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小西誠氏講演会

 先日エル大阪で行われた小西誠氏の「再び沖縄を捨て石にする南西諸島への自衛隊配備」と題した講演会に参加してきた。
 本講演は「関西・沖縄戦を考える会」の第7回総会記念講演なので、まず「総会」が始まる(私は会員ではないので、聞いているだけでよい)…2017年度の経過報告や会計報告、会計監査報告などが行われたが、1年後に会の活動を終了することも提案されていた。世話人会も高齢化するなどして、会の運営が困難になったからということらしい。これも含め、議案は了承された。
 総会の後は、小西誠氏の講演である。なかなか背の高いおっちゃんが、小西誠氏
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 内容は、彼の著書「オキナワ島嶼戦争」などに書かれていたり、彼が情報公開請求で手に入れたものや、防衛白書の内容等をSNSで公開しているものなどである。南西諸島への自衛隊配備は多くの島々に多岐にわたって展開されているので複雑なのだが、ざっくりまとめてみると…
 与那国島などでは、配備部隊の人数に対し巨大な弾薬庫が建設されている…数十発のミサイルでは戦争はできない、100~200発はいる。配備されて終わりではなく、有事には1~2個連隊が展開する、全国のミサイル部隊の半数が島嶼防衛に来ることが想定されている。また、事前集積地として宮古島や馬毛島が計画されている。
 奄美大島がもっとも基地建設が進んでいる。自衛隊が市街地で平然と訓練を行っているが、どのマスコミも報道しない。
改造空母を創る構想もあるが、空母機動部隊を創り、運用するのは金と時間がかかる。南西諸島にある20の空港を軍事化すれば「不沈空母」となり、そのほうが安上がりだ。ミサイル部隊を配備することで、地域的に制空権を確保することが出来るので、軍事的には「合理的」なやり方である。
 沖縄本島の自衛隊は、2010年で約6300人から、2016年には8050人…ここ5年では約1750人増、空自では1210人増である。キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブ、嘉手納等の米軍基地に自衛隊が配備される計画(統合幕僚会議「日米の『動的防衛協力』について」策定文書)もある。
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 島嶼防衛戦は、中国を封じ込めるため琉球列島弧・第一列島線にミサイル部隊を配備して海峡封鎖を行うもの、琉球弧は中国軍に対する「万里の長城」となる。自衛隊が主となり、米軍は支援するのみ。中国軍は中距離ミサイルでは圧倒的に優位に立つ(米欧は中距離ミサイルを「軍縮」したため)ので、米軍はいったん、グアム以西に撤退し、島嶼防衛戦争では自衛隊が主となり、米軍は支援に回るのみとなる。
 自衛隊は1990年代~2000年に北方重視から、南西重視(南西シフト)に転換している。しかし米軍はアフガン・イラクでの戦争で手がいっぱいで、それが一段落した2010年のQDRで「エアシーバトル」構想や「オフショア・コントロール」という考えを出してきた。それに呼応する形で2010年新「防衛計画の大綱」2012年「日米の『動的防衛協力』について」で南西シフトを策定している。
 2012年、安倍政権は「インド太平洋戦略」…中国を封じ込めるため、インドやオーストラリアと連携するという、セキュリティダイヤモンド構想…を打ち出した。英語の論文であるが、もともとはアメリカの研究者がつくったものだ。改めてトランプ政権が発表している。日本は「対中国」ということを隠しながら軍拡を行っている…イージス・アショアも本当の目的は中国であり、朝鮮は口実にすぎない。
 島嶼防衛戦争は1~2ヶ月の期間で行われ、相手に多大な出血を強要しない「限定的局地戦争」として構想されているが、一旦勃発すれば第一次、第二次と繰り返され、不可避的に西太平洋戦争に拡大する。一方、沖縄―先島諸島は1944年まで「非武装地域(1922年後は国際法上も)」だった。また中国・韓国にも原発が多数存在するなどの先端インフラの存在や、少子化・人命尊重の観点から、先進国間では戦争が不可能となったことから、戦争の輸出が起こっている…それが沖縄・先島だったり、海外派兵だったりする…とのことである。
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 一旦、小西氏の話を終えて休憩の後、質疑応答へ…始めに、このような事実がなかなか報道されない、(小西さんは)もっとマスコミに出て欲しいという意見が出た。これについて小西氏は、南西諸島への自衛隊配備問題については、完全にマスコミへの情報統制が出来上がっている。2016年12月、マスコミ16社がしっかり現地調査を行っているが、どこも報道しなかった。報道統制は安倍内閣がやっているというよりは、マスコミが自主的に「忖度」してやっている。そこには対中関係を害したくないという意向があるのではないかということであった。
 また質問ではないが、参加者から島嶼防衛戦争というと、「尖閣諸島」がイメージされ無人島を奪還するというふうに捉えられているが、実際は一旦占領された有人島を「奪還する」こと、市街戦も計画されていること。離島同士でミサイルを打ち合うことも考えられているということが紹介された。一方、小西氏から南西諸島への自衛隊配備は、地元では「地域振興」、少子高齢化で自衛隊員の子どもが来てくれるのがありがたい、建設工事などが増える…として捉えられているという話もあった。
 小西氏の話はかなり広範な内容を短い時間につめこんでいるので、彼の著書や公開情報等を読み込んで、内政諸島への自衛隊配備問題について今後も学習し、批判してゆくことが重要であると改めて感じた講演会であった。

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