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新・日本の階級社会(その4)

 格差を縮小し、階級差を縮めるためにはどうすればよいか?まずその前に、格差拡大について人々がどのように認識しているのか、見てみよう。
 その前に「右傾化」についてちょっと見てみると…「若者が右傾化した」とは言われるのだが、自民党支持率は、2005年まですべての年齢層で大きく低下しているものの、2015年では40代は横ばい、30代以下ではわずかに上昇している…相対的にみれば若者の保守化は事実であるが、「自分の住む地域に外国人が増えて欲しくない」「中国人・韓国人は日本を悪く言いすぎる」「日本国憲法を改正して、軍隊を持つことができるようにしたほうがいい」「沖縄に米軍基地が集中していても仕方がない」の4つの設問…前者2問が「排外主義」傾向を、後者2問が「軍備重視」傾向を示す…を用意し、それぞれそう思うか、そう思わないか、どちらとも言えないかを問うてみると、「排外主義」に関しては、むしろ高い年齢層で支持する傾向が高く、とくに下層の若者で「排外主義」「軍備重視」の傾向が高いとは認められない。排外主義的な傾向がもっとも弱いのは、パート主婦である。
 次に「日本では以前と比べ、貧困層が増えている」「いまの日本では収入の格差が大きすぎる」「貧困になったのは努力しなかったからだ」「努力しさえすれば、誰でも豊かになることができる」…前2問は格差に対する認識を、後ろ2問は自己責任に対する認識を示す…を問うと、多くの階級では約三分の2の人々が、アンダークラスでは約8割が、貧困層は増大しているとみなすのに対し、資本家階級は辛うじて半数の人々がそう考えるに過ぎない。新中間階級は、格差が拡大して貧困層が増えている事実は認めるが、格差が大きすぎるという価値観とは距離を置いている。自己責任論は資本家階級でその傾向が強いが、各階級間で大きな差にはなっておらず、アンダークラスにもある程度まで浸透している。パート主婦は自己責任論を強く否定している。_0001

 されに「政府は豊かな人からの税金を増やしてでも、恵まれない人への福祉を充実させるべきだ」「理由はともかく生活に困っている人がいたら、国が面倒をみるべきだ」という、所得再分配政策に対する意見を問うと、アンダークラスが所得再配分を支持する度合いが強く、資本家階級は低い。また資本家階級、新中間階級と正規労働者は、所得再配分への支持は同程度である。なお、政党支持別にみてみると、自民党支持者は格差拡大を容認し、所得再分配に消極的である。

 ここで、格差に対する認識と「排外主義」「軍事重視」の傾向をクロス分析してみると、自民党支持者は排外主義的な傾向が強く、軍備重視の傾向も他を大きく引き離して強い。公明党支持者は排外主義の傾向が特に弱く、民進党(調査当時)支持者は軍備重視の傾向が特に弱かった。また、アンダークラスでは、所得再分配を支持する人ほど排外主義的傾向が強いということも分かった。
 政治的立場としては、
 格差是正―平和主義―多文化主義 …左派
 格差容認―軍備重視―排外主義  …右派
 と分けられそうだが、こうした構図はかなり崩壊しているように思われる。
 平等への要求と平和への要求は、新中間階級、パート主婦、旧中間階級では結びついている。平等への要求と多文化主義は、資本家階級と新中間階級で強く結びついている。資本家階級の多くは格差を容認し、排外主義的である。ところがアンダークラスでは、平等への要求が排外主義と強く結びついている。追い詰められたアンダークラスの内部に、ファシズム(ポピュリズム)の基盤が芽生え始めているとも言え、「在日外国人に生活保護はいらない!」という意見や、外国人労働者を排斥する動きにつながると危惧されるのだ。(続く)

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