明治維新をdisろう…その7 維新後は「長州レジーム」?
おわらせるつもりで、あと1回だけ…ブログ「資本主義の終わり論2」8・8講演会に参加して の中に、次のような記述がある。
講師は 明治維新で作られた国家体制を「長州レジーム」と呼んでいます。下関戦争で敗北するやそれまで唱えてきた攘夷を捨て開国に転向したように 覇権国には屈服・従属し それを覆い隠すためにも、民衆に対しては強権的に振舞い、官僚の思惑通りに民衆を操作しようとする体制です。この間の安倍の森友・加計問題や自衛隊日報問題での対応(平気でウソをつき、黒を白と言いくるめる手法)や官僚の安倍に対する忖度を見れば 第二次大戦の敗北で民主主義になったはずなのに 「長州レジーム」がいまも続いていると思いました。
維新後の国家体制を「長州レジーム」とするのは、なるほど面白い視点ではある。だが、その2で示したように、長州は最初は「開国」で動いていたし、 その5 に示した通り、明治政府の「侵略思想」は吉田松陰のオリジナルではない。だから「長州レジーム」という呼び方は正確ではないだろう。
「武力倒幕」は、薩摩の軍事力無くしては始まらず、薩摩の主導権の下で行われたとみるのが正しい。リンク先にもあるよう、「大政奉還」で江戸幕府がなくなっても、その後の政局で徳川を追い落とすため、西郷が徳川を挑発して「手下を使って浮浪者をかき集め、江戸市中において強盗・辻斬り・放火・強姦などの無差別テロをやったそうです。」…いわゆる「薩摩御用盗」というヤツ…しかしこの話、歴史が好きな人にとって80年代には常識化していたゾ、手塚治虫が幕末を描いた漫画「陽だまりの樹」にもそのような描写がちゃんとある…
薩摩の軍事力で、日本列島を制圧し、ついでに「薩摩閥」で軍や政府をかためた…「男尊女卑」が激しい薩摩の「武士道」的なイデオロギーが、日本全国に広まった…このへんはいろいろ検証してみる必要があるのだが、維新後の体制はむしろ「薩摩レジーム」と呼んだほうが正確ではなかろうか?
最後に、その「薩摩レジーム」を作った西郷隆盛について述べてみよう。
体制変革、もしくは権力掌握のため、武力(ゲバルト)を行使するのが「正道」であると、あの時期に最もリアルに考え、かつ実行し、出来たのが西郷なのだろう。彼が理想とする社会のあり方、「革命思想」の内容については良く分からないが、「武力行使」の有用性について最も理解していた。そのため、「薩摩御用盗」のような汚い手段を使ってでも、「武力倒幕路線」を貫いたのだと思う。その辺が、なんら武力、ゲバルトの裏付けがない「公儀政体論」者との大きな違いである。
ただ、彼の力をもっても、「武士階級」の完全解体までは至らなかった…その落し前をつけたのが、10年後の西南戦争である。西郷は桐野利秋ら薩摩の不平士族に「担がれた」形ではあるが、西南戦争という武力行使を行い、敗北することで、自らも所属する武士階級を完全解体したのである。
「武力倒幕」は、薩摩の軍事力無くしては始まらず、薩摩の主導権の下で行われたとみるのが正しい。リンク先にもあるよう、「大政奉還」で江戸幕府がなくなっても、その後の政局で徳川を追い落とすため、西郷が徳川を挑発して「手下を使って浮浪者をかき集め、江戸市中において強盗・辻斬り・放火・強姦などの無差別テロをやったそうです。」…いわゆる「薩摩御用盗」というヤツ…しかしこの話、歴史が好きな人にとって80年代には常識化していたゾ、手塚治虫が幕末を描いた漫画「陽だまりの樹」にもそのような描写がちゃんとある…
薩摩の軍事力で、日本列島を制圧し、ついでに「薩摩閥」で軍や政府をかためた…「男尊女卑」が激しい薩摩の「武士道」的なイデオロギーが、日本全国に広まった…このへんはいろいろ検証してみる必要があるのだが、維新後の体制はむしろ「薩摩レジーム」と呼んだほうが正確ではなかろうか?
最後に、その「薩摩レジーム」を作った西郷隆盛について述べてみよう。
体制変革、もしくは権力掌握のため、武力(ゲバルト)を行使するのが「正道」であると、あの時期に最もリアルに考え、かつ実行し、出来たのが西郷なのだろう。彼が理想とする社会のあり方、「革命思想」の内容については良く分からないが、「武力行使」の有用性について最も理解していた。そのため、「薩摩御用盗」のような汚い手段を使ってでも、「武力倒幕路線」を貫いたのだと思う。その辺が、なんら武力、ゲバルトの裏付けがない「公儀政体論」者との大きな違いである。
ただ、彼の力をもっても、「武士階級」の完全解体までは至らなかった…その落し前をつけたのが、10年後の西南戦争である。西郷は桐野利秋ら薩摩の不平士族に「担がれた」形ではあるが、西南戦争という武力行使を行い、敗北することで、自らも所属する武士階級を完全解体したのである。
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