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ポピュリストは選挙をもてあそぶ

 松井大阪府知事と吉村大阪市長が任期前に辞任し、4月の府議会・市議会選挙での府知事、市長のダブル選挙を目論んでいる。Y!ニュース毎日新聞より
大阪知事・市長、辞職意向 都構想巡り 統一選とダブル選か
 来年11~12月の任期満了に伴う大阪府知事と大阪市長のダブル選が、前倒しされ、来年4月の統一地方選と同日選となる公算が大きくなった。大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」の住民投票の実施時期について、大阪維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)と、府・市議会の過半数の鍵を握る公明党との調整がつかなかったため。松井知事と吉村洋文・大阪市長は、事態が動かないとみて、辞職に踏み切る方針を近く表明する模様だ。
 関係者によると、松井知事、吉村市長ら大阪維新の会と、公明府本部の複数の幹部らが今月21日に会談し、都構想の住民投票の実施時期について協議したが、物別れに終わった。松井知事らは府・市議選がある4月7日と同日選になるよう、知事・市長を辞職し、住民投票実施の是非を争点にする狙いがあるが、他会派からは強引な手法に反発が出るのは必至だ。
 公選法の規定で、任期中に辞職し、出直し選で辞任知事・市長が再選された場合の任期は4年ではなく、残る任期だけになる。このため、ダブル選は松井知事、吉村市長の出直し選とは限らず、吉村市長の知事選出馬案など、別の候補になる可能性もあるという。
 維新は、住民投票の実施時期について、当初今秋を目指していたが、制度案を議論する法定協議会(法定協)の議論の進行が遅れて断念。さらに、統一選との同日実施も検討したが、日程的に極めて困難となり、来夏の参院選との同日を目指すことに転換し、公明に決断を迫っていた。
 会談で、参院選に集中したい公明側は「参院選での同日実施は認められない」とした上で、参院選終了後、任期満了に伴うダブル選までの間の実施を目指す案を打診。これに対し、現在の議会構成のうちに住民投票実施の確約を取り付けたい松井知事らは、参院選での同日実施を譲らず、決裂したという。
 維新は府市両議会で第1会派だが、過半数には届いていない。住民投票の実施には、都構想には反対だが、議論には応じるスタンスの公明の協力が不可欠だ。法定協は昨年6月、両会派の合意で再設置が決まり、公明が主張する「総合区制度」と合わせて協議が始まったが、議論の停滞で年度内の日程確定は困難になっていた。松井知事は今月5日の定例記者会見で、公明の法定協の対応を「ボールは公明にあるが、引き延ばし工作をして上手にごまかそうという雰囲気がありありだ」と責め立て、出直し選に踏み切る可能性を否定しなかった。
 仮に4月の知事・市長選で維新候補が勝利しても、府議・市議選で維新が単独で過半数を得られなければ、都構想は頓挫する。都構想を巡る両会派の駆け引きは大詰めを迎えた。

でもって、ダブル選挙を検討していることは知事も市長も認めた…大阪知事・市長出直し選検討認める「もう一度民意を」
 大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長は24日、大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」を実現させるため、任期途中に辞職して来年4月の統一地方選との同日でダブル選を検討していることを認め、「出直し選をやるとすれば、府議会・市議会でもう一度民意を問いたい」と述べた。連携を模索する公明党については「合意した内容を一方的に破棄された」と批判した。大阪市内で記者団の取材に答えた。
 松井知事は、26日の定例記者会見までに公明の対応を見極め、「しかるべき時期にしかるべき判断をする」と述べた。同日までに公明の協力を得られない場合、公明との水面下の協議内容を会見で全て明かすとした。(以下略)


 要するに、議会内で都構想の住民投票が進まないから、選挙に打って出るということだ。そもそも「大阪都構想」自体、2015年の春に住民投票で一旦「否決」されている。だが、現吉村市長が都構想再挑戦を掲げて当選したため、ゾンビのように生き残っているのが現実だ。ダラダラと新しい「区割り」案などが審議されているが、一向に盛り上がっていない。
 都構想の目玉だった「二重行政の解消」「行政の効率化」もデタラメだ。市立住吉市民病院は建て替えが決まっていたのを「二重行政解消」を名目に府立母子医療センターへ統合、代替えとして民間病院を誘致するつもりが頓挫している(病院は今年3月廃止)同じく二重行政の象徴だった大阪市立大学と大阪府立大学の「統合」は来年4月の予定だが、二重行政解消というより、少子化に伴う大学生き残り策として動いている。大阪市営地下鉄・バスは今年、民営化されたが、これも二重行政とは関係なかった…内容はともかく、手間ヒマと金を投入して行政制度をいじらなくても、「行財政改革」は可能であり、誰も「都構想」なんか求めていないのだ。

 ファシストやポピュリストは、大衆を扇動するための手段として、選挙を利用する。維新のやり方は特にそうである。そして選挙で「多数」を取れば、それ以外の、選挙では組見上げられない少数意見や多様な意見をまるっきり無視し、民主主義の手続きも踏みにじって数の力で「暴走」するのだ。幸い、維新は議会で過半数を占めていないため「暴走」が避けられているのが、大阪の現状である。
 勝手に「国難」を設定して解散総選挙を行い、改憲可能な2/3の議席を分捕った昨年秋の安倍政権も、ポピュリズム的手法をとったと言えよう…その結果が、モリカケ開き直り、入管法改悪、水道民営化そして辺野古への土砂投入を強行する「安倍独裁」である。

 選挙をもてあそび、利用する維新・松井、吉村を許すな投票日には民衆の反乱を叩きつけようおおさか維新を打倒しよう

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