「出口戦略」はなぜ必要か?
日銀総裁は黒田氏が再任されるそうだ…Y!ニュース時事通信より
黒田日銀総裁再任へ=脱デフレへ金融緩和継続―約60年ぶり
政府が4月に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁(73)を再任する方針を固めたことが9日、分かった。
景気回復を導いた大規模な金融緩和を高く評価。デフレからの完全脱却に向け続投が望ましいと判断した。現在の緩和路線は当面継続される見通しだが、金融政策の正常化が課題になる。再任は約60年ぶり。
日銀総裁は衆参両院の同意を得て、内閣が任命する。任期は5年。政府は月内にも今国会に人事案を提示する。2人の副総裁のうち1人は、雨宮正佳理事を昇格させる方向で調整している。
黒田氏は、就任直後の2013年4月に資金供給量を2年で2倍に増やす「異次元緩和」を決め、円安・株高を演出した。その後もマイナス金利政策や、短期と長期の金利を操作する政策などを次々に繰り出し、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」をけん引してきた。
日銀総裁人事をめぐっては、黒田氏が再任されれば5年の任期満了時点で78歳となるため、高齢が問題になるとの見方も一部にあった。再任は1956年から64年まで務めた故山際正道氏以来だが、過去に2期10年を満了した総裁はいない。
これで、しばらく「ゼロ金利」「マイナス金利」政策等の、「異次元の金融緩和」と称した、資本主義のあり方からみたら「異常」な政策が継続されることが確定した。「景気が回復した」というのは、株価だけ見ればという話であって、実体経済で利益を生み出すことが出来ずデフレが続いている以上、「異次元の金融緩和」を続けざるを得ないのだ。
とはいえ、金融緩和を辞める「出口戦略」を考えなくて良いのか
米連邦準備制度理事会は、イエレン議長からパウエル議長に交代した…スタンスは変わらないのだが、イエレン議長の「功績」は金融政策の正常化に道をつけたことだとされる…詳しい話は「資本主義の終わり論2」の2018年上期景気動向分析 の最後のほうにある(黒田氏再任が未定の時に書かれている)
Ⅱ 日銀の金融政策の舵取りがいよいよ難しくなった
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は2月にパウエル新議長と交代する。スタンスはそう変わらないといわれている。イエレン議長の最大の成果は金融政策の正常化への歩みを進めたことといえる。「FRBは市場混乱がない限り、利上げなどの金融政策の正常化へとあゆんできた…利上げの目的は一般的に、将来にインフレが加速するリスクを未然に防ぐためとされる。しかし、米国のインフレ率は目標とする2%を下回っており、金融政策の正常化を急ぐ理由として不十分だろう。しかし、リスクには上方だけでなく下方もあると考えると合点がいく。」(週刊『エコノミスト』2018.1.9)つまり将来、経済危機が起きた時、利下げで対応できる余地を残しておきたいということである。
黒田日銀総裁は出口の議論さえ避けている。日銀は2016年9月、金融調節方針の操作目標をお金の量から金利に変える長短金利操作を導入し、長期国債買い入れ額(保有残高の年間増加額)の「メド」を約80兆円とした。黒田総裁は昨年5月、年換算の増加額が60兆円前後になっていると説明。はっきり言って80兆円買うと金利が下がりすぎるし、もう「タマ」がない。金融機関も担保等に使うのである程度持っておかなければならない。いずれ、バブルは崩壊する。大規模化になるか小規模で留まるかはわからない。その時どう対応するのですか、お答えください。黒田は4月8日で任期が切れる。再任かどうかはまだ決まっていない。トランプ大統領はイエレンが民主党が選んだ議長なので再任しなかったが、パウエルは妥当な人選だといわれている。安倍総理が誰を指名するか注目している。
もし今後、リーマンショックのような「危機」が訪れた時に、「ゼロ金利」や「マイナス金利」であったら、金利を「下げる」調整をすることが出来ない。「経済危機が起きた時、利下げで対応できる余地をのこしておこたい」とはそうゆうことなのだ。
折しも2月に入って株価が乱高下している…アメリカの金融正常化に伴う「利上げ」がマイナス要因に働いているということもあるだろうが、「バブル崩壊」の前兆かも知れない。もしそならば、金利が「ゼロ」「マイナス」では、調整もへったくれもない、経済がまた奈落の底に落っこちるのである。だから「出口戦略」は、経済がマトモな時期にこそ、考えておかなければならないのだが…
「出口戦略」が考えられないということは、「アベノミクス」で経済がマトモになっていないということの表れでもあるのだな
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