文京洙さん講演集会(後篇)
南北関係、朝米関係について、朝鮮(文京洙さんは「北朝鮮」と呼称しているが、朝鮮と記す)へのここ1~2年の「経済制裁」が利いている反面、2017年11月の「火星15号」の成功により「核武力完成宣言」を行った。ここで朝鮮の核の高度化が8割方完成し、米国への「抑止力」が完成したとして、制裁解除と経済開発に向けて動き出したと文京洙さんは述べられた。また今の平壌市民(朝鮮民衆のうち、政治圏にいるおよそ300~400万人の人たち)は、核開発体制にはもう戻れないと考えている。ここ2~3年で核廃棄が出来るかは分からない。朝鮮は「段系的に」と言っており12~3年はかかるだろう。アメリカは朝鮮に申告させ、査察を行いたい…そのための水面下の折衝が続いており、それは後戻りしないだろう。一方、朝鮮半島情勢の好転は、北東アジアからヨーロッパに繋がる物流の流れが出来る。日本は植民地主義をどう克服して、新しいルールに参加できるのかが問われているとのことだ。
この後の質疑応答の中で、盧武鉉政権も文在寅政権も基本的に「新自由主義」であり、国際市場の中で打ち勝つ、サムスンなど財閥の協力も必要であると考えている中、経済再建がなかなかうまく進まないでいること、朝鮮戦争終結において、南北38度線における軍事対立の緩和は相当に進んでいること、日本の世論が「朝鮮は信頼できるのか?」と同様に、朝鮮はアメリカを信頼できるのか?おそらくまだ出来ないのだろう。日朝間の懸案である「拉致問題」について、朝鮮は国家としての謝罪を行い、合同調査も行おうとしたが、日本の世論の悪化とアメリカとの制約があるため、2回目の会談がナシになった…この問題に関して、朝鮮側にある程度の「整理」が必要だろうとのことであった。
最後に文京洙さんは今の日本社会をどう思っているかという質問に対して、日本人が朝鮮に対する差別感、優越感を持っている50年代、60年代は最悪だった…最悪の感情の下に出来た日韓条約は、最低の条約だ。その後、90年代にまで植民地支配に対する意識の向上が見られたが、2000年代以降の反動が酷い。これから子供を育てて行こうとする世代が大変だ…と述べられた。その上で、日本会議が4万人を数え、政府の中枢や地域社会に浸透している。これに打ち勝って欲しい。「日本会議のような」地域に根付いた組織運動が必要だ。アメリカは日本の政策の転換を求めている。民衆のそれに対する闘いが取り組めているのだろうか?東アジア共通の民衆の闘いをつくっていかなければならない。朝鮮半島の新しい情勢に対し、安倍政権は阻害物となっている…安倍はそのことを理解した上でやっている…これと闘わなければならないと結ばれた。
その後、関生弾圧を粉砕するアピール、アジア共同行動からのアピール、主催者による集会まとめが行われた。参加者は92名とのこと。
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