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旅し、慰撫する天皇粉砕!

 ちょっと前の話題だが、天皇誕生日前にアキヒトが会見を行った。この会見や、誕生日における「あいさつ」内容について、「リベラル」勢力が「翼賛」している…しかし、日本国憲法順守義務を課せられ、かつ戦後憲法制定時の「革命情勢」を肌で感じている(それは天皇制廃絶=死の恐怖でもある)天皇が、憲法的リベラル感を持ち、そのような発言をするのは「当然」なので、いまさら驚いたり、有難がったりするほうがどうかしている。
 そうして中、天皇会見を的確に批判しているブログ記事があった。「アリの一言」さんの「明仁天皇最後の会見」の10の問題点 である。リンクを開いて読んで欲しい。(ただし、この人、天皇制批判や朝鮮半島植民地支配・責任問題等は原則論でよいのだが、沖縄問題を語る時は原則論すぎてクソの役にも立たないのが欠点だ)
 その中で私が興味を引いた点は、最後⑩のところ

⑩    天皇が「象徴」の在り方を自分で考え、実行していいのか
 「私は即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い、今日まで過ごしてきました」「天皇となる皇太子とそれを支える秋篠宮は…日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います」
 ここに「平成流」ともてはやされる明仁天皇の言動の根本的問題があります。すなわち彼は、憲法の「象徴天皇制」とはどうあるべきかを自分で考え行動してきたし、それを誇示さえしているのです。
 しかし、それは憲法の規定を逸脱するものです。何の政治的権限もない天皇が憲法(「象徴天皇制」)の解釈を自分流に行い、それに基づいて行動することは、憲法前文、第1条、3条、4条、第7条(主権在民、政治的権能、内閣の助言と承認、国事行為)に明白に反します。 
 にもかかわらず、明仁天皇はそれをやってきた。結果、「公的行為」とか「象徴としての行為」などという脱法的言葉を生み、天皇の独断専行を許してきました。その行きついた果てが「生前退位」の「ビデオメッセージ」です。
 しかも明仁天皇は、そうした憲法無視の「平成流」を皇太子や秋篠宮に引き継がせようとしているのです。

 これについて、私が考えたことを付け加えてみる。
 アキヒトが考えた、「象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方」は、ズバリ「旅し、慰撫する天皇」であろう。アキヒトは災害などの被災者や、日本の戦争犠牲者(と関連する場所)への慰問、慰霊の旅を繰り返している。「旅し、慰撫する」天皇はもちろん、「国民統合」のためにそれをやっているのであり、そのお仕事は憲法に規定されているわけではない。彼が勝手によかれと思ってやっていることだ。そして高齢になったので、「旅し、慰撫すること」がしんどくなったから、天皇辞めたいと言っているのだ。
 新自由主義による矛盾が拡大し、貧困と格差、差別がいよいよ蔓延するこれからの日本にとって、天皇が「旅し、慰撫する」ことはより「国民統合」のため求められるだろう…天皇の「慈愛」は、富める者も貧しい者にも、男性も女性も、あるいは「天皇」のあり方を認めるならば外国人でさえも「平等に」降り注ぐからだ(安倍晋三や麻生太郎…はては山本太郎であってもそんなことは出来まい)新しい天皇が非正規労働で呻吟するロスジェネ世代やシングルマザー、Mee Tooを訴える女性等々、いろいろ抱えている人々の元を旅する時代が来るかもしれない…もちろん、わざわざ旅をし、慰撫されたところで、個々が抱える諸問題が解決されるわけではない…ガス抜きになるだけだ。「旅し、慰撫する」天皇のために強行される「譲位」そして「改元」…これを認め、許してはならない。
 リベラルな物言いをする天皇に幻惑されることなく、天皇制には断固、NOを突き付けよう!天皇制を解体し、人々が真に自由で平等な関係をつくれる社会を築こう

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