人殺しを「反省」していない人が、「南京大虐殺」を語るお話
今日は昼に「伊方原発再稼働反対 高松大行動」のチラシ撒きをしてから、13:30より高松市男女共同参画センター で行われた、ビデオ上映とトーク「戦後70年―記憶すべき戦争の歴史」というミニ集会に参加してきた。
フィリピンの「従軍慰安婦」とされたロラ(おばあさん)達の発言、行動のドキュメントと、「南京大虐殺」に係った元兵士のインタビューの映像上映会だ。・・・東かがわ市に住む映像作家さんが、その編集に係っているので、短くしたものを上映し、みんなで話し合うという企画だった。
だた主催の「歴史は消せない!みんなの会」は、HPも無く、参加者が「年寄りばかり」というのは半分残念だったが・・・実はその「年寄り」が今日は活躍したのだが…
フィリピンで「慰安婦」とされた方々の映像は、2010年のものだ…「慰安婦問題」は年月が経つにつれ、ドンドン当事者が亡くなってゆく…2010年ぐらいが、もう生存している元慰安婦の方にインタビューを受けられる最後の年だろう…ということで制作されたものだ。
どこかの大学で、慰安婦問題を取り上げたこの映像を観た後の、大学生の発言がもう頭が痛い・・・「慰安婦なんて言葉、教科書に載ってないので、知りませんでした」「慰安婦って、看護なんかをやる職業だと思っていました」・・・90年代後半の「バグラッシュ」で、日本の教科書から「従軍慰安婦」が完全に消えてしまった悪影響である。
「南京大虐殺」については、簡潔であるが、実はスゴイ…「中帰連」のように、「撫順」の収用所にいて「自己批判・反省」をした人ではなく、ふつうのいい老人が、中国で「シナ人を殺した」ということを普通に発言しているのだ・・・下関の捕虜虐殺なども、いとも簡単に話してしまう・・・捕虜が多いので、倉庫のある下関に閉じ込めた、後、「捕虜を食わしてゆく食糧が無い」ので、5人ずつ走らせて軽機関銃で射殺した」とか、「鉄条網の中に閉じ込めて、頭から石油をふりかけ、火をつけた」「強姦はあたりまえ…いい女がいたので、上官に『まずは最初に』と言って譲った…後になって、兵士が集団強姦をしたので、その女性は舌を噛んで自殺した…」などなど。
表題にも書いたが、これらの「証言」をしている人々は、決して「中国の人に悪いことをした」と思っているわけではないことだ…こちらも遣られたから、やり返した、相手に「悪いことをした」とは全然思っていないのだ。一人、「悪いことをした…」と思っている人が居たが、それはなんとも歯切れの悪いものであった。
「証言」の撮影は、ホント、カメラを気にしたいように大規模な三脚などを使わず、机や本の上に置かれたカメラを使って行われたそうな。
戦後70年…戦争の「被害体験」を語れる人も、7~80代ぐらいである・・・まして「加害体験」を語れる人は、90代である・・・ドンドンこれから亡くなっていくわけだ。それを「素直な形」で残したこの映像の価値は、スゴイものだと改めて思った。
映像を見てから、トークイベントとか討論…80代で私の父親と同じぐらいの方が語った…中国での殺人や強姦は、「武勇伝」として、戦後しばらく(46~48年頃)までは、実は普通に一般の人たちも聞くことが出来たのだそうな…また、「満州引揚げ」経験があるその方は、「戦争により中国に与えた中国への損害は大変大きい・・・にもかかわらず、当時の中国は『賠償』を放棄した・・・中国には絶大な借りがある、「尖閣」なんか中国に返して、平和への道を歩むことが大切だ」とも言い切った
また、ソ連が暴虐な行為をしたというのも、戦闘状態ではあったかも知れないが、戦闘状態が終わってからは、治安そのものは安定した…「ソ連の暴虐話」の半分ぐらいは、伝聞推定ではないのか…とも言い切った(確かに「満州」への「開拓団」が大量に死亡したのは、難民として都市部の劣悪な環境の所に押し込められ、栄養失調や発疹チフス等が流行したためである…都市部に元から住んでいた人は、その人達以上に「安全」であったことは否めない…もちろん「ソ連」の暴虐行為も、それほど無かったのであろう…実態はきちんと調査すべきであるが…中国人民の「復讐的暴虐行為」はあったことは様々な所で記録されているが…)
とはいえ、「戦争」という行為(フランスで起こった「テロ」も含む)が、普通の人間をいとも簡単に「虐殺魔」に変えてしまうことが良くわかる・・・この後もさらにいろんな議論が出た…「上官の命令は、天皇の命令」で拒否することが出来ず、しかもその「天皇」をはじめとする戦犯達(岸伸介・・・安倍首相のじいさん・・・含む)が責任を問われなかったことが、現在の日本の「無責任体制」を生み出し、それが「福島の原発事故」に対し、誰も責任を問われない…という話にまでおよんだ。
話は今年「集団的自衛権」問題で取り上げられた、「個別的自衛権」は容認にすること、また「リベラル陣営」から出ている「積極的の9条改憲論(もちろん、この集会に集まった人たちは「反対」である)」への疑問・批判いきついた…日本が「侵略」されたとしても(そもそも資源も何もない日本を「侵略」して何らかのメリットがあるのはイカ娘 だけであろう)、その時は「非暴力で抵抗」すればいいのだという意見も出た。
まぁ、まとまりはならんが、なかなか「有意義」な集会であった…惜しらくは、香川の市民的反戦・反核運動が、香川の若い衆にはほとんど伝承されていないということだ…これは教育の問題でもあると言う意見も出た。第一次安倍政権の際、「教育基本法」が「改悪」され、教師による「自由な教育」がやりにくくなったというのが、元教職の方から出た。
しかし、これはこちらから「打って出る」しか方法はないのだろう…今、「大学」でこのようなイベントをやろうとしても「文科系学部」縮小圧力があって、ピリピリしているのが現状だそうな…「学習会」や「ミニ集会」を開いて、少しずつ広めていくしかないのであろう(ちなみに「ネトウヨ」系の本は、大手出版社から手頃な値段でホイホイ出版されるが、それに対するカウンター出版は、きちんとした「学術」で対抗せざるを得ず…ネトウヨ系「思い付き」歴史修正を完全に論破するのは、ホントに様々な文書記録等を持ち出して「反証」しないといけないので、真面目な歴史学者は敬遠する…結局本の価格も高くなる…もちろん「売れない」)
とはいえ、この「反省していない」人たちの「南京大虐殺(他、中国他のアジア地域で行われた数々の日本軍の非人道的行為)」の映像は、有意義な取り組みである…「完成」するのはいつかまだ不明だが、いずれ完成するであろう…その時には全国各地で「上映運動」を行うべきである。例え新旧の「右翼」共の妨害にあおうとしても
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コメント
「岸伸介」では無く 「岸信介」ですよ。誤字、脱字には細心の注意を払いましょう!主張に思い込みや誇張があっても良いと思います。 何といっても、貴女個人のブログですからね。私の彼女が付けた「元中核系デマゴーグおばさん」という愛称も可愛くていいんじゃないですか?もし良ければ、この愛称をペンネームとして使って下さい。
投稿: 元中核系デマゴーグおばさんのフアン | 2015年11月23日 (月) 01時42分