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「日本が売られる」だけではないの!

 先日、いろいろ仲間内で学習会をやったのだが、ある人が堤未果の「日本が売られる」(幻冬舎新書)を題材にレポートを書いてきた。
 この本については、別途読んでみようとは思うが、まぁこの間、安倍政権が通してきた「悪法」の数々…水道民営化、「種子法」廃止、漁業法改悪、外国人こき使いの入管法改悪などが、グローバル資本の利益のために導入されてきたのか?というのが良く分かるものだった。特に「種子法」の廃止や漁業法改悪、入管法改悪は、TPPと深く結びついたものだ。

 TPP11は、昨年12月30日に日本、メキシコ、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの6か国でとりあえず発効した。当初はアメリカもこれに加わっていたのだが、トランプ大統領がTPPより二国間協定という戦略をとったたため、アメリカは離脱している。

 ここでTPPですったもんだしている時の議論を思い出してほしい…TPP交渉をやっている12か国のGDPのうち、アメリカと日本だけで9割を占めている。だからこれは実質、アメリカと日本の貿易協定であり、日本の市場や社会がアメリカ資本に狙われるものである…と。
 で、TPPからアメリカが抜けているのだから、TPP11を構成する国のGDPのうち、日本が占める割合が大部分になるわけ。そうすると、TPPの有利な状況は、経済力の大きな日本に働くのではないだろうか?

 グローバル資本のための「自由な市場」は、当然日本企業にとっても有利なのである。日本の企業がグローバルな競争をしていないわけがない。
 日本がTPPに合わせて、あるいはそれ以外にグローバル資本のための「自由な市場」を悪法をつくってまで整備することは、グローバルな活動を行う日本企業の利益にもなる。だから「日本が売られる」だけではなく、日本企業が他国の市場や社会を買い叩くっことも起こるのだ。
 
 「水道民営化」が批判されている。日本の公営水道が、フランスのヴェオリア社やスエズ社のようなグローバル水企業に買い叩かれ、水道料金がべらぼうに上がることが懸念されている…だが、日本の企業が他国の、例えばマレーシアのある都市の水道を支配し、人々を苦しめることもあり得るのだ。

 「日本が売られる」ことのみ批判するのではなく、グローバルに展開する日本企業も批判し、また海外の市場を得るため、国内市場を自由化する(グローバル資本に差し出す)ということを阻止しようという視点も持たなければならない

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