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辺野古の海に活断層

 辺野古の海に活断層があって、基地建設に支障をきたすのではないかというお話し…ルう旧新報WEBより。
辺野古新基地工事海域に活断層か 識者が危険性指摘
 名護市辺野古の新基地工事海域に「活断層」が存在する可能性があることが24日までに分かった。防衛庁(当時)が2000年に作成した「代替施設建設協議会」資料中の「海底断面図」で50メートル近く沈下した落ち込みがある場所が記されている。琉球大学名誉教授の加藤祐三氏(岩石学)は「落ち込みが比較的新しい時期にできていれば、海底に活断層が伸びている可能性がある」と指摘した。新基地予定地近くの陸上部には「辺野古断層」「楚久断層」という2本の断層が存在する。その断層の延長線が海底の急に深くなる谷や斜面部分につながっている。さらにその先に防衛庁が示した落ち込み部分が重なっている。活断層は過去に地震を起こした形跡があり、将来も地震を起こす可能性がある断層で、基地建設の場所に適するか疑われる。25日で辺野古での護岸工事着手から半年を迎えた。(中略)
 防衛局は2~4月、大型特殊船「ポセイドン」で工事海域での地質調査を実施したが、いまだ結果を公表していない。
 加藤氏は「活断層の可能性を否定するなら、国は早急に調査資料を公表し説明すべきだ」と話した。また、工事海域には、空洞が多く軟弱性が指摘される「琉球石灰岩」も分布している。加藤氏は「いかにしっかりした基礎工事をしても直下で活断層が動き地盤がずれれば、上にある施設は破壊される」と危険性を指摘した。
(仲井間郁江)


 実はこの話、22日に大阪で行われた奥間さんの講演でも話題になっていた。で、奥間さんはこの間、内地を行脚して講演されているので、話を聞いた人にとってはぴったりな記事である。

 では、基地建設現場に活断層はあるのか?

 ポセイドンの調査は、おそらく音波探査なのだろう…その地質調査で地層のずれ、断絶を確認することは可能であるが、それが活断層、十数万年前に活動し、近い将来動く可能性があるかどうか判断することはなかなか難しいのである。
 活断層であるかどうか?ということは、記事にあるような地球科学系の学者なんかが、過去の文献等の調査結果もふまえ、総合的に判断しているのが現状だ。
 ただ、陸上に活断層がある場合、それが海まで続いているだろうというのは、ある意味当然の判断である。海中の場合、地形が分からないこともあって、推定されている大概の活断層は陸上にある…というより、海岸で切れていることになっている…が、海底の地形から判断して、陸上の活断層が海中に続いていると判断するのは自然なことである。

 では、活断層があれば基地建設は出来ないのか?

 実は日本において、活断層のそばに「重要構造物」を作ってはイケナイという規定や法律はない…ただ阪神淡路大震災以降、活断層に対する意識や知見が上がった結果「なるべくは避けましょうね」という判断は働く。
 だが、「絶対に壊れてはイケナイ」原発と違い、土木構造物においてどこまで活断層を避けるかどうかは、その構造物の重要性(代替手段があるかどうか)や、対策の経済性に左右される…極端な話、活断層が動いてぶっ壊れても、また修理できれば、そして対策をするより、そちらの方が経済的であると判断されるならば、活断層近傍に構造物を構築することも有りである。

 おそれく防衛局は最終的にこのような「判断」をすべく、今調査結果を眺めて頭を抱えているというのが本音だろう。

 ただ奥間さんによれば、米軍基準では、米軍基地は活断層はNGなんだそうな。だからこのネタは、対米交渉等に使えそうだということらしい。

 とりあえず活断層ネタは、あまり重要なアイテムにはならず、参考資料として考えたほうが良い。

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