「新9条論」でもやはり「革命」は必要となる…
安倍政権が次の選挙で「改憲」を打ち出す方針であることが確実になっている。そんな中、「立憲主義」と「平和主義」を守る立場から「新9条論」というのが出てきている…もともとは、「日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか(矢部浩治)」 の提起、すなわち日本の左翼・リベラルから「憲法を『良い方向に変える』」という発想がなかったことがオカシイのでは?というところから来ていると思うのだが、現在は「伊勢崎賢治(紛争解決請負人・東京外語大教授)氏のものが、注目を浴びているようだ。週プレネットに掲載された二本の対談記事…「前編」 「後編」 を見て欲しい。
要するに「9条2項」の「戦力不保持」を改め、「自衛隊の存在」を完全な合憲にするとともに、「集団的自衛権は認めない」…すなわち自衛隊は海外で交戦権を行使しないという「しばり」を作ろうというものである…と同時に、「日米地位協定」も見直して、対等の同盟…これまでのように、米軍がどこに基地を置くこともできる、思いやり予算も出す、なんてことは止めるということらしい。(もっといくと「安保破棄」になるかもしれないが、伊勢崎氏はそこまでは言っていない)
ただ、歴史的経緯から「9条と安保(日米地位協定含む)」はセットで「戦後革命」の高揚をおさえるために作られたものだ…それが「限界」に来ている…のならば、どのように変えようとも「革命」は避けて通れない道である。これがホントの「左翼」である。
伊勢崎氏は「後編」の中で、「新9条論」は共産党の提唱する「安保法制廃止」のための野党共闘の「共通の目的とする『結点』」と位置付けている…これを「発展」させて、「議会内で多数を占める」ことも「革命」の一つとなろう…特に今の与野党の力関係や、特に野党の思考を「ひっくり返す」ものであるからだ。
だが「革命」は、政治的課題だけから生まれるものではない…必ず裏に「経済」がひっついてくる。「集団的自衛権」で自衛隊を海外に出せるようにするのも、あるいは「武器輸出」を行うのも、ゆきずまった「日本帝国主義」のあり方を突破しようとする、支配階級の右からのあせりなのである。
だから「左からの改憲」を言う場合、破綻しつつある資本主義経済を解体し、「協働・共同」の社会をつくろうという「理念」を打ち出し、それに賛同する「民衆の動き」を活発化させる中で、「革命的憲法」をバーンと打ち出す「政治勢力」が登場する必要がある。今の「野党共闘」の枠組みの中では、絶対に無理なのだ(出来るとすれば「山本太郎」 ぐらいか…でも彼一人では無理だ)
本来は「現日本国憲法」体制も「日米安保」体制も串刺しにして否定する、「革命的左翼」のお仕事であろう…ただ「革命的左翼」の場合、「憲法改悪」や「(悪い方への)解釈改憲」そして「日米安保体制強化」に反対することに忙しく、かついろいろあって影響力がほとんどなくなってしまったため、もはや「新しいもの」を生み出す力は無い…色々と問題はあるものの「SEALDs」的な若者の中にある「赤い糸」に期待するしかあるまい。
「革命的左翼」の年降り連中(私も含まれる可能性大)は、その「赤い糸」を引き出すとともに、過去の「過ち」を繰り返さないよう、アドバイスしてゆくしかないのである。
もっとも、我が「うどん県」には、若者のそういった動きすらない…まだまだ「年寄り」が頑張らないとイカんのである・・・あとは山城博治さんの言う「黄金のシルバー世代」も…
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コメント
革新を目指す全ての皆様へ
今生活しているこの場所は
一党独裁の政治でもないし書記長世襲独裁の政治でもありません
ここに根付きこの場所に生える草となる人ならば
政治を行う人を自ら選ぶことが出来る場所なのです
ぜひ皆に選ばれる良い政治を行える仕組みの案を真剣に苦しんで考え出してください
昔から広く皆に知られる共通認識のひとつに
「絵に描いた餅は食えない」がありますが
食材の用意から作りかたまで手順をわかりやすく書いて
なるほどこのようなやりかたをすれば餅が食えるのかと皆が理解できる
つまり支持することが出来るような案を真面目に考えてください
そこに若いも年寄りも関係ありません
皆が等しく社会の構成員なのです
今ある不味い食べ物を「破壊」して捨て去っても
つぎの食べ物の作り方を周知することができなければ
また元の食物を作り食べることになるでしょう
投稿: まとめちゃん | 2016年2月18日 (木) 09時07分
今生活している場所は、世襲貴族集団の自民党による一党独裁国家ですよ
さらに、自民のクソ議員は大企業と癒着して人民を搾取している
国家を私物化し、私服を肥やすことしか考えない寄生虫を駆除しないことには未来はない
無論、熱心な自民信者や中立を気取りながら自民を支持したり、傍観者を気取る連中も害虫の一味だから
退治しないといけない
投稿: | 2016年3月 6日 (日) 13時27分