「展望」第16号 落合論文ダイジェスト(その2)
〔1〕世界戦争はすでに始まっている
① 日本の中東参戦の危機
イスラム国問題 帝国主義と新自由主義のあらゆる犠牲をうけているのはムスリム人民である。一番激しく闘っているのも中東・アラブのムスリム人民である。
勢力圏としても、石油とドル支配のためにも、イスラエルとサウジアラビアという世界でもっとも反動的な国家を支えている米帝をまず弾劾しなければならない。
安倍政権…「ISILと戦う周辺各国に、総額で2億ドル程度、お約束します」…イスラム国に対する事実上の宣戦布告。
米帝が主導するイスラム国を攻撃する有志連合への参加、イスラエルとの軍事協力
欧州や米国議会さえ反対したシリアへの攻撃について、安倍首相は1人、真っ先にオバマ支持を打ち出す〔日帝の「突出」である〕
今や日本は、米国と並んで中東・アラブ・イスラム人民の敵となった。
中東・アラブで追い詰められた米国は、日本の中東への参戦を要求する可能性がある。
② ウクライナで世界大戦が始まった
ウクライナをEUとロシアが争う将棋の駒のように見てはならない。ウクライナの労働者人民こそ主体である…ウクライナの侵略、大量虐殺、分裂の危機
最大の犯罪者は、米帝大ブルジョワジー…ネオナチ集団への援助、工作、対ロ制裁の主導、黒海への駆逐艦の派遣、ポーランドのミサイル配備強化
ロシア、プーチンも犯罪的…クリミアを最初から併合する意図で現地武装勢力を偽装したロシア正規軍の送り込み、核兵器の使用の準備
2014年の「マイダン革命」…マイダン広場では数万、数十万の民衆が3か月にわたって占拠している…圧倒的民衆が自発的に決起し、あの局面をつくりだしたことは否定できない。一切を米や露の謀略やネオナチの暗躍で説明するのは、非階級的「謀略史観」である。
ロシア…ウクライナ戦争に「ハイブリッド戦争」戦略
ロシア人が一定居住している地域、ロシアとの一体化に利害をもつ住民集団がい
る地域を併合、分離・独立化させる。
地元組織を偽装した特殊部隊による政治・経済的ゆさぶりと、それを正規戦争と
結合して行う。
ロシア以外どこも承認していない「独立国」「自治地域」を黒海沿岸に数多くつ
くる…黒海を「ロシアの海」として軍事的、経済的に確保するため。
ロシアの危機
関税同盟を形成しているカザフスタンとベラルーシ…ウクライナへの介入でロシ
アとの距離を置く。
ロシアの経済的破局…原油価格が半分以下に…ルーブルの通貨価値も半減
「ロシア企業の対外債務が5000億ドルに達し、うち1300億ドル分が15年に返済期限 → GDPが中国の5分の1まで下落したロシアは、中国の燃料、資源基地に転落
安倍政権…世界から相手にされないロシアと領土、資源問題などで取引し、関係を
維持
アジア諸国とも欧米帝国主義からも孤立する日帝・安倍政権は、唯一ロシアとの
関係を結び、世界戦争の一方の火付け役に
〔これは「第一次世界大戦」型の戦争になる可能性がある…古典的帝国主義戦争 + 対テロ戦争で、ぐっちゃぐちゃの情勢になることは間違いない。〕
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