保守に運動を広めるための県民投票なら歓迎だが…
今月に入って、沖縄で基地建設反対の民意を示す県民投票を求める運動が始まった。毎日新聞WEB(元記事は琉球新報)5月3日より…
県民投票の会、署名協力呼びかけ/沖縄
米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の埋め立てについて賛否を問う県民投票の実施を目指す「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表らが2日、署名集め開始を前に県庁で記者会見し、県民の協力を求めた。元山代表は「県民投票は、賛成の人も反対の人も思いを形にできる民主主義の下にある。自分の考えを主張、議論し県民で考えて決めよう」と呼びかけた。
同会は1日、県民投票条例制定請求書や請求代表者証明書公布申請書など必要な書類を県に提出した。県は2日、請求代表者の住む14市町村に選挙人名簿の確認を求めた。県が請求代表者証明書を豊富、告示すれば条例制定請求に必要な署名集めを開始できる。
2日の会見で元山代表は準備が整えば5月の第3週にも署名集めを開始したいとした上で「(条例制定請求には)最低でも有権者の50分の1に当たる2万4000筆が必要だが、県民に周知するため10分の1、11万5000筆を集めたい」と意欲を示した。
実施時期については「早ければ9月末化10月ごろ。知事選と同日もあり得る」と話し、投開票日が9月9日に集中している統一地方選に間に合うかは不透明だと話した。「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。」をテーマに掲げている。
同席した同会副代表の新垣勉弁護士は「県民投票は民意を明確にし、法的に大きな効力を発揮する大きな意味がある。知事が今後取り得る措置を広げることにも役立つ」と強調した。(琉球新報)
県民投票については、「人々の実力で止める!」方針をやってきた人、やっている人、さらには97年の名護市民投票を経験した人などからは、非常に評判が悪い。現地闘争にさく力が失われる、労力がかかりすぎる…特に今年は名護市長選挙や県知事選挙を控え、そちらに力を投入しないとイケナイのに、県民投票まで手が回らない…等々である。
しかし選挙において、官邸が総力を挙げて「争点隠し」「議論をしない」「フェイク・ニュースを流す」…「批判なき政治」 が全面展開すれば、ある意味どうしょうもないことが名護市長選挙で明らかになった。「県民投票」であれば、絶対に争点を隠して争うことは出来ない。(それでも97年名護市民投票で見られたよう、官邸はあらゆる力を総動員して「基地建設反対」が多数を占めないよう工作するのは明らかである)
署名運動が立ち上がるにあたり、オール沖縄会議から保守を代表する金秀グループやかりゆしグループが「脱退」するということが起こっている。オール沖縄会議では「県民投票」についての意見がまとまらず、県民投票をやるべきと考えている(であろう)両グループが、オール沖縄会議をつぶさないため、あえて脱退したのであろう。こう見ると県民投票運動は「保守」の運動である…と一定割り切って、「実力闘争をやる人」は実力闘争に力をそそげば良い。「保守」な人たちは最初から実力闘争なんてやってくれないのだから、思う存分「県民投票運動」をすればよい…そう、棲み分けるのだ。
県民投票運動ではもう一つ、利点がある。それは署名や投票を普通の、あるいは保守の人に働きかけることで、もう一度運動の裾野を広げ、大衆運動を広げることに繋がるということである。 現地において「実力で止める」と言っても、シュワブゲート前に普段から何百人も人が来ているわけでは無い。こちらも人数が少なければどうしようもないのだ。署名運動や投票をお願いする運動を続ける中、また原点に帰り、現地に行って止めよう!という人も増やすことも視野におかなければイケナイだろう。ただそう考えると、「実力闘争をやる」人も一定、署名運動や投票お願い運動に携わらないとダメだろう。
そして最後に、県民投票そのものに過大な期待はかけない、かけられないということは押さえておかなければならない。記事中、新垣勉弁護士は「法的に大きな意味を発揮すうr大きな意味がある」としているが、日本の国政に県民投票結果を直接反映させるシステムがない以上、どんなに多数で「勝利」しても、日本政府は基地建設を強行する最終的には、県民投票運動で組織した県民が、より高次の闘争を続けることで決着をつけるしかないのである。
しかし…そもそも沖縄県民だけに、こんな重い「十字架」を科し続けること自体が、思いきりオカシイのだ!県民投票で勝利しようがするまいが、辺野古新基地建設を絶対に止める!県外民衆の運動が求められているのである!
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