纐纈厚さんの「積極的従属」論
さて、6日の「星野闘争」で、百万人署名運動全国通信第213号をいただいたのだが、その中に山口大学の教員、纐纈厚さんの論文に出てきたのが「積極的従属」という言葉である。現在進められている「安保法制」改悪…集団的自衛権行使の道は、アメリカのアジア戦略…すなわち21世紀の始めごろから経済力の劣化が進行したアメリカが、従来どおりの軍事力を維持できなくなったため、同盟国に軍自力を文旦させるというもの…に合致するものであるが、
「では、安倍政権は対米従属主義か。僕はそういう単純な見方はしません。『積極的従属だ』と言っていますが、『従属』と『自立』が混ざり合った関係で、表向きはアメリカに従属する格好で集団的自衛権を実質化し、いずれは単独でも武力を発動できる国防軍をもって国家を強くして、アメリカへの『対抗』も志向するということが積極的に選択されている。このことは集団的自衛権の本当の狙いであると思います。もちろん、アメリカはこうした安倍の構想にとても警戒的です」
おお、落合論文ダイジェスト(その5) で展開されている論が、より分かりやすく記述されているではなイカ そう、日帝は「集団的自衛権」でアメリカにくっついて「いやいや」戦争に行くのではない…むしろそれを口実に、独自の「軍事大国化」を狙っている…というわけだ。
さらに纐纈氏は「武力行使を熱望する財界」として、日帝独自の「軍事大国化」は財界自体が求めていると説く。
「実際、1998年にインドネシアでスハルト大統領退陣の政変が起こったとき。アメリカは第7艦隊の機動部隊を横須賀から出撃させ、反米政権ができないようにしました。牛尾(治郎…元経済同友会代表幹事)さんは『アメリカの資本家たちがうらやましい。何かあったときには軍事力が展開されて、営々と築いた工場とかインフラが守られる。自衛隊はそうゆうことのためにあるべきだ』とも言いました。・・・
アルジェリアで日揮事件(2013年)がおこったとき、表に出てきた以上に、財界人の中では、「あそこに自衛隊の基地をつくるべきだ。どれだけ投資をしているか」と言われました・・・つまり、市場や資本は軍事力によって担保されなければならないというわけです。」
まさにそうだ財界こそが、日帝の「軍事大国化」を望んでいる・・・それを「憲法の枠」もとっぱらって強引に進める安倍政権こそ、「本命政権」なのだ(だからこんな時期に「自民党総裁選挙」なぞ、やらなかったわけである)
「展望」落合論文では、「列強志向」と簡単に書かれているが、実態はこうゆうことである。そもそも「軍隊」とは、支配階級が持つ暴力装置であり、それは被支配階級や被抑圧階級に向けられ、支配階級の「利益」を守るためのものである。よもや「民衆」の生命・財産を守るためのものではない・・・安保法制成立を許さず、安倍政権を打倒しよう
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コメント
はい、おじゃまします。
軍隊は国家を守るものです、各個人の保護が主眼ではありません、
対津波用防波堤に、家の床上浸水を防ぐものじゃないと怒るようなもので、論の筋としてお勧めできるものではありません。
企業や財界が、巨額の投資をして作った工場・インフラを、接収・破壊されたくないと思うのは、「あたりまえ」のお話で、そこに批判を加える要素は、本来どこにもないんですよ、
「理不尽な暴力」からそれらを守ることが出来るのが、軍隊だったということです、
庶民の感覚で、ごくごく一般的に論を展開してるつもりです、為にする批判と受け取らないで下さい、お願いします。
投稿: いちななし | 2015年9月 9日 (水) 05時56分
自衛隊に、知人友人がおりますが、皆さん暴力装置なんて言われ方をしたら激怒しますよ。
また、東日本大震災の時には、誘導して亡くなった県庁や消防の方他、復興支援に従事した自衛隊員の方々がおられたのではないでしょうか?
物事の捉え方として、暴力装置とは、「自衛隊」という機関を指しておっしゃっており、「自衛隊員」などの個人を指していないだろう事は分かりますが、その言い方では理解は得られないと思います。
投稿: 平行四辺形 | 2015年9月 9日 (水) 10時09分
「積極的従属」ですか。
どうも単純な従属志向では無いだろうと思っていたので腑に落ちる内容でした。
しかし、人口減少と経済成長の頭打ちが確実で財政破綻も懸念される状態で「軍事大国化」などとても無理だと思います。
経営のプロでありコスト計算に長けているはずの財界人たちの発言が、まるで冗談みたいな願望話に聞こえます。
東アジアの軍事大国であった戦前日本への郷愁を抱く日本会議の人たちがどう思おうと無理なものは無理ですね。
背伸びして破滅した歴史を繰り返すだけでしょう。
そもそも、集団的自衛権.行使で余計なカネと人手が掛かることが目に見えているのにどうするつもりなんでしょう。
なお「暴力装置」という言葉は国家と軍隊の関係の本質を言い表したものであり、断じて禁句やタブーにするべきではないと思います。
本質から目をそらしたままの先に未来はないと思うからです。
投稿: BM | 2015年9月10日 (木) 23時19分
はたして暴力装置という言葉が本質を表していようが、その言葉をどの程度の「一般人」が理解できるでしょう?
理解されない言葉など、言葉としての意味がないような気がしますが。
例えば「共産主義」と言われて浮かぶのは、「中国、ロシア、北朝鮮?」「自由のない国?」といった印象を国民の大部分は抱くのではないでしょうか?
物事の本質から逃げ、耳障りだけいい「戦争反対」なんて言葉を金太郎飴よろしく訴えられるよりは遥かにいいとは思いますが。
そういえば、少年Aがオフィシャルブログ?か何かを開設するようですね。
彼の言葉は理解に苦しむものが多いというのが私見です。
投稿: 平行四辺形 | 2015年9月11日 (金) 11時01分