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やはり中国と戦争したい安部政権

一昨日ぐらいの報道から、「中国が東シナ海でガス田開発をガンガンやっている、これにレーダーとかが設置されると、日本への脅威になる」などのことが宣伝された。
しかし、油田やガス田のプラットホームに、レーダーやミサイル発射設備を設置しても、意味はない。そんなことはとっくに、中国海軍とかが艦艇でやっているだろうし、中国本土からもミサイルは日本に届く。
また、中国がガス田開発しているところは、日本と中国が主張しあうEEZの中間線の、中国側であって、国際法的にも何ら問題はないのである。
まさか、湾岸戦争の原因となったイラク・フセイン政権のクウェート侵略理由「わが国のEEZ内のガス田から、ガスを奪っている!けしからん!」というわけにもいかんだろう。そんなに資源が欲しければ、自国資本でリスクをとって、日本のEEZ内で資源開発をすればいいだけの話だ。もっともあの位置関係では、石油、ガス等は中国にもっていって精製するほうが、コスト的に有利である。なんだかんだいって石油の輸入国となっている中国で、ある程度の自給ができれば、石油価格も下落し、日本にとっても有利なハズである。
では、なぜここで「中国の脅威」をあおるようなヨタ記事がでてきたのか…ズバリ、「安保関連法案」への逆風をうけて、「日本の安全保障環境は、こんなに悪化してますよ」というプロパガンダに他ならない。
実際、この間の「安保法制改正」賛成論者の意見を、行間を読んでみると、中国の南シナ海での埋め立て行為や、それに対するアメリカの「弱腰外交(とはいえ、アメリカは南沙諸島等の帰属関係には、直接的利害が無い…ドンパチにならないよう、当事者同士で解決しなさい…小さな島々の領有権を巡って、中国とガチで戦争する気はないからね!というのが、本音だろう。)」をとりあげて、日米同盟をより強化し、中国包囲をする必用がある…そのために「集団的自衛権」を認め、アメリカの戦争に協力することで、対中国包囲にアメリカを引きずり込む必用がある…それが「安保法制」の本質なのに
「憲法論議」にふりまわされている …と説いている。
ただ、国会審議の場で、「仮想敵は中国」とか答弁すると、あっという間に対中国関係は悪化する。それはアメリカも認めないことである。だから安部や中谷は、「隣の家の離れの火事を消す」といった、愚にもつかない説明しか出来ない訳だ。
だが、東シナ海の魚釣島での領有権争いは、「個別的自衛権」で対応するものだし、そもそも棚上げ論を放棄して「尖閣国有化」を図ったのは日本側である。ということで、「シーレーン防衛」(ただしこれも、南沙諸島に基地モドキを作っても、軍事的には何の意味も無いことは、少し前にこのブログのエントリーに上げた)を口実に、南シナ海で中国と戦争を行うのが、「安保法制の真の目的」であると考えて、間違いは無い。

安部政権、自民党よ!参議院での議論では堂堂と「中国の脅威」「中国との戦争」を掲げて「国民への説明」をすればよい。たとえ対中関係が悪化し、それによって日本経済が打撃をうけようともだ。
おそらくそうした「反転攻勢」に安部政権は出るだろう。そこで「憲法守れ」「立憲主義を守れ」で盛り上がっている運動側のイデオロギーが問われる…「革命的祖国敗北主義」を掲げる、新左翼勢力の存在意義と運動の牽引力もまた、問われるだろう。

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コメント

安部政権が「中国の脅威」を煽れば、今の安保法制反対運動は確実にしぼむと僕は危惧しています。

日本にはびこる「差別意識」ゆえに、「中国の脅威」が一気に安保法制に「説得力」を与えることでしょう。「立憲主義」や「民主主義の手続き」なんぞ「差別意識」の前には無力です。

おっしゃる通り、「革命的祖国敗北主義」を今こそ訴えねばならないでしょう。「極左」を嫌う「シールズ」などがそれを受け入れる方策を真剣に考えなければ…

投稿: 常磐在来線主義者 | 2015年7月27日 (月) 00時30分

中国軍は善意の塊で、利己的なことしなくて、みんなアジア平和のための行動ですって言ったら、キ印の人確定だよね。
東シナ海のガス田開発は、共同開発の合意を無視してる時点で、好意的に解釈して軍事施設となるし、
固定の監視施設が軍事的に無意味なわけ無いじゃん。
南シナ海の埋め立ては、領土主張するためだよね。
誰がどう見ても、無理筋ごり押しで、周辺国をイジメまくってるよね、ここは都合上俺のものだ!ってね。

投稿: 酒うめえ | 2015年7月27日 (月) 09時02分

ただ、直近の「尖閣有事」は、憲法解釈を変えなくても、個別的自衛権で対応できちゃうんですね。ただ、そこにどうしても米軍を引きずり込まないと、勝てない…
米軍は、日中間の小さな岩礁の取り合いぐらいで、中国と事をかまえたくありませんからね。と、いうわけで、米軍のために恩を売っておく、そのために集団的自衛権
で米軍の後方支援をするべきだというのが、本音でしょう。60年安保終盤には一次ブンドは解体状態になり、「強行採決」という手続き論が、反対運動の主な主張になってしまった…これが60年安保敗北の原因の一つでしょう。
手続き論だけではダメで、やはり「革命的祖国敗北主義」を、どこまで掲げられるか?本当の左翼の運動と力量が問われるわけですね。

投稿: あるみさん | 2015年7月27日 (月) 22時38分

中国と戦争したくないから、強力な抑止力を持つのです、
尖閣に手ー出したら、日+米で痛い目合わすでーて言える、
中国君は、米が手を出さないと思うと分捕りにくる、
確信的な強盗、
スプラトリー取られたフィリピンは、その典型、
米も尖閣は、安保条約の適用範囲であると声明出して支援してくれてる、
日が集団的自衛権行使をスムーズに行使できるとなれば、
中国君は、絶対尖閣に手を出せない、つまり戦争回避できる、
まあ、米と仲良くしてれば、中国君が核の先制使用しても叩けるから、脅しがきかなくなって中国君打つ手無し、
めでたく戦争回避話し合い解決平和達成!

投稿: 酒うめえ | 2015年7月28日 (火) 06時44分

集団的自衛権と中国の脅威の関係性は、ってことですけどね。


>安部政権が「中国の脅威」を煽れば、今の安保法制反対運動は確実にしぼむと僕は危惧しています。

>中国と戦争したくないから、強力な抑止力を持つのです、
>尖閣に手ー出したら、日+米で痛い目合わすでーて言える、


例えば、集団的自衛権行使で中東やその他に多国籍軍、米軍の支援にいかないと、アメリカは、「中国が島嶼を占領した時、おめえの為に戦ってやんねえぞ」と日本政府を脅した、ってことがはっきりすれば、日本の世論は、上記のような考えかたで「集団的自衛権」は日本の防衛のために必須、との方向に向くと思うけど。そうはっきり日米政府は宣言するかな。

アメリカ大使館にメールやFAXで、「オバマさん、うちのアベッチになんて言って脅したの? 」ってみんなで聞いてみるってのはどうかしらん。

投稿: kuroneko | 2015年7月28日 (火) 11時37分

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