映画「逃げ遅れる人々」と鈴木絹江さん講演会(前篇)
16日、高松市総合福祉会館において、映画「逃げ遅れる人々」と、鈴木絹江さん講演会に参加した。東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって多くの人が被災し、避難を余儀なくされたわけだが、その中でも障害者が抱える特有の困難さと、その対応策について映画と講演によって学ぼうという趣旨のイベントである。折しも熊本では阪神・淡路大震災並みの震災が起きたばかりであり、タイムリーな話題でもある。
映画と講演…鈴木絹江さんは福島県のいわき市の北、田村市でおつれあいさんと一緒に障害者施設を運営しておられる。絹江さん自身も車椅子を必要とする障害者で、現在は京都で避難生活を送っている。原発に関しては、被災前は「事故時には80㎞以上逃げる」「死の灰(放射性廃棄物)は10万年消えない」」ということを認識していた程度であったそうだが、「福島原発告訴団」等で活躍する武藤類子さんとも知り合いの「脱原発」派でもある。過去に電気のない生活を8年間続けていたこともあるそうな。
以下、ざっくり映画の中や講演会および意見交換会で話された内容を箇条書きにしてまとめてみた。
まず災害一般編…
・災害が起きた場合、支援者も被災する。
・障害者には、体育館のような避難所では無く、ホテルや旅館のような所を避難所とするのが良い…冷暖房やベッド、トイレの施設が整っているからである。障害者の中には、「避難所では周囲に迷惑かけるから」と避難所に行かない人も居る。自治体が条例等を作り、ホテルを「指定避難所」とする協定を結ばせておくのも一つの方法。
・障害者は自宅を自分の障害に合わせて住みやすいように「改造」しているケースも多い。そうした場合、家が無事なら不便な公共の避難所に行かず自宅に居たほうが良い。ただし自宅にいれば情報も支援物資も届かないので、自宅を「指定避難所」に指定してもらう手も有り…そうすれば情報も支援物資も来る。
・車椅子も、各々の障害者にあわせてカスタマイズされている…それが使えなくなると、座位が保てなくなり、酷い場合は寝たきりになってしまうケースもある。また、電動車椅子は浸水(津波、高潮、水害)に弱いので、手押しの車椅子も用意しておいたほうが良い。
・人口呼吸器を使っている人の場合、普段からバッテリーで作動させる練習をしておくこと…イザという時に出来ない。
・地域防災計画は、障害者の目線で作られているかチェックすること
・一人ひとりの支援計画…要援護者は申し出て下さいと行っても、必ず制度の狭間におちいる人が出て来る…行政の担当者は、どんな障害者がどこに住んでいるか把握しているハズなので、逆に「支援が必要ない人(家族の助けが得られる等)」に名乗り出てもらうようにすれば、行政で把握しかつ名乗り出ていない人は全て「要支援者」となり、対応することが出来る。支援の内容も、個人が一人ひとり個別に書いて、ボトムアップで出すほうが良い。
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コメント
書き忘れ…車のガソリンは、不足しないように。半分になったら給油しておこう。
投稿: あるみさん | 2016年4月17日 (日) 20時10分