日本会議と維新こそ問題の根源
昨日は豊中市立中央公民館で行われた、「『森友学園問題』の背景と本質に迫る」と題する学習会に参加してきた。用意された部屋が満室になり、別室でビデオ中継を聞きながら…という集会であった。
だいたい、こんな感じ…
開会あいさつと、「森友学園問題」の概要説明の次に、「幕引きを許すな!森友学園問題―止めよう壊憲暴走」と題して、新聞うずみ火の矢野宏さんからお話があった。
ご存じの通り、森友学園問題は、籠池理事が「安倍首相から100万円の寄付をうけた」と爆弾発言を行い、3月23日に国会で籠池理事の証人喚問が行われることが決定している。
いろいろな問題が出てきてややこしいことになっているのだが、2つのポイントがある…一つは、国有地の払い下げで、なぜ8億円もの値引きがされたのか?もう一つは、なぜ教育内容や財務状況に問題のある森友学園に対し、小学校の認可が下りたのか?ということ。これらの認可等に、政治家の口利き(もしくは役人の忖度)があったのか?ということである。
そして政府・自民党の他、小学校認可については大阪府の権限であり、とうぜん知事を出している維新の中枢部分の関与も疑われている…大阪でこれだけ問題になるのは、大阪では自民党大阪府連より、維新のほうが強いという特殊事情があるからだ。
しかし何と言っても、この「森友学園」疑惑に関連する人物を並べてみると、「日本会議」に行きつく(我々は「にほんかいぎ」と呼ぶが、右翼は「にっぽんかいぎ」とこだわって呼ぶそうだ)日本会議は1997年、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が組織統一してできた。「日本を守る会」は1974年に鎌倉の円覚寺貫主、朝比奈宗源が伊勢神宮で「ご神託」を受けて始めた(なぜ僧侶に神託が下りるのかさっぱり分からないが、それこそ「宗教」である)もので、「日本を守る国民会議」は、保守派の政治思想を共有する財界人と文化人の集まりで、元々は「元号法制化実現国民会議」であった。作曲家の黛敏郎なんかがいた団体である。そして神道系振興宗教「成長の家」の谷口雅春の右翼思想を実現化し、かつ70年代の左翼学生運動に対抗して長崎大学の椛島有三が始めた右翼学生運動を担ってきた人達が中心メンバーである。いわば「成長の家原理主義者」である。なお、「成長の家」そのものは現在、政治活動を止めている。
こうした人たちが、「草の根」に浸透し、かつ地方議会から意見書を上げてゆくなど、キャラバンを行って作っていった、保守・右翼運動の集大成なのである。そして安倍政権20人の大臣のうち、15人もが「日本会議」のメンバーなのである。(東京都知事の小池百合子も日本会議メンバーである)
また「日本教育再生機構」というものがある。これは育鵬社の歴史修正教科書を促す運動を行っている団体である。2012年2月26日に大阪でこの団体が催したシンポジウムで安倍・松井会談が行われており、安倍は維新の「大阪府教育基本条例」を持ち上げ、意気投合したようだ。なんでもこの時、松井大阪府知事は、安倍に維新の「合流」約束を取り付けたとのこと…これほど安倍政権と維新、松井知事はズブズブの関係なのである。
籠池氏が率いる森友学園・塚本幼稚園は、教育勅語の暗唱をさせる等、日本教育再生機構にとってはモデル校といってよい存在だった。これが今度、小学校を作る…日本会議・日本教育再生機構にとっては、自らの理想を実現する願ってもないチャンスだかくして、どのような手を使っても認可・開校させる必要があったわけだ。
安倍の教育改革が目指す将来像が、「瑞穂の国記念小学校」だったのだ…このように、日本会議と維新が、今回の問題のまさに核であり、逆に言うといかに日本会議が政治中枢に食い込み、思うように動かしていたのかということが明らかになったというわけである。
従って「森友学園問題」は、単に安倍晋三に責任を取らせるだけでなく、右翼・日本会議を葬り去る闘いでもあるのだ。
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