいいか?」ということを真剣に「考えさせられる」世代でもある…また「中間管理職世代」でもあって、「理不尽な上からの要求」にもなんとか頑ばって結果を出すことが求められる世代である・・・こうした「世代」は、いわゆる「新自由主義的改革」について親和性があるのではなかろうか?とも考える。いわゆる「意識高い系」だから、出口調査への回答も高い…そんな風に思うのである。
橋下・維新が「消滅」しても、「新自由主義政策」そのものは無くならない・・・それとどう対決していくか・・・が、左翼に問われているのである。
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