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「建国記念の日」反対2・12学習大阪集会

 世間では「三連休」ということで、なぜか時間がある…でもって昨日、MLで案内があった「建国記念の日」反対2・12学習大阪集会―天皇代替わりにおける「紀元節」を考える―に参加してきた。主催は「参戦と天皇制に反対する連続行動」

 会場は大阪・天満の国労会館 である。大阪の国労は「分割・民営化」反対闘争の過程で共産党系がヘゲモニーを握ったので、建物の中も全労連や共産党系のチラシが多い。よく「反天皇制」を掲げる新左翼系の団体に部屋を貸したなぁ~なんてことも考えた。
 場所は「地下会議室」…どっひゃぁ~地下室ですよ、窓がない 会費(資料代)は500円 

「未来」 とかで宣伝している集会ではないので、はっきり言って知らない人ばかり(大きな集会ですれ違ったりはしているだろうが)。狭い部屋に並べられた机に腰掛けると、偶然にも梅田解放区  なんかでよくお会いするが前に座っておられた。

 13時半に開始。司会者挨拶では、前日の「建国記念の日」反対集会に400人集まったこと、それと連続した学習会への参加への感謝の言葉、「天皇代替わり」「明治150年」攻撃について触れ、「明治の精神」を「改憲」に結びつけるものだと批判された。

 メインは黒田伊彦さん、「日の丸・君が代」強制反対ネット代表の、「天皇代替わりにおける「紀元節」を考える と題されたお話しである。配られたレジュメは8ページ…
1.なぜ、建国記念の日に反対するのか
2.教育勅語と自衛隊賛美は改憲の布石
3.国家の不信を隠蔽する「和」の精神
4.天皇退位論から天皇制廃絶の闘い
5.グローバル化の中の天皇ナショナリズム
6.天皇制を廃止し、共和制の実現のために

と題されたそこそこの資料をいただいた。
 しかし黒田氏もいろいろ「博識」なお方と見受けられ、様々な「小ネタ」を出してきたので、話の内容があっち飛び、こっちに移りと、どこやっているのか、まとまりのないものであった。内容はそれなりに分かるし、1~3までは「天皇制反対」左翼にとってはむしろ常識的な「復習」事項であるが、あっという間に予定時間を超過…肝心の4.5.6をかなり端折った内容になってしまった。(小ネタも含めて、個々の内容については改めて紹介したい)

 10分の休憩の後、質疑応答という名の討論など…
 「元号」が変わることへの物理的不便さもあって、年号は西暦で統一したいというお話しや、今の時代、皇族が海外に留学して外国人と子どもを儲けた場合、どうなるか?という質問が出た。皇族と外国人との「結婚」については、皇室会議が絶対に認めない(ヨーロッパの王室とはエラく違う)であろう…ということであった。(ただ、皇室会議が認めなくても子どもが出来た場合、当然「皇室の血」をひく子どもが出来るわけだから、そいつを担いでなんかするヤツが現れないとも限らないなぁ~なんてことを考えたぞ)
 天皇に「職業選択の自由」がないこと(「退位」の自由もない)について、日本は「天皇」「皇族」「国民」という身分制国家であり、憲法で定められた「国民の自由、権利」は、「国民」身分に与えられている、天皇・皇族は「国民」身分でないので、権利が保障されない…逆に「身分」というのは「生まれながらに”特権”をもっていること、そのことに意義がある」ということで、なるほどと納得がいった。
 前の代替わりの時、組合の活動家であっても天皇が死んで涙した人が居た…天皇が死んでなんだ悲しいのか?という質問について「天皇が特別である」という教育や皇室報道で「〜さま」とか呼称する影響である。そういった「教育」の中で生きていて、肌感覚でしみ込んでいるから、「人間の平等性」については教えにくい。だから日常の中で天皇制に反対していかなければいけないし、反対している人が居るということを知らせないといけないということであった。
 「国体」とは何か?という質問については、天皇がハンコを押すだけの存在であれば、それは「機関」であり「政体」なのだが、それでは誰が天皇のために命をささげるのか?ということで、国の拠り所として「国体」という概念を作ったということだそうな。
 また2・11という日が、大日本帝国の成立そのものと結びついてきたという視点も提起された。大日本帝国憲法や、旧皇室典範は2月11日に公布されているし、日清・日露戦争では2月初旬に「攻勢」をかけて、2月11日に「大勝利」するというストーリーで進められた。要するに「軍事記念日」としてあったのだ。もっとも、「大正デモクラシー」期には紀元節式典はあまり報道されず、対抗する側がむしろ立憲主義を要求する大集会を開くなどしていたらしい。それが1925年の普通選挙法と治安維持法以降、ファシズム化が進んだということだそうな。
 また、新天皇の即位を5月1日のメーデーにぶつけてきたことに対し、関西単一労働組合の方から「改憲弾劾のメーデーをたたかう」ことが呼びかけられた。
 最後に発言された方は、内田樹が天皇主義者になったことを宣言した ことを取り上げ、「リベラル」が象徴天皇制を「霊的な存在」として持ち上げている…戦争を作り出したもの、破滅に向かっていたものの中心を否定することができていない。また今年の3月28日、天皇は与那国島に行くことになっているが、3月28日は与那国島に自衛隊が配備されて2年の日だ。軍事との結びつきがあからさまになった大変なことで、新しい天皇制の始まりであると弾劾すると同時に、カウンターとして3月18日「天皇の与那国・沖縄訪問反対3・18集会」をPLP会館で行うことを呼びかけた。

 時間が来たので学習会を終え、撤収したのだが、帰りに天満駅のガード横で、差別排外主義者集団の「日本第一党」ののぼりを掲げた連中が5名で、本集会にイチャモンをつける街宣を行っていた。もちろん、周囲にたむろする公安警察のほうが多い、しょぼい街宣ではあるのだが、どうも毎年行われてるであろうこの集会に対し専属で張り付いているらしく、一部の集会参加者に詰め寄って暴言を吐いて行くということが見られた。天皇制はこのような民間や国家権力による「暴力」で成り立っているということを、改めて確認した次第である。

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