薔薇マークキャンペーンの問題点
さて「薔薇マークキャンペーン」のマニュフェスト(要旨) の最後に、「財源について」とある。
私たちが約束する政府支出増や減税に対しては、当然のこととして財源の手当が必要です。私たちは、デフレ脱却時(政府が定めた物価安定目標に、実際の消費者物価上昇率[コアコアCPI]が到達する時)までは、日銀による量的金融緩和と財務省による国債発行を組み合わせた「間接的財政ファイナンス」を行うことが適切だと考えています。過去に比べて国債発行額を20兆円上積みします。地方自治体に対しては地方交付税の増額を行います。 それ以外については、富裕層・大企業に対する所得課税の強化と資産課税の新設、CO2排出税や為替取引税の新設によってまかないます。
早い話が、当面は「赤字国債」を20兆円ほど上積みして発行する…その後は「景気回復」と富裕層からの収奪で補う…というものだ。
また、財政に関連してマニュフェストには
また、財政に関連してマニュフェストには
15.健全財政の新たな基準を
16.財務省による硬貨発行で政府債務を清算
16.財務省による硬貨発行で政府債務を清算
17.日銀法を改正
というのがある。
pdfのマニュフェスト のp18~21あたりには、その詳しいキモみたいなのが書いてある。問題なのが、この辺で、だいたい「反緊縮」を掲げる論者の共通点なのだが、「日本の財政赤字は問題ではない」というところ…マニュフェストに曰く
pdfのマニュフェスト のp18~21あたりには、その詳しいキモみたいなのが書いてある。問題なのが、この辺で、だいたい「反緊縮」を掲げる論者の共通点なのだが、「日本の財政赤字は問題ではない」というところ…マニュフェストに曰く
2018 年 9 月時点で、普通国債の発行残高は約 860 兆円です。その半分以上(約 460 兆円)は日銀が保有しています。統合政府の考え方、つまり日本銀行は政府の子会社だとする考え方にそって考えれば、国債の半分はすでに返済が終えていることになります。というのは、日銀の金庫の中の国債は、返す期限がきたら借り換えをして延々と返済期限を引き延ばすことができますので、政府は事実上おカネを返さなくていいのです。政府が日銀に払う国債の利子も、日銀の利益として、「国庫納付金」として国に返す決まりになっていますので、結局払わないことといっしょです。つまりこの間の事実として、日銀が数百兆円ものおカネを作って、政府が民間から借りたお金を返してしまったのだと言えるわけです。だから政府が返さなければならないのは、いまだに民間にある国債だけです。
このへんはホントに正しいのか?おおいに引っかかる。(太字はあるみさん)
下手すれば、政府は日銀に赤字国債をドンドン引き受けさせることで、様々なものを書類上延々と購入することが出来る…なんら労働も、生産行為も行わないで「価値」が生み出され、財・サービスと交換することが出来る
と言っているに等しいのではないか?
下手すれば、政府は日銀に赤字国債をドンドン引き受けさせることで、様々なものを書類上延々と購入することが出来る…なんら労働も、生産行為も行わないで「価値」が生み出され、財・サービスと交換することが出来る

この理論が成り立っているとされる根拠として、今860兆円の国債…地方債なんかも含めると1000兆円、GDP比の200%を越えているにもかかわらず、国債は低金利で取引され、暴落もしていない(なぜ危機が爆発しないの
)というところである。

かなり前…消費税を5%に「大増税」したようなくらいの時代から、日本の借金は膨大で、「財政危機」が叫ばれて来た…それゆえに「緊縮」が叫ばれ。人々の暮らしに本当に必要とされる分野に対する「財政出動」がおなざりになってきた経緯がある。だから「財政危機」論に飲まれてはイケナイのであるが、なんら生産行為も行わないで借金がチャラになる(お金が生まれる)などというトンデモに立脚するようでもイケナイと思う。
「統合政府の考え方、つまり日本銀行は政府の子会社だとする考え方にそって考えれば、国債の半分はすでに返済が終えていることになります。」というあたりに「ブルジョワ経済学」にまぎれこんだゴマカシがあるとみるのだが、松尾匡先生らにきちんと経済学の講義を聞いて、納得してみたいものである。
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