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「展墓」第16号 落合論文ダイジェスト(その9)

 格差・貧困との闘いのために(ピケティについて)

ピケティの分析・主張

(1) 資本主義のもとでは次の不等式が成立する。

     γ(資本の利益率) >  g(経済成長率)

(2)1次大戦後から1970年代の間は例外であり、この帰還は戦争による破壊、恐慌、革命などのため、経済成長率が資本の利益率を上回ることが起こっている。

(3)70年代以降はまた(1)の関係が復活し、そのために資本の所有者の富は比較優位に増大する。「上位層に分配される富は年あたり6~7%の比率で増大してきた。これは世界経済(の成長)の3倍以上の速さである。」

(4)このような格差の拡大にたいする対策としてピケティは、グローバルな累進資本税を提唱する。

 

ピケティの結論の問題点   日本は格差拡大が米英や西欧より低い

         ↓

 相対的貧困率で見ると、2000年代半ばでOECD加盟30か国のうち、相対的貧困率は、高い順にメキシコ18.5%、トルコ17.5%、米国17%と並び、4番目が日本で約15%であった。(2007年には15.7%)

 

 ピケティの分析と異なる結果になるのはなぜか

(1) ピケティは「資本所得」の基礎が賃金労働者の剰余価値にあることを無視していること。

(2) その結果、資本または富裕層の分析が中心となり、貧困層にはほとんど着目していないこと。

(3) さらに労働所得の分析が不十分で、正規・非正規雇用、男女の格差、教育や社会保障の分析に目を向けないこと。

(4) 格差・貧困の問題を各国ごとにバラバラに考察し、帝国主義―「後進国」などの国際関係で見ないことである。「後進国」が新植民地主義諸国は(おそらく「データがない」ことを理由に、分析対象から外した結果として、たとえば日米欧などの「先進国」による海外の低賃金労働の利用などの問題が抜け落ちることになる。)

 

 今通常国会で不安定な派遣労働社員を固定化させ、正社員にとって代わらせる派遣法改正案や「残業代ゼロ法案」が提出されている。

 雇用破壊、労働者絶滅法案である。これは格差・貧困の国際的波及(日本からの輸出)の結果であり、日本から世界的に格差・貧困をふたたび新たに世界に輸出するものである。

 安倍政権の新自由主義再稼働に反対し、労働者と被抑圧民族人民の国際連帯で、戦争と格差・貧困を絶滅しよう。

 

〔Ⅴ〕21世紀世界の変革のために

 安倍思想(排外主義、歴史修正主義)との闘い

安倍首相…単なる復古、反動にとどまらない。日本のグローバル資本の利害を体して、新自由主義

を強力に再稼働 

    大国主義と排外主義    原発と日米同盟

 

 天皇制の統制派的利用…戦後天皇制の政治的利用に結びつく

 「主権回復」の式典に天皇を出席させ「天皇陛下万歳」 パラオ訪問

 

 歴史修正主義者―第2次大戦で米国に敗北したことはいやいや認めるが、中国をはじめとするアジア諸国人民の抗日戦争に敗北したことは認めず、隠ぺいする…朝鮮・台湾の植民地支配はその残虐性を隠すと同時に美化する。

 

 たんに日本の支配層の問題だけではなく、日本の人民自信の問題として切開しなければならない。

 アジア人民への加害性を見すえてはじめて、安倍首相の新たな大国主義と排外主義、侵略戦争への挙国一致を打ち破ることが出来る。

 

 新自由主義との2つの闘い

資本のグローバリゼーションが、国民国家を無にするような見解は正しくない。

戦後の米帝の覇権国家としてのあり方、それに規定された各国政治権力システムにおける位置を消

去する平板な世界認識。

 資本主義が生み出す帝国主義、新自由主義を世界の労働者人民の共同の闘いでうち倒し、のりこえる展望を打ち立てなければならない。

ローカルな自足的「コミューン」に解決を求める見解

 フクイチ事故で、生業・家族・故郷を失った被災者・被爆者の現実に解決と解放を提示できない。

 帝国主義間、金融資本間の対立と争闘、帝国主義の後進国経済に対する収奪・抑圧を見ることができない。
 
〔帝国主義・新自由主義によって疲弊した人々のシェルター・隠れ家になることは可能であろう〕

沖縄と福島のたたかい

   → 「ローカリズム」では断じてないということ。

沖縄…日本の帝国主義システムと新自由主義の戦争と軍事支配、差別分断支配と根源的に闘う当たらな人民主体の登場

 アジア侵略のための日米共同基地は許さない、と言う立場

福島…核と原発の廃絶を問いかけている。核によって、原発によってしか生きることができない新自由主義の世界を根底から打ち破るカギが。福島の生きるための闘いの中に芽生えている。

 

  改憲阻止、反戦・反安保闘争のために

安倍政権は改憲を存立の条件としている。

中東派兵と対中国対決への前のめり →「現に戦争をしている」という事実が改憲を後押しする最

大の要因になる。改憲のためにまず派兵する。
 
改憲阻止闘争をスケジュール的な法文をめぐる攻防だけでなく、派兵、参戦、安保・沖縄問題と一体

で闘わなければならない。

 

「左からの改憲論」…矢部宏冶「日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか」 

   ↓

第1 日米関係だけで見ていて、日本が植民地化し、侵略したアジア人民からの視点が無い(GHQ押し付け論)

2 自主憲法制定…明治憲法は自主的? だれが憲法を制定するのかという主体の問題を抜きに「押し付け云々」を語ることはできない。

3 ほとんどの憲法は、支配階級になる階級が被支配階級に押し付けたものである。憲法は、革命などによって、新たに権力を握った階級が他の階級に「押し付ける」形で制定される。

 

 現実に労働者人民の自主解放のために闘うことが、そのための法的枠組みとしての「自主憲法」をつくる努力より、⒑倍も100倍も重要である。
 
〔「改憲」には「革命」を対置すること〕

なんか知らんが、このシリーズはここで終わります(^^)(^^)

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