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おそらくこいつらが検討してるんだろう

 先週の話しだが、辺野古新基地建設は不可能じゃないんじゃないか?という記事が出ている。琉球新報より
軟弱地盤、最深90メートル 辺野古新基地・大浦湾側 識者「改良工事、例がない」
 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設に伴う新基地建設に関し、大規模な改良工事を要する軟弱地盤が大浦湾一帯に存在する問題で、最も厚い軟弱な層は水深約90メートルにまで達していることが6日、分かった。これまで最も厚い軟弱層の深さは水深約70メートルとされていたが、防衛局が追加で調査したところ、さらに20メートル深い層が見つかった。鎌尾彰司日本大理工学部准教授(地盤工学)は政府が計画する地盤改良工事について「水深90メートルまでの地盤改良工事は知る限り例がない。国内にある作業船では難しいのではないか」と指摘している。(以下略)

チョイさんの沖縄日記では、防衛局の元資料 が添付されている。

 さて、海面下90mを地盤改良する、地盤改良船は、まぁ確実に日本にも世界にも存在しないのだろう。で、1月以降、政府が軟弱地盤の存在を認め、沖縄県に対し「設計変更の手続きをする」と言ったり、大浦湾の海底に砂杭6万本とも、7万本も打ち込むとかいう、具体的な話がでてきているのだが…ではいったいどこがこのような設計・検討を行っているのか?

 沖縄防衛局のHPから、入札、契約状況>建設工事関係>平成29年度 業務発注実績というのを見てみると(工事や業務をどこにいくらで発注しているのか?ということはこうゆうところから分かるのだ)、下の方に「調114 シュワブ(H29)土木その他設計 という業務がある。そこをクリックしてpdfファイルを開くと  …随意契約結果書というのが出てきて

業務名 シュワブ(H29)土木その他設計
業務概要 本業務は、普天間飛行場代替施設建設業務に係る実施設計(基本検討を含む)を行うものである
方式等 公募型プロポーザル
実施場所 
※※※※
契約年月日 平成30年3月6日
履行期間 平成30年3月7日 ~平成31年3月31日
契約の相手方 シュワブ(H29)土木その他設計日本工営・日本港湾コンサルタント共同企業体
住所 沖縄県那覇市金城5丁目5番8号


となっている…
 すなわち、日本工営株式会社 と、株式会社日本港湾コンサルタント という超大きな建設コンサルタント業者の共同企業体が、昨年の年度末に契約し、今年の年度末までの業務期間で、辺野古埋め立て工事他、基地建設工事のトータルな設計や工程を検討しているのだ。契約期間が今年の3月末ということなので、昨年末には大まかなものが完成している…その結果が、防衛局から発表されているということだ。

 ちなみにいくらでその業務が行われているか?というと…

 271,512,000(税込み)円…

 2億7千万円

 である。予定価格の99.97%

 なぜ、この2社に「随意契約」なのか?「平成29年度 業務入札結果」をつらつら見てみると、調41 シュワブ(H29)土木設計 が同じようにこの2社と契約されている。履行期間が平成29年10月11日~平成30年3月31日 契約金額は6千5百万円
 調33 シュワブ(H29)埋立実施設計 ってのもこの2社…これが総合評価方式の一般競争入札で、履行期間が平成29年9月14日~平成30年3月31日 契約金額は3千9百万円 である。
 おそらく2017年度に「埋立実施設計」というのを4千万円ぐらいで両社に発注…いちおう軟弱地盤対策も含め、これぐらいのお値段で、17年度中にやってね…というところだったのが、いや、これじゃぁ~設計できんわ、もう少し追加データとか頂戴、追加の検討・業務も必要でしょ…とやってるうちに、10月に大きな契約変更…随意契約で別途6千万で契約…それでも「無理だ、できん」ということで、検討期間も1年延長、項目等も追加して、3倍以上の2億7千万円で随意契約しなおした…ということだろうな。

 それにしても…こういった「設計」や「施工検討」業務の費用を積み上げるのは、基本的に技術者が何人、どのぐらいの日数で働くか…ということで決まる。その他かかるのが、解析に使用する電子計算機の費用とか、土質調査の業務だと、ボーリング機器の損料や、それを動かす作業員さんの人件費等が含まれる。その合計に経費をぶっかけて「予定価格」を決めるのだ。 基本、設計、検討の業務は技術者の「人件費」である。様々な資格を保有し、業務経験も豊富な「能力の高い技術者」は単価が高い…そうゆう人たちが何人も、何日もその業務にかかわって設計・検討が出来る…と言う仕組みになっているのだが…

カネと時間を際限なくかけても、 
   出来ないモノは、出来ないの

 最初に上げた報道にもあるよう、海面下90mの地盤改良をする作業船が無い(作業船があるかどうか調べることも設計検討業務の中に入っており、「能力の高い技術者」さん達はそれをちゃんと実行し、分かっているハズだ)ところで、2兆の契約を3兆、4兆に増やしてもいっしょのことなのだ。(新しい「作業船」を「設計」する業務…となると、また別の業務となる。それはそれで別途お金がかかる)
 ちなみに私もこの設計検討業務…確かに難しい案件ではなるが、1億円台でおさまっているだろうと考えてはいた…しかし、2億7千万円もかけてたとは、何だこりゃ~の世界だったなぁ~
 まざに設計の段階から、「税金の超無駄づかい」なワケだ

 あと、株式会社日本港湾コンサルタントは、事業紹介 交通 を見てみると、関空、神戸空港、北九州空港、中部国際空港と、まあありとあらゆる大規模埋め立て工事に関わっている(それだけプロだっていうこと)、また日本工営株式会社のあゆみ を見ると、いきなり朝鮮で鴨緑江水力発電事業に参画してたって書いてある。日本工営は日本の「侵略企業」でもあったということも、付け加えておこう。

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